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10話.脱走(2)


俺達が隠れているガラクタの上あたりに立ち止まって、警備兵達は喋り出した。


「逃げたスクラッパー達は、ここから外に出たのか?」

「だろうなぁ……。映像を見る限り。コンテナ破壊したの、あのノアだぞ?凄い力だよなぁ」

「俺ファンだったのに。踊ってる時はあんなに可愛いのに。あれはないわー。」

「夢壊されたよな。なんか騙された感半端ねーよ。ほんと、あれはねーわー。」

「「あれはねーなぁーー。」」


出て来た警備兵に言われ放題のノア。


しかも最後ハモってんぞ。すげーなぁ。


チラリと横のノアを見ると、ものっっっ凄い怖い目で警備兵達を下から睨んでいる。

頼むからノアがキレて飛び出して行くなんて馬鹿な真似はしません様に………。


そんな中、ガレキの山の左右からたくさんの兵士達が出て来ているのが見えた。

街から出て来ていたのだ。

さっきガラクタの山を降りて森に走っていたら、確実にこいつらに捕まっていただろう。


うっわ。怖ぇ。


「おっと。仕事仕事。」

「あ、そうだそうだ。つか、スクラッパー達は森に入ったっぽいな?」

「ガラクタが森側に向かって散らばってるからなぁ……でも、時間的にすでに森の中ってのは難しくないか?」

「あの馬鹿力見たら、俺達の予想なんて当たらんかもしれんぞ?」

「うわぁ……森の中とか勘弁して欲しいなぁ。捜索すんの大変すぎるわぁ。」

「あぁぁ……森の中捜索かぁ……気が重いなぁ」


まだ森の中には入っておらず、お前らの足元のガラクタの下にいるんだけどね。

でも、これで森に逃げ込むのは難しくなったか?

これから森に行くみたいだしなぁ……。

捜索隊に先行されちゃうと、後から森に入るのは危険になっちゃう気がするんだが………。


しかし、チラリとギンを見ると……ギンの口元は笑っていた。

その理由がわかったのは、男達の次の会話だった。


「でもスクラッパー達の中には、あのギンがいるんだぞ?ブレイカーレベルのあいつの事だから、森にしか逃げる場所がない状態でそのまま森に逃げるなんてバカ正直な事しないだろーよ」

「うわぁ……。街側にもガラクタ散ってるぞ!?」

「裏をかいて、街の中に潜んでんじゃねーか!?今ちょうど街から兵士出て来ちゃってるし!!」

「くそっ!!!ほんっと子ども型のブレイカーはやっかいだな!!すぐ裏をかくんだからよ!!!」

「おい!!街に戻れ!!早く!!!」


男達は、慌てて街から出て来た兵士達に街に戻るよう指示を出すと、自分達もガレキの山を降りて街に走って行く。


それを確認したギンはガラクタから身を出し、ニッコリ笑って俺達に言った。


「さぁ。森に逃げましょう。」


子どものくせに、なんて恐ろしい子!!!

裏の裏をかくのかよ!!


とは言え

ガラクタの山を降りると、森までは見晴らしのいい平原。

こんな所走っていると、当然すぐ発見される訳です。


「走りますよ!!一気に全力で森まで!!」


ギンの合図で俺達はガラクタの山から一気に駆け降りると、一目散に森へと走った。

街に戻りつつあった兵士達の最後尾あたりを歩いていた兵士が、俺達に気付く。


「あっ!!!??おいっ!!!!スクラッパー達だ!!!!!森に走ってる!!!」


しかし一度街に引き返してくれていたおかげで、そいつらとの距離は稼げていた。


後は、とにかく死ぬ気の鬼ごっこです。


先に森に着いたのはギンと凪ちゃん。

すぐに隠れる場所を探してくれている。

リーヴも森に着き、俺とノアに急げと誘導してくれていた。


俺の横を走るノアは、息一つ乱していない。

どう考えても、俺より早く走れるはずなのに、ずっと俺の横を走っている。

ノアの事だから、もちろん深い意味はないのかもしれない。

でも、俺を見捨てないと言われているみたいな感覚になった。


ただ横を走ってくれているだけなのに、なんだか妙に嬉しかった。


なんとか森の中に駆け込み、ギンと凪ちゃんが見つけた場所に滑り込んだ。


木が密集していて、なおかつ腰の位置あたりまで草が生えている場所。

木の影にも隠れられるし、いざとなったら草の近くでしゃがめば草で姿は見えなくなる。


「きっつ……ぅ……。も……走れねー……」


ゼエゼエ言いながら絞り出した声。

我ながら情けない……。


4人の顔を見ると、4人ともホッとした顔をして座り込んでいた。


うん。

脱走は、ひとまず成功。


すぐに追手は来るだろうが、ひとまずは俺達の勝ちだ。

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