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新世紀の殉教者

桜の雫

作者: keisei1

 道化を演じて 僕の仮面は


 欲望とともに業火に焼かれる


 なぜだか僕の心は 漆黒の闇の中へ



 尊さも 儚さも 切なさも


 暗雲の彼方へ過ぎ去る



 いつの日か交わした約束も


 今は枯れ果てて 見る影もない



 愛も 慕情も 君の面影も


 全てついえて 消え去る



 五月の前の通り雨 


 しっとり濡れた僕の肩に 


 桜の雫が舞い落ちる



 騒ぎ過ぎた夜の名残は

 

 嘘で塗られた舞踏会の 最中へ消える



 僕の何が悪かったのか


 それは多分僕自身が知っている


 それは多分 彼女とてそうだろう


 

 お互いが過ちを過ちとして 認め合った時 


 全ての徒労が報われる日が来る



 一夜の夢も 偽りの官能も 詐欺でさえ


 全てが灰塵と帰し 風に吹かれる


 やがて訪れるのは 静寂



 五月を迎えた通り雨


 涙で濡れた僕の頬に


 桜の雫が舞い落ちる



 ただ静かに たおやかに



 明日には笑顔に戻れるはず


 そんな希望でさえも 願いでさえも


 踏みにじられて 闇夜に消える



 ただ残るのは後悔と 傷つけあった痛みだけ



 五月間際の通り雨


 痛みで赤く滲んだ掌に


 桜の雫が舞い落ちる




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