第24話.危険(1)
「では、今のうちに追っ手や敵の位置を、1度把握しておきましょうか。
いちさん、僕の背中に付いてる巻物みたいなやつ、わかりますか?」
ギンが俺に背中を向ける。
そうそうそう!!これ、何なんだろう?ってずっと思ってたんだよな。
簡単に言うと巻物なんだけど、俺が知ってる巻物とはサイズが違う。
でかい。とにかく、でかい。
幅は……、いや、ギンは横にして背負ってるから、巻物で言えば高さなんだけど。横にすると、ギンの身体から左右にそれぞれ、広げた手が一個分ぐらい、はみ出してる感じ。
「カバーの中に紙が巻かれてますので、それを、50cm程引っ張って出して下さい。」
ふむふむ。
パチンと留め具を外すと和風の柄が描かれた固めのカバーが少し浮く。その中には、白い紙がトイレットペーパーの様に巻かれている。
「このトイレットペーパーを50cm引っ張り出すんだな……」
「トイレットペーパーでは、ありません!!!!!!!!!!!!!」
あ、キレた。
「……コホン。失礼。では、そこら辺で点線がついてると思うので切ってください。」
「……まさにトイレットペーパーじゃないか。」
「トイレットペーパーでは、ありません!!!!!!!!!!」
俺はピリピリと点線に沿って、トイレットペーパーを切り、ギンに見せた。
「これでいい?」
「……はぁ……。はい。ありがとうございます。……タブレット。」
ギンが呟くと、ヒラヒラと風に揺れていたトイレットペーパーは、ピシッとした板状に変わった。
「うぉ!!?え!?何これ!?完全に板になってんだけど!!!どーなってんの!?魔法!?ギン魔法使えるの !?」
「この紙自体、僕の身体の一部ですから。それを地面に置いてください。皆さんにも見える様に。」
身体の一部って………トイレットペーパー内蔵のアンドロイかぁ………………斬新!!!
「第2区の地図を出しますね。」
地面に置かれた板状のトイレットペーパーがうっすらと光り、ジワジワと地図が浮き出て来る。
「メル、この地図に、探知機能で探知したアンドロイドの信号を映せますか?」
「ヒロスギャス」
「…………」
「広すぎるって。」
「あぁ……なら、この森に拡大しましょう。どうですか?」
「アイサ!!」
メルは目を1度閉じると、再び開いた。
メルの目が光ってる………。
そして、ゆっくりと地図に目の光を当てた。
「ーーーーー……えっ……!?」
俺でもすぐにわかった。地図に色がついた点がたくさん浮かんで来たからだ。
「これって……」
「追っ手かもしれないし、攻める為に侵入して来た他の地区の敵もいるだろうな。」
「この点滅してる3つの点が俺達かな?」
メルは自分の位置を知る必要はないもんなぁ。
「だとしたら、点滅してる2つの点がノアと凪ちゃんか……あった!!……えっ……!!?」
2つの点滅している点を探していて、俺は背筋がゾワッとした。
今ノアと凪ちゃんがいる場所の近くに、赤色の点が8個近付いている。
「ちょっ……待って!?あいつらヤバイんじゃないの!?敵近付いて来てるよ!?」
「落ち着いて下さい、いちさん。メルに付いているんだから、凪にだって探知機能は付いているでしょう。すぐに気付いてこちらに戻って来るはずです。」
「ナンゼ?」
「はい?」
「ナンゼ、メルツイテンタラ、ナギニーダッテンデス?」
「ちょっと。聞き取りにくいんですけど。」
「ヒョ?」
メルとギンが顔を合わせて首を傾げる。
えっと……『なぜ、メルについてたら凪にだって?』
探知機能……が!!?
「まさか……凪ちゃんには探知機能、付いてないの!!?」
「アイサ」




