14話
相変わらずどこか浮ついた空気のまま、数十分間バスに揺られて最寄りのバス停に到着した。僕たちがバス停から少し歩き家の庭に入ったところで一台の車が庭に停まっているのが見えた、身構えそうになったが、その車は良く見ると、運送会社のトラックでそれが雪の買ってきた生活用品がタイミングよく届いたのだと気づいた。荷物は大きい物は石油ストーブくらいで後はまとめていくつかの段ボールに分かれて運ばれてきていた。押印の対応は雪に任せて他の三人で荷物をトラックから降ろすのを手伝った。少し、僕たちのような若者が数人集まって大量の荷物を受け取るということを怪しまれないか不安だったが、配達員はまるで気にしてる様子はなく、まるで詮索するような思考すらも職務上で良くないことであるかの如く、まさしく丁寧だがどこか機械的に仕事を終え最後までこちらを必要以上にジロジロ見ることもなく帰っていった。
「つぎもし来客があるときは一人だけが対応した方がいいかもね。今回は奇跡的に疑われなかったけど、明らかにこんな古くて庭も草生えっぱなしの家に若い青年淑女がぞろぞろと住んでたら怪しさマックスでしょ、ひとりだったらまだ両親の留守で通せるけど」
それから僕たちは部屋に荷物を運び入れた。僕と二山が腰を据えて今日手に入れた情報を誰が先に発表するか伺っていた時、どうやら女子組は全く別の事を考えていたようだった。
「ごめん、二山とルカ君悪いんだけど先に手分けして灯油とシャワー用の水を手に入れてきてくれる?私と初さんは運ばれてきた荷物解いておくから。」
「あー!もう無理!ルカ君、糺君、ごめんだけど、帰ってきてお湯が準備出来たら、私と雪ちゃんから先にシャワー浴びさせて!!その代わりに今度の土曜日は私が腕に縒りをかけた最高の料理をごちそうするから!」
この世界に来てからかなり控えめな初絵だったが、ここに来て我慢が爆発したようだった。いくら寒くて汗をかかない冬だと言ってもこの二日間、二人はあらゆる場面で我慢を強いられていそうだった。僕と二山は初絵の決死の圧に負けて頷くことしかできなかった。
・・・僕と二山はそれぞれ赤と水色の20リットルポリタンクを持って水と灯油を20キロ近いの灯油と水を途中で諦めそうになりながら何とか家まで運ぶことが出来た。家に着くと既にいくつかあった段ボールは片付けられていて、石油ストーブも部屋の隅に置かれていた。
「おかえり!お疲れ様、二人とも重かったでしょ!」
そう言いながら雪はテキパキと灯油を注油ポンプでキュポキュポしながら石油ストーブに給油して、初絵の方はもうすでに汲み取り式のシャワーヘッドと水色のポリタンクを持ってお風呂場に向かって消えていった。
「あ、二人とも、着替えとタオルはお風呂場にもう用意してあるからね。あとシャンプー類とかの物は共有だけどごめんね。多分、私と初さんが入り終わった頃にはヤカンのお湯も沸騰していると思うから、二人はそれをポリタンクに混ぜてお湯に調整してシャワー浴びるといいよ」
僕と二山は大人しくストーブの前で温まりながら順番を待ち、その後久しぶりのシャワーを堪能した。
冷水のまま行水に突貫してきた初絵と雪よりは僕と二山は温かいお湯を使えたからまだ良かったが、それでも浴室から出て用意されていた寝間着に着替え終わるころにはまた身体は冷え切っていた。
部屋に戻ると僕以外の三人は案の定ストーブの前に小さく集まっていた。
「おー、ルカ君!お帰りー。気持ちよかったー?」
「うん。充分さっぱり出来たよ。欲を言えば早くお風呂に入れるようになりたいけど」
すっきりした表情の初絵がこちらに笑顔で手を振ってきた。僕も温まるためにストーブの前に行くと初絵が座れるように場所を空けてくれた。ストーブの前で温まる皆の顔をみるとここ数日の疲れが全て洗い流されたように充実した顔をしていた。
・・・その後僕たちはストーブを囲みながら先ほど届いていたカップ麺で食事を摂り、この常に緊急事態みたいな状況においては随分と遠回りをしてしまったが、ようやく本題に入ることになった。
「よしっ!みんな食べ終わったな。んじゃあそろそろ話そうぜ」
今回は中途半端で短い内容になってしまい申し訳ございません。
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