1話.目覚め
「ーーーーーーばを、探せ!!!!」
頭の中にその言葉が響いた瞬間、俺は目を覚ました。
心臓がバクバク言ってる。
なんだ……?夢か……?
ボーッとしながら体を起こしてみて、びっくりした。
「……床………?」
床というより地面。
なんで俺こんな所で寝てんだよ。つーか、どこだここ??
薄暗くて良く見えないので、手探りで周りを探ってみると………
グニッ
手が、何かを掴んだ。
「なんだ……?…………………………って!?に…………人間!!!?」
手元に顔を近付けてみると、そこには男の顔があったのだ。
いや、つーか何?何で?何でこんな所で人間が寝てんの!?
……俺もここで寝てたけど。
黒いサラッとした髪の毛。前髪は片眼を隠すほどの長さで、シュッとつり上がり気味の目は実際は閉じているけれど、まつけが長いのはわかる。
ほっぺたに刃物か何かで切られた跡があり、雰囲気的に少し怖い。
「あの………大丈夫ですか??」
とりあえず起こそうとして、体を揺すってみる。
「あのぉーー!!!おーい!!!ちょっと!!………ねぇ……」
何度も揺すってみて、妙な違和感を感じた。
ピクリとも動かない。なんか、おかしい。生気を全く感じない。
こいつ…………………死んでね………?
体中の血の気が一気に冷めていくのを感じるのと同時に、冷や汗が大量に吹き出す。
口元に手を当ててみるが、息をしている気配は、やはりなかった。
「ど………っ……どうしよう………っ……!!!誰かっ……!!!」
助けを求めようにも、こう薄暗くては人がいるのかもわからない。
こーゆう時、どうするのが一番いいんだっけ…!?
心臓マッサージ!?って、心臓マッサージで助かるもんなのか!?
でも……心停止って、確か長ければ長い程蘇生率って低くなるんじゃなかったか!?
「あああ!!もぉわかんねぇ!!!!」
頭ん中パニックで真っ白だ。
とにかく心臓マッサージを見よう見まねでやってみるしかない!!
「心臓部分を……押すんだよな……えっと…ここ?」
俺はパニックになりながら、寝ている男の心臓を両手で何回も押してみた。
絶望的だってことはわかってたけど、腕に体重をかけて何度も何度も押す。
「ダ……メだ……ちゃんとした心臓マッサージなんて知らねぇよぉ……」
ヘタリと男の横に座り込んだその時だった。
「なんで起きてんだお前?」
知らない声。
誰か来てくれたのか!?
急いでふり向くが、人が来た気配はない。
なんだ今の…?
首を傾げながら男の方に向き直ると……
さっきまで死………倒れていた男が、俺の目の前に起き上がっていた。




