表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜桜にして咲く櫻  作者: nor
第一章 初桜(高二春編)
3/101

第二話 普段のわたし


 それから三日が経った。


 週末も過ぎて月曜日。

 今は制服ブレザーを着て高校に登校中だ。


 ちなみにあの後の夕食は最悪だった。

 最初はみんな運ばれてくるものを淡々と食べていたが、一人声を出したかと思えば、怒号が飛び交い、お父さんがなだめに入ると、それまた口論の火種になって……………………

 これ以上は思い出したくもない。

 おばあちゃんの偉大さを味わった気がする。

 

 わたしは住宅街を出て、線路沿いの道に出た。

 桜の時期も終わりかななんて考えながら歩いていると


「葉菜ちゃ~ん!!」


 と、後ろから抱き着かれた。


「おはよー、優愛(ゆあ)…………流石に苦しいかも」


 優愛はわたしの首に腕を回して、体重を預けてきた。

 流石に、息が…………

 

 優愛は抱きつくのを渋々やめてわたしの隣に並んだ。


「ごめんごめん!三日ぶりのhananium(ハナニウム)だったから」


「何その成分」


 優愛はいい発音で謎の成分を作り始めた。


「本当ならまーいにち!葉菜ちゃんと会いたいのに」


「毎日送ってくるライン返してるから許してぇ…………」


 今何してるー?ならまだしも時々送ってくる際どい自撮り写真は反応に困るからやめていただきたいものだ。


「金曜日はおばあちゃんの、のうこつ?だったっけ」


「そうなんだけど、終わった後のほうが疲れたんよね」


「?」


「…………いや、そんな顔しても教えないよ?」


 優愛はふにゃ?みたいな顔をしてわたしの顔を覗き込んだ。


「葉菜ちゃんにこの顔が効かなくなったなんて…………!!」


「人は成長するの!!!」


「へーー」


 優愛の目線がわたしの胸元に落ちていった。


「何 を 見 て い る」


 そんなことを話しながら、わたしたちは学校についた。


ーーーーー


 おはよ~、とか言いつつわたしは自分の席に座った。

 優愛も隣の席に座って周りの女子と話している。


「今日も優愛につかまってきたのか」


 前の席に(りん)が座ってきた。

 隣の机に足を上げてわたしの机に肘をついて優愛を見ている。


「そっちはいつも通り素行が悪いね」


「別にいいだろー?隣の席のやつどうせ今日も来ないだろうし」


「そういう問題じゃないでしょ」


 凛はため息をついて、葉菜はお堅いね~とか言いながら足を下ろし授業の準備を始めた。


 わたしも授業の準備を始めようと机の中に手を入れた。


 ん?


 わたしの指に何か紙のようなものが当たった。

 取り出してみると、何か手紙のようだった。

 開こうとすると、


「葉菜ちゃんそれな~に?」


 優愛は有無を言わさずわたしから手紙をとった。

 そして中身を見ると


「ふ~ん、どうするの?」


 そういって手紙を見せてきた。

 まあ、内容は告白したいから来てください的なものだった。


「ど、どうしよ…………」


「別に初めてじゃないでしょ、こういうの」


「それでも、慣れるものじゃないよ…………」


 話していると、ガラガラっとドアが開き、先生が入ってきた。

 

 朝のホームルームが始まり、わたしたちはだるそうに話を聞いた。


ーーーーー


 授業中はあることを考えていた。

 この手紙…………()()()()()()()()()

 人によっては断ると面倒になりそうなことが目に見えている。

 だからと言って付き合うのもあれだし…………

 でももう恋とかこりごりだし…………

 どうしたもんかなー。


ーーーーー


 そんなこんなで、授業が終わり放課後。

 わたしは、優愛たちと別れて屋上に向かっていた。

 やっぱり誰であれ断ったほうがいいかなー。

 それで面倒にならないといいけど。


 階段を登って、屋上の扉を開けると人影が見えた。

 

(あぁ、なるほど)


 そこにいたのは、学校のサッカー部部長だった。

 名前は田崎 翔太(たざき  しょうた)

 確か、中2の時に顔を見たかな。総合学習の時間とかで先輩と交流する時があったはず。

 中学の時見かけたら話しかけられるくらいの関係だったけど…………


「久しぶり、葉菜。来てくれたんだ」


「うん」


 なんか妙に堂々としてるな。

 わたしは田崎さんのほうに歩きだし、ちょうどいい距離で止まった。


「急に呼び出してごめん、でも」


 と一歩踏み出して


「俺は、中学の時に葉菜のことを見た時からずっと好きだった

  嘘のないきれいな笑顔をする奴だなと思ってた

  俺にはサッカーぐらいしか取り柄がないけど…………

  葉菜、俺と付き合ってくれないか?」


 田崎さんはそう言って手を差し伸べた。

 なるほど、ちゃんとした、恥ずかしいくらいの告白だなー。

 取り柄がないって言ってるけど、毎回テスト結果の上位勢ではあるし、女子からめっちゃ人気だし、それでいて優しいとかいう取り柄しかない人なんだよなー。

 だからこそ、断れば大半の女子から嫌われるだろう。さすがに怖い。

 付き合うのは、まあ悪くないけど、絶対長続きしないだろうし。

 というか、そうなると選択の余地なくない?


「えっと」


「もちろん、この告白のことは誰にも言っていないから、その…………」

 

 噂の恐ろしさを知らないのかこの先輩…………。

 わたしは少し下を向いた


「とっても嬉しいですよ。先輩」


「それじゃあ!」


 さて。

 わたしは田崎さんを見つめた。


「わたし――」


「いたー!」


 驚いて振り返り屋上の入り口を見ると、優愛の姿があった。

 優愛はわたしのほうに走ってきていた。


「葉菜ちゃーん!!」


 優愛が飛びついて、抱き着いてきた。


「優愛!?何でここに…………」


「一緒に帰るって言ったじゃん!」


 なぜか優愛は怒り口調で頬を膨らましていた。


「あれ?田崎先輩じゃん。やほー!」


 優愛はそういって先輩に手を振った。

 すると優愛はすごい力でわたしの手を握ってきて、屋上の入り口を向いた。


「じゃあねー先輩!」


 すると優愛はわたしの手を引っ張って急に走り出した。


「あ、ちょっと待っ」


 わたしの声は聞こえていないらしい。

 後ろを振り返った時先輩は「待って……!」と言いながら手を伸ばしていたが、顔に隠しきれない困惑があった。


 わたしたちは階段を駆け下りて玄関でようやく止まった。

 息を整えつつ顔を上げるとそこにはなぜか凛も待っていた。


「はあ、はあ…………あれ?凛?」


「おうよ、早く帰るぞ」


 そういって凛は靴を履き替え始めた。

 わたしたちも下駄箱に向かった。

 外に出たわたしたちは横並びになってわたしは疑問を放った。


「何でいたの?帰ったはずじゃ…………」


「あんなん、人によっちゃもとから選択肢ねえだろ」


「それに、葉菜ちゃんといちゃついていいのはわたしだけなんだよ?」


 わたしは少し苦笑いをして、校門の前で少し止まった。


「ありがとね二人とも」


「おうよ」


「いいってことよー!」

 

 凛はキリッと、優愛はドヤってそう云った。


「じゃあ帰ろうか」


 そう言って歩き出し、わたしたちは他愛もない話をしながら帰路をたどった。


 

四柳 優愛(16歳)

 誕生日4月14日

 血液型未検査

 髪は内巻き気味なボブで時折青とか緑のヘアピンをつけている。

 小二からの友人で、同級生。

 いつも図ったように登下校が一緒。

 私より遥かに陽キャ。

 ただ元気すぎて逆に男子にモテない。時々告られても断ってるらしい。

 いっつもお弁当が可愛くて、本人曰く自作らしい。

 時々くれるおかずほんと美味しい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

水尾 凛(15歳)

 誕生日9月3日

 血液型AB型

 髪はポニテの時が多い。本人曰く髪を下ろすと邪魔なんだとか。あと女子の中で一番背が高い。

 いつも不良ムーブをしてる中二からの友人。

 彼氏がいると噂があるけど誰かとなのかはわからない。

 授業中いっつも寝てるけど最近起きてる時間増えてる感じする。

 家族に作ってもらったっていうお弁当はすごい女子力。

 時々モーニングコール頼まれる時がある。

 以外にも吹奏楽部所属。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ