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第27話.3人と1匹での闘い(1)


「ここで止まって下さい!!3分48秒後に、ここを通ります!!」



探知機能での敵の動き方から、ここまで正確に予測出来るモンなのか……。

相変わらず凄いな……。


ギンの計算に呆気に取られていると、ふと あ る物に目が止まった。

ギンの腹部近くの草むらの影から、チラリと見えるそれ。


俺は飛びつくように、それをむしり取った。


「な、何ですかいちさん!!どうしました!?……え……ちょっと……それ…。」


俺がいきなり 腹近くに飛び付いて来たので、慌てて身体を逸らしたギン。

ギンはバランスを崩して倒れそうになり つつも、リーヴに支えられ俺の手元を見てあきれ果てた。



「赤実ナガランダラクベンドミズミじゃないですか。何ですか?お腹空いたんですか?まだ走っただけで何にもしていないのに。」

「いやいやいや、違くて!!なんか使えないかなって。あの汁の出し方、勢いが半端なかったし。」


滝みたいだったし。


「あぁ……成程……。確かに、あの時汁を浴びたいちさんは なかなか見事な顔をしてましたね。今思い出しただけで僕笑えますもん。ぶふっ……」

「へぇ。そんなに凄かったんだ。俺も見たかったよ………残念だ。」


言いながら思い出したのか、吹き出したギンを見て強がって言ったものの……ぶっちゃけ ほんとに見たかった。


「だが、これは使えるぞ。人というのは驚いたり予想外の出来事があったりする時は、無意識に口を開けてしまう癖があるからな。その瞬間口に突っ込め。動きを止める事は出来る。」


人じゃないんだけどね。アンドロイドなんだけどね。


「だが、ケツから突っ込めよ。頭から突っ込んでも美味い だけだ。」


ほんとに美味いんだ……。



そんな時、敵の様子を見て来たメルがパタパタと帰って来た。


「3ニン、タブンオテ!!腕ニツイテルハ、キイロ!!デスタ!!」


「よし!!」

ギンとリーヴがガッツポーズする。

いや、ギンは腕がないから、ピョンッと飛び跳ねた感じだけど。


「腕章が黄色なら、Dランクです!!イケます!!」

「よし。さっさと木を登ろう。いち、あとこれを。」

「え。……あ……。」


リーヴが渡してきたのは、かなり丈夫な木の枝。


「これは筋肉木。ちょっとやそっとじゃ折れない。狙う場所はわかってるな?」

「………目。」

「よし。それでいい。位置的には……この木だな。登ろう。」


奇襲をかけた時、闇雲に

攻撃したってすぐに反撃される。相手の反撃を止める、もしくは一瞬でも動きを止めるならば、狙うのは視覚を潰す事だとリーヴは教えてくれた。


ギンを背負ってヒョイヒョイと木を登って行くリーヴ。

俺もヒョイヒョイと………。


無理でした。

木に登るのって、本当に難しいんだって!!

慎重に登りながら、右足をくぼみに引っ掛けようとしたその時……

ぬるっ とした物に右足をとられ、滑った。


「うわっ……」


必死にしがみつき、なんとか落ちずに済んだものの、左上を見上げると 既に目的の高さに登り、うまく太めの枝 に足を掛けて中腰に立っているリーヴと、その 枝にペタンと座っているギンが揃って口に人さし指を口に当てていた。


「静かに。どうしたんです?」

「ごめん。滑った……。なんか、ぬるっとしてる物があって……」

「ぬるっとしてる……?」


ヒソヒソ声で話していたギンが、身体を乗り出して俺が足を滑らせた物を見て、 あっ と、小声で呟いた。

「何?どうしたの?」

「あれ、ぬめりゴケですよ。いちさん。持ってる枝に、あのコケ付けて来て下さい。先っぽだけでいいので。多めに。」


ぬめりゴケって……聞く限りイヤな物体にしか思えん……。

俺はめいっぱい手を伸ばし、持ってた木の枝の先で ぬめりゴケを引っ掻いて出来るだけ多くのぬめりゴケを枝の先に付けてギンに見せた。


「このコケは、粘着材になるんですよ。練って枝の先に付けておけば、わざわざ目を刺さなくてもこのコケを目に塗れさえすればその目はかなり染みて しばらくは開きません。」

「へぇ…」

「枝と枝で練ってくださいね。手にくっつくと、枝が手について離れなくなりますからね。乾いてしまうと、くっつかなくなりますから、敵が来る直前まで練ってて下さいね。」

「ん。わかった。」


ギンはおれが練るのをジーッと見た後、うん。と軽くうなづいて リーヴとメルの方を見た。

え。練り方チェック?

……どんだけできない子認定されてんだ俺……。


「リーヴさん、先程いちさんがやった様に、僕の巻物から50cm切り出して、メルに。」

「わかった。」

「アイサ!!」

「タブレット」


メルが小さな手で受け取った紙が、ピシッと固い板の様になる。


紙状のままだと、木から降りる時にバサバサと音が鳴ってしまい、敵に自分達の位置が真上だとすぐに気付かれてしまうので、寸前までタブレットにしておくらしい。


ー戦闘には向いていないー。


ギンは自分をそう思っているみたいだけど、そうかなあ?

こうして実際に敵を前にすると、ギンの頭脳って、 実はすごく戦闘に向いている気がする。


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