6.思惑。
ちょっと短いよー_(:3 」∠)_
「どうして、お前が生きているのかな?」
「さぁ、そもそも何故アタシが『死ぬ』と思ったの?」
「…………ふん、口の減らない女め」
一度、アリシアに協力を求めよう。
そう考えた僕は、アーニャと共に公爵邸へと戻ってきた。
すると、なにやら部屋の中から口論に近い会話が聞こえてきて……。
「あれは、もしかしてアンドレ第二王子……?」
若干の後ろめたさを感じつつ、覗き込むとそこには王国第二王子の姿があった。
腰まである赤い髪に、どこか嫌味っぽい顔立ちと表情をしている。口論をしているのだから、表情が歪むのは当然かもしれなかった。
そんな彼は鼻を鳴らすと、最後にこう言い残す。
「いつか必ず、生き残ったことを後悔させてやる」――と。
そして、僕とアーニャには目もくれず。
真っすぐに部屋を出て、そのまま去っていった。
「まったく、本当に頭が悪いんだから……」
「……アリシア?」
残された公爵家当主に声をかける。
どうにも、悩みの種が尽きないといった顔色だった。
そんな彼女に申し出るには忍びないが、いまは一刻も争うので仕方ない。
「あぁ、おかえり。ずいぶん時間がかかったみたいだけど……?」
「そのことなんだけど、お願いがあるんだ」
「お願い、って?」
「それが――」
僕はここまでの出来事を掻い摘んで、アリシアに話した。
すると彼女は、しばし考えてこう口にする。
「ラミレアの毒に、水質の汚染、か……」
「どうしたの?」
何を考えているのだろうか。
僕が首を傾げると、アリシアはこう答えた。
「少しだけ、引っかかることがあってね。でも、いまは良いわ」
そして、気を取り直すように申し出てくれる。
「アタシも、喜んで協力するわ。民の生活を守るのが、貴族の役目だからね」
しっかりと、覚悟を決めた笑みを浮かべて。
僕とアーニャは顔を見合わせ、同時に彼女に感謝を述べた。
「ありがとう!」
「いいのよ、ただ――」
「……ん?」
すると、不意にアリシアは声をひそめて。
一つだけこう願い出るのだった。
「その汚染された水源だけど、アタシにも確認させてくれない?」――と。
理由はまだ、分からない。
しかし、いまはとにかく協力を得られたことを喜ぼう。
「分かった。それじゃ、行こう!!」
そして、そう言うと公爵家姉妹は各々に頷くのだった。
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