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一心同体!幽霊使いの異世界生活  作者: 春風一
1章 霊体融合編
1/7

俺と幽霊たちの日常-俺、霊になります

転生系に挑戦してみました。

こちらの話は転生前の幽霊との日常話です。

 こんにちは、幽谷玲(ゆうこくれい)です。少し影が薄くて弱気な25歳です。


 普通の生活を心がけているのですが、存在してはいけないというか、見えちゃいけない存在が見えちゃって苦労してます。


 その見えちゃいけない存在との最初の出会いは戦争があった戦地の跡地、中学生時代の修学旅行先で出会いました。


 彼女の名前は広子(ひろこ)さん、見た目は高校生くらいですが何十年も前に亡くなった方なので少し敬意を払って接しています。彼女は、戦争の話題になると顔を(しか)めます。


 おっと、既に気がついた方はいるでしょう、そうです。俺は幽霊が見えるのです、そして一緒に暮らしてます。


 別に会話ができるわけじゃありません、俺が彼女に一方的に話しかけているだけです。まあ、多少はうなづくなどアクションしてくれますが。


 先に注意しますが、幽霊と普通の人間は会話しちゃいけませんからね。俺は親族みんな既に亡くなってしまって寂しさを紛らわすため幽霊と会話をしているのです。もちろん死の覚悟もしてます。


 そして一緒に暮らしてるのは広子さんだけじゃありません。大学生時代住んでたアパートから着いてきた影山(かげやま)さん、彼は20年程前に過労死していて俺がアパートに来るまで自分が死んでいたことに気がついてなかったらしいです。


 影山さんとの会話方法はパソコンを使用しています。彼はタイピングがすごく速いです、指は使うわず目力を使ってタイピングをするので驚きましたね。ですが、たまに彼は暴走して俺のパソコンを壊しちゃいます。何かトラウマがあるのでしょうか?


…あっ、どうやらサービスと残業によく反応するみたいですね。そうでした、影山さんはブラック企業で働いてたと聞いてました。


「影山さん、これ俺の職場のパソコンですから壊さないでくださいよ…気持ちはわかりますけど」


 家にはヤバいのがあと2人います。(れん)さんと(まな)さんです。2人は相当危険で特に恋さんは男女カップルを見かけると厄介を起こします。


 例えば車をスリップさせて、男女カップルを後ろから轢かせたという。そうです、恋さんは悪霊です。近寄って欲しくないのですが、幸薄そうな俺に好感を持ってか着いて来ます。


 もう1人の愛さんは恋さんの呪いにより彼氏と一緒に殺された被害者ですが、気にしていない様子。彼女曰くイケメンのストーカーが気兼ねなくできて良いとのこと。ですが男女の交わりができないので多少恋さんを恨んでます。


 ちなみに愛さんと一緒に轢かれた彼氏は、恋さんの元カレらしいです。どうやら恋さんは二股をかけられていたらしいです。恋さんの死は彼のせいで、彼の浮気にショックを受けた恋さんが自殺し、浮気相手の愛さんと彼を呪い殺したという。


 恋さんと愛さんの関係は良好に見えます、ですが愛さんも二股をかけられその上で殺されました。あなたは恋さんを恨まないのですか?


「そうですか、今は敵を倒すため協力しているのですね。えっ、元カレ死んだんじゃないの?今回の敵は元カレじゃない?わかりました」


 長年幽霊と接しているとあの鉄壁の無表情から何を伝えたいのか理解しちゃいます。これは幽霊との絆が成したものですね。できれば幽霊と口で会話がしたいですが、うなづくなどのアクションをしてくれるだけでもマシですがね。


 さて、若干の不安要素を残した2人の霊を置いといて家にはペットもいます。オスです、名前はコックリさん。


 コックリさんは狐の動物霊のようでよく俺に日本語で話しかけてきます。とってもかわいいですが、たまに俺の体を乗っ取るのやめてほしいです。


「いやさ、乗っ取ってもいいですけどよく知らない地に行くのはやめてくださいよ…気がついたら無人島に立っていた時が一番困りました」


 という感じでなんだかんだで人間1人、幽霊4人、動物霊1匹で楽しく過ごしてます。



 少し前に話したことなんですけど、恋さんと愛さんの共通の敵がどうも引っ掛かります。詳しく2人に聞いてみました。


…ふむ、俺に害を成す悪霊ですか。


「あの、愛さんは良いとして恋さんも悪霊ですよね?」


 2人は詳しくは知らないようですが俺に呪いがかかってるとのこと。どうやら、気の弱さと影の薄さが相まって霊に呪われやすい身体になってるみたいです。


 放っておくと俺は3日で死ぬらしい。


…ちょうどいい、俺も影山さんと同じようにそこが見えない黒い会社に勤めてます。そろそろ俺も過労死するんじゃないかなとは思っていたので。


 霊言えど暮らしを共にした家族、俺には死なず自由な人生を送ってほしいと4人の霊がパソコンに文字を打つ。優しいんですね。みなさんが霊じゃなかったらいいのに…


「みなさんありがとうございます。ですが、現世に大切な人がいません。できればみなさんと同じように霊として過ごしたいです」


本音は壁を通り抜けられるし、浮遊できるしで楽そうだから死んでもいいと思いまして。と口が滑っても彼らには言えませんが。


 さて、3日が経ちました。4人の霊とコックリさんは俺ともう1人の俺を交互に見比べています。ドッペルゲンガーのようですね。


「まさか俺とドッペルゲンガーどっちが本物の幽谷玲を見分けられてないわけじゃないですよね?そんなわけない?そうですか。」


 あれ?なんか具合悪くなってきました。


 眩暈がしてきました、ついでに吐き気も。


 もう1人の自分が俺に近づいてきて気色悪い笑みを浮かべる。そうですか、俺の笑顔ってこんな感じだったんですね。ちょっとショックです。


 「あっみなさんありがとうございます」


 苦しんでいる俺の背中をさすってくれるのは広子さん、右手を握るのは恋さん、左手は愛さんは、肩にはコックリさん。


「影山さん、そっちはドッペルゲンガーです。こっちに来てください」


  影山さんは申し訳なさそうに俺を正面から抱きました。


「そうですね。俺たちは一心同体ですね」


 俺たちは仲良くその場から消えた、ドッペルゲンガーを残して。


 置いてかれたドッペルゲンガーは突然消えた俺たちに驚いて身動きが取れない様子。


「えっ…あれ?」


 ドッペルゲンガーは幽谷玲たちが消えたことに驚いていますが、自分の口から声が出せることにも驚いたのでした。


…後日談…


 幽谷玲たちが消えた後、残されたドッペルゲンガーは幽谷玲として楽しく日本で過ごしたとさ。


「やっべ、人間最高!日本最高!」


 拝啓幽谷玲様、ドッペルゲンガーこと幽谷玲(偽)は楽しい生活をしています。幽谷玲様はいかがお過ごしでしょうか。


 ドッペルゲンガーは手紙を燃やして幽谷玲の元に届くことを期待し祈ったのだった。


 

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