表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/226

第29話.3人と1匹での闘い(3)


なにはともあれ、倒せたんだ。

ーーーやった!!!!!


ホッとしてリーヴを見ると、すでにリーヴが相手にした男は倒れていた。

その男の心臓部分には、かなり太めの枝……いや、もうあれ木じゃね?

とも思える物が突き刺さっている。


こ……怖ぇ……

軍人さんは、心臓を狙うんですね……。


そのリーヴは、すでにメルに紙ごと顔面に引っ付かれている敵に向かって飛び掛っていた。

それに気付いたメルが すかさず顔面から離れて地面に着地すると同時に、敵の肩に足を掛けたリーヴが 敵を地面に叩きつけて馬乗りになった。


顔から紙が剥がれ、やっと何が起こっているのかが目に映ったその敵の男は 自分にのしかかっているリーヴを見て目を見開き、声をあげた。


「あ……んた……そんなっ…!?第1ガンナー部隊のっ…!?」


その瞬間 リーヴは左腕を空に突き上げ、ボソッと呟いた。


「アームズ」


リーヴの左腕が、わずかに光始める。


「そんなっ……」


男が信じられないといった顔でリーヴを見るが、リーヴは無情にもそのまま 光っている左腕を敵の心臓部分に突き刺した。


敵はピクリとも動かずそのまま停止してしまっている。

心臓部分は完全に穴が空いている状態で、下の土まで見えてしまっている始末。


信じられない……目玉であんだけ硬いのに、素手で身体を貫通した……。


これには、ギンもヒュウ♪と、似合わない口笛を吹いた。


「流石ですねぇ。部分強化を持ってるガンナー隊員って少ないのでは?」

「だから俺が隊長やらせて貰えたんだろ。って、お前俺が部分強化持ってんのは知ってんじゃないのか?データにあったろ。」

「あー…まぁ。でも、その部分強化って……」

「おーい!!!2人とも話は後!!早くこいつらの荷物貰って、ノア達に合流しねーと!!」

「おっと。失礼しました。……まさか、いちさんに注意されるとは不覚。」


ほんっと一言多いな このクソガキは!!



リーヴ達が倒した2人の敵の荷物を物色している間、俺はさっきぬめりゴケで不慮の死を遂げてしまった男のリュックを開けた。

中に入っている物を一通り確認してみたが、ほとんど俺の知らない物ばかりだ。

豚みたいに、何かをして爆発とかでもされたらかなわないので 下手に触る訳にはいかない。

リュックごと持ってって、後でギンに見てもらおう。

そう思って ふとギンを見ると……ギンの顔がこわばっている。


なんだ………?


「いちさん!!!!!」


ギンの叫び声を聞いた瞬間、俺は背中がゾクッとするのを感じた。

後ろから……人の気配がしたからだ。

さっきぬめりゴケを塗った奴だ………。

死んでなかった……。

気絶していただけなのか?


しかし、接着材になったぬめりゴケは、2~3日は剥がれないと聞いた。

まだかなり染みているはず……立っているのもやっとなんじゃないか?

チラリと足元を見ると、見えた足はガクガクと小刻みに震えていた。


これは逃げるが勝ちだ!!!!!!


俺はこいつのリュックを片手で抱えて全力で走り出そうとしたが、ふと後ろから聞こえた キンッ という金属音が耳に届いた瞬間に足が固まった。


「動くな。」


敵のその声に一瞬、何か違和感を感じたが

その直後、首筋に軽く触れた冷たい感触が俺の頭の中を真っ白にした。


刃物……これ……剣か…?


え、アンドロイドって剣で斬れんの!?目ん玉だって固くて、ぬめりゴケを付けるので精一杯だったんだけど!!


しかし、焦っているギンとリーヴの顔を見て なんとなく分かった。

斬れるんだ。きっと、普通の剣ではないんだろうな……。


敵は左腕を俺の首に回し、俺を自分に引き寄せると 右手で持った剣を俺の首に当てた。


「いちを離せ。頭吹っ飛ばすぞ。」


敵の荷物の中にあった戦利品だろう。

リーヴは左腕で銃をかまえ、俺の後ろにいる敵を睨みながら言った。


「……撃てるんですか?左手で。」


敵は静かな声でリーヴに問う。

リーヴは質問には答えずに、黙ったまま銃を敵に向けている。


……やっぱり、なんか違和感があるんだよなぁ……。

しかし、その違和感は 敵と密着しているからこそ すぐにわかってしまった。


「とにかく、話を聞い……」

「あんた、女?」

「!?」


そいつは何かを言おうとしていたが、俺の発言に驚いた様で 首に回していた左腕が一瞬ゆるんだ。


これなら……っ!!


「リーヴ!!!」


俺は大声でリーヴに叫び、それと同時に首に回された左腕を自分の右手で掴んで首から離した。

下にしゃがめば、リーヴの射線が通るはず。

リーヴも瞬時に理解した様で、 ジャキッ という音と共に敵の頭に狙いを定めていた。


しかしここで、誰も予想していなかった事が起こる。

俺が自分の首に回されていた敵の左腕を掴んでいた その場所から



バチンッッ!!!!!



「うわ!!?」


何かが弾ける様な音が鳴り、俺に剣を向けていた敵は その場で崩れ落ちる様に倒れ込んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ