04 エピローグ(死)
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泣いて、泣いて、泣いて
そして笑う。
考えてみると、俺の物語なんて毎回、こんな流れにある。
でも、泣きたい事だってあるのは確かだった。
笑った後、喪失感はあるのだ。
欠けたものに代用品はあっても、同じもではない。
やはり、喪失感はある。
喪失というものは突発的に起こる。
俺にはそんなことが日常茶飯事。
失ったものを掻き集め、またそれを失う。
いつのまに磨り減っていく。
いずれは喪失感で俺は無くなる。
日常茶飯事に起こる事。
犬も歩けば棒に当たる。
まさしく俺は犬だった。
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しかし、陸奥は笑っていた。
これはこれで良かったんだろう。
あとは恋愛の問題だけ。
これだけは人間と同じだろう。
彼女の頑張りに期待しよう。
後日談
数ヵ月後。
月が異様なほど、空に映える満月の夜。
僕は帰り道の途中、それを見た。
暗闇の道に転がる2つの物体。
それは、女性の体と首だった。
見知った女性。
縊り殺された女性。
ぴちゃりと辺りに広がった血の溜まりを踏んだ。
僕は確認した。
そう、陸奥・品図は殺されていた。
その胸には木の杭の代わりに、鉛筆が刺さっていた。