2話 .出会い(1)
「……え。……あれ?」
さっきも真っ白になった頭が、また真っ白に……真っ白………?
あ……れ?……俺の頭の中って……。
呆然としながら固まってしまった俺に、目を覚ました男が首をかしげながら再び俺に聞いてきた。
「なぁ。お前どーやって起きてきたんだよ?事故か?」
「………はい?」
事故で起きる?何言ってんだこの人。逆だろーがよ……。
どう考えたってこいつが事故かなんかで死……いや、蘇生したから死んでねーか。
ん?なんつーんだこーゆう場合。瀕死?
「えーっと。あなた実はかなり危険な状態で……瀕死?みたいな。あ、でももう意識は戻ったみたいだし……他に痛い所ある?」
俺は他にケガしてる場所がないか丁寧に調べていく。
「リーヴ。」
男は俺の手を振り払いながら意味不明な事を呟いた。
「リーヴ?……リーヴって何?」
「俺の名前だよ。お互い名前知らねーと色々不便だろ。お前は?」
「え……。えーと……。名前……。俺の名前………は………」
さっき頭が真っ白になった時にも感じた違和感。
俺は、自分の名前が分からないんだ。
俯く俺をみてリーヴは、ふぅん……と首をかしげながら歩き出した。
「記憶喪失か。まぁ、珍しいが……たまにあるらしいしなぁ。頭ん中のどっかがラリったんだな。」
「え………。ラリ……?ラリ…って…え、何?病気?俺病気?」
「どんくらい経ってんだ時間……。…やっべぇな……。」
「は!?手遅れってこと!?」
なんて事だ………。まさかそんな……俺が病気って………嘘だろ?だって痛みも傷も何もないぞ!?
ついでに……記憶も無いけど。
「病院って行った方がいいのかな?なぁ病院ってど……こ…?」
涙目ですがりついた言葉をリーヴは、見事に無視してキョロキョロと何かを探している。
あれ?よく考えたら、結構前の質問から既にスルーされてね?どーすんだよこれ……。病人だったらあれだ。安静にしておくべきだよな。取り敢えず、床に座っとくか。
「おいっ!!!何してんだお前!!!」
………怒られた。
「何?俺ちょっと安静にしておくべきだと思うんだけど。……シカトされるし。」
「俺、このガキ2人起こすから。お前はそっちにいる“ノア”を起こせ。」
「え?起こ……人が居るの!?他に!?」
暗かったから気付かなかったけど、暗さに目が慣れてきたからか、うっすらと周りが見える様になっている。確かに、リーヴの足元には男の子と女の子が倒れていた。
俺の近くに居る……ノア…?
キョロキョロと捜さなくても、その子はすぐに分かった。
近く……ではないけど、俺からそう遠くない所に女の子が倒れてる。
……ん?
ノア………?
今、リーヴ……この子の名前を言った?
「ねぇ、リーヴ?この子、お知り合い??」
「早くしろ!!!!!!」
………また怒られた。




