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第51話.じゅんとの戦い



「だとしたら、ナッツは撤退するやろな。」

「じゅんは、するかな?」

「さぁなぁ……、戦闘マニアな上に、一度倒せなかった相手が目の前にいるんや。……止まらんやろ。」


俺達は全員で深く頷き、荷物を持って凪ちゃんが向かった建物に走った。


「久遠!!久遠は正門前に行って!!」

「わかったわ!!姉ちゃん、何があるかわからん以上、(サナギ)はあんたさんに任せるけぇな!!」

「了解」


そうして、俺とノアは武器庫へ。

久遠は、シュカさんが戦っている正門前への援護に走った。

メルは、凪ちゃんのリュックに入れてノアに背負ってもらった。


建物に着き、入口を急いでガチャガチャと開けようとするものの、やっぱり鍵がかかっていて外からは開かない。


俺はドンドンとドアを必死に叩いた。


「凪ちゃん!!!鍵を開けて!!俺たちも一緒に戦うから!!」


すると、じゅんの声と思わしき男の声が響き渡った。


『別に入れてやってもいいんじゃねーのぉ?ガキ1人じゃつまんねーしさぁ。』

「じゅん!!ナッツは多分撤退する!!ここで戦ってても意味はないぞ!?」


必死に説得する俺の声を聞いて、じゅんは大声で笑い出した。


『別に意味はあるぜ?

このガキ、一度この俺から逃げてるからな。相当の使い手だろ。戦わないで撤退なんて選択肢は、俺にはないねぇ。』


…あくまでも、凪ちゃんと戦う気だ…。


ドカンッ!!!ガッ!!


激しい音が、武器庫の中で何度も響く。


「なんとか加勢しないとっ……!!」

「いち!!こっち、窓がある!!鉄格子があるから、中には入れないんだけど……」

「広げれない??前、ノア馬鹿力で鉄格子曲げてたじゃん!!」

「あんなチャチな鉄格子じゃないわよ。人間はいつも命の危険と隣り合わせなんだから、自然とこーゆう頑丈な鉄格子になっちゃう訳よ…」


必死に鉄格子の狭い間から中をのぞき込んでいると、ドンッという音と共に凪ちゃんが並べられている武器などの棚に吹き飛ばされた。

バラバラと、たくさんの武器が凪ちゃんの上から降ってくる。


凪ちゃんは血が滲んだ口元をぐいっと拭うと、近くに落ちている短剣を拾い上げて、身構えた。


じゅんは笑いながら俺達がいる鉄格子の方に歩いて来たかと思うと、その鉄格子に寄りかって凪ちゃんを見下ろしながら不敵に笑っている。


『この子ども型さぁ、中野博士の遺作なんだろう?スクラップされなかったんだな。……いや、されそうになったから逃げたのか。

あぁそっか。今外にいるお前ら……このガキと一緒にコンテナから逃げ出した奴らかぁ。』


俺の横にいるノアの肩がわずかにビクッと揺れた。


『俺は、まだ逃げ出した時の映像は見てないんだけどさぁ。部下がブレイカーのギンがいるって騒いでたのは聞いたぜ?

あー…っと。そうだそうだ。』


じゅんは笑いながら手をポンと叩いて、ノアを指さした。


『逃げる時にコンテナを破壊したのは、あのノアだという話もな。』


ノアを見ながらニヤニヤと不敵な笑いを浮かべているじゅん。


ここにいるのがノアだという事には、もうきっと気付いている。


それどころか、コンテナからの脱走組が全員久遠達人間に加勢してここにいるって事さえも気付いているだろう。


それに加えて、じゅんはメルの存在まで知ってるんだ。


「…じゅん。2区が探し回ってる例のアレは見つけたのか?」


俺の質問に、じゅんはふっと静かに笑ったかと思うと、俺達の方を向いて呟いた。


『お前らの誰かが持ってるんだろ?

ドラゴンの子ども。』


やっぱり…!!

探知機能持ちがメルだという事にも気付いてる。


「それはもう報告したんだろ?だったら、少しは応援よこすんじゃないの?喉から手が出る程欲しいんだろうし」


『応援が欲しい訳じゃあねーからな。中野博士の遺作、(サナギ)持ちの久遠、そ、れ、にぃ、激強ノアちゃん。強者がこんなに揃うなんて、そうそうねーだろー。

こんなチャンス誰が逃すかっつーの!!』



報告……してないなこいつ。


だったら……俺達が取るべき行動はただ一つだ。


こいつを、絶対にここで殺さなくちゃいけない。




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