第25話.危険(2)
おいおいおい!!ふざけんなよ中野博士えええええええええ!!!!
メルと凪ちゃんが別行動くらいするって普通は想定するだろ!?
いや、離しちゃったの俺達なんだけどさ!!
「追っ手ではないな。オレら2区の隊列の組み方じゃない。」
「え!?そんなんで区別つけれるもんなの!?」
「何区の隊列か、分かりますか?」
「何回か見た事がある。……多分6区だ。あそこは1小隊8人。数も合う。」
急いで走りながら、俺達は出来る限りの情報を口に出して共有させる。
ある程度相手を知っていて、心構えや準備をしてからぶつかるのと、相手を全く知らない状態でぶつかるのとでは、 全く勝率が違うとギンが言ったからだ。
「8人で数が合う。つまり、1小隊全員揃っている。……という事は、間違いなくBランカーである隊長もいるんですね。」
Bランクが確実にいる……。
確か、リーヴがガンナー隊の隊長をやっていて、Bランクだったって言ってたよな……。
「ねぇ、この前のスパイって、ランクで言うとどれくらいなの??」
「スパイにもよりますが……Cランクの末端ってところじゃないですかね?」
「ギンは戦闘ランクEだっけ!?」
「僕達は戦闘には出ませんから。Dより下は全部Eです。」
リーヴに背負われ、自分の体とリーヴの背中にタブレットを挟みながら見ていたギンが叫ぶ。
「ノアさん達と敵がぶつかるまで、役15分です!!」
間に合うか……!!?
とにかく二人を速攻で担いで反対方向に全力でダッシュだ。
俺の体力に対する不安要素は、俺自身よーくわかってます。
あれだ。火事場の糞力ってやつが発動するんじゃないかな。男の子はさ、きっと皆持ってるスキルだと思うんだよね。
「いいですか!?まずは相手の腕章を見てください!!隊長の腕章は青色です!!青色の腕章を付けている者には注意が必要です!!不用意に近づかない様に!!」
………あれっ……?
青色の腕章……?
「それって、マズくない!?」
「え?」
「ノアは色が分からないじゃん!!腕章の色なんか分かんないよ!!全部白と黒に見えるだろ!?」
「凪は見えるんだから教えれるだろ。」
「……凪は、喋れません。」
とは言え、指をさす などして、どいつが隊長かを教える事は出来るだろう。
その余裕すら無さそうだけど……。
問題なのは、Bランクがいるってだけでマズイのに、他に7人もいるって事と、その全員の相手をするための戦力が、現状ではノア1人という事だ。
「2人にするんじゃなかった……」
「な……、なぁ、ギン。俺は何をすればいい??戦闘が全く分からないんだけど……何か策は!?」
「策……ですか。……難しいですね。」
「難しいの!?勝つのは不可能なの!?」
「僕達の身体が、身体ですから。」
「は?」
「俺達の身体がパーフェクトだったら、普通に勝ち戦だコレは。」
走りながら、リーヴがボソッと呟いた。
「え!?そうなの!!?」
「そりゃそうですよ。探知機能持ってるんですから。見つからない場所さがして、遠距離攻撃で敵を減らして、残った隊長を全員でボコれますもん。」
「俺なら、その隊長も遠距離でやっちまうな。」
「ほほぅ……。そんな便利な探知機能を、なんで相手は使わないの?」
「探知機能自体、開発出来てないんですよ、今現在。」
中野博士…………
ふざけんなとか言ってごめんなさい。
「待って下さい!!止まって!!」
急にギンが叫んだ。
「どうしたんだよ!?早く行かないとノア達が……!!」
「右側から……3人来てます……」
タブレットを見つめるギンの顔が青ざめている。
右側から……?違う敵が……?
「距離は?」
「このまま行くと、僕達とぶつかります。」
嘘だろ………?
3人……
3人組で行動しているってことは
恐らく、追っ手だ。




