家族の絆
ー第4話ー
テロリストに誘拐されてた神威。
その頃水音は必死に神威を探していた。
そして一つのことに気がついた。
『もしかしたら家に帰ってるかもしれないわ。
ちょうど水稀ちゃんが学校から帰ってる時間帯だし電話を!!』
携帯電話を取り出すと家にかける。三コール後に水稀が電話に出た。
「もしもし神です。」
「もしもし水稀ちゃん?神威ちゃん帰ってないかしら?
一緒に商店街で散歩してたら迷子になっちゃったみたいなの!」
「えぇ!?神威君ならまだ帰ってきてないよ。」
水稀が驚く。
「そうなの。じゃあ私は近くの交番に行ってみるから水稀ちゃんはお父さんに電話してちょうだい!」
水音は交番に走って行った。
水稀は父親に電話する。
「もしもし、お父さん!?」
「どうしたんだい水稀?」
勝は水稀の声に違和感を感じながら聞く。
「お父さん大変なんだよ!!神威君がお母さんと散歩してたら迷子になっちゃったみたいなの!?
何処探してもいないみたいなの!」
「なんだって!?それで場所は何処なんだい?」
勝が聞いてみる。
「商店街みたい。お母さんは交番に行ってるはずだよ。
私もこれから行ってみる。」
水稀も探すみたいだ。
「わかった。私も仕事を切り上げて商店街に向かうよ。」
そして神家族は商店街に集まる。
その頃神威はテロリストの一人に担がれ移動していた。
「う!?ここは?」
「やっと起きたかボウズ、くくく。」
テロリストのリーダーが言う。
「く!?僕をどうする気だ。」
殴られた頭を押さえながら聞く。頭から少し血が垂れている。
「お前を餌にお前の親に金を儲けようとな、
そしてとある組織から猛毒を持つウィルス入りカプセルと解毒剤を買う。」
「そのウィルスをどうする?」
神威が聞く。
「小僧には特別教えてやる。金を受け取ったらどのみち殺すからな♪
俺達はテロリストだ、
当然テロに使う。
俺のテロリストメンバーはこの世界に絶望した者達だ。
そして対象は・・・まず日本だ!!」
『!?完璧に失敗した。』
そう神威は心の中で思う。意識をまともに保てない状態で、
しかも幼い身体で力を振るっても今この場にいる人数を全て倒せない。
「しまった!!」
唐突にテロリストの一人が声をあげる。
「どうした?」
違うメンバーが聞く。
「それがガキを殴った鉄パイプをさっきの場所に置いてきたみたいでして。」
申し訳なさそうに言う。どうやらテロリストの中でも下っ端のようだ。
「馬鹿野郎!!そんなもの現場に残すんじゃねぇ!!
サッサと拾ってこい!
じゃねぇと警察にでも拾われたらガキ拉致した意味がねえだろうが!」
ものすごい剣幕でリーダーが怒鳴り散らす。
怒鳴られた下っ端は走って鉄パイプを取りに行く。
「先に仮のアジトに行っているからな。」
リーダーが取りに行った下っ端に声をかける。
「わかりました。」
そしてテロリストはアジトに向かった。
神家族は商店街の水音が始めに足を止めた店に集まっていた。
「やっぱりこのお店にも戻ってないわ。」
そうやって水音が呟く。
「四歳の子供がそんなに遠くまで行けるとは思えないけど・・・。」
勝は考えながら状況を整理しているみたいだ。
「あれ?」
水稀が不審な人物に気付いた。
「どうしたの水稀ちゃん?」
「あそこにキョロキョロしてる人がいるよ?」
それはテロリストの下っ端だった。
「・・・怪しいな、後をつけよう。」
数分後をつける・・・。
「あったこれだ。誰にも見つけられてないな。」
下っ端は鉄パイプを拾う。
「それは何に使ったんだい?」
勝は血の付いた鉄パイプを持つテロリストに聞く。
「チッ!?おらぁ!!」
テロリストは見られてしまったと思い、
勝に襲い掛かり鉄パイプを振りかざす。
が、勝は優雅に避けテロリストのお腹に一撃パンチを入れる。
「かはっ!?」
テロリストは鉄パイプを落とし、膝をつく。
「さあ聞かせてもらうよ?
その鉄パイプは何に使ったんだい?」
テロリストを一人捕まえた。
神家族は神威を連れ去られた事実を知り、
勝の探偵仕事でたまに一緒に仕事をする信頼出来るテロリスト専門課の警察に連絡した。
そして海沿いの今は使われていない貨物倉庫、
今はテロリストのアジトだ。
テロリストの話ではここから車で二時間程らしい、
徒歩だと時間がかかりすぎる。
三人と一人の捕虜は急いで家へ帰り自家用車でアジトに向かうのだった。
イヴは保育所から帰るとすぐ家を出てアダムを探し続けていた。
自動車事故のせいで記憶が欠落していても。
そこはフィーが教えてくれた。
「イヴしっかり聞くんでちよ。
今はアダムの闇の力が以前より弱くてなかなか感知出来ないでちけど、
こうして毎日探せばきっと見つかるでち!」
フィーは言う。
「うん、信じ続けるよ。フィー。」
そう自分とフィーに言い聞かせてイヴはアダムをずっと探し続けた。
記憶が欠落していても一途にずっとアダムを思いながら・・・。
それでも時々思うことがある・・・。
『アダム・・・いつ会えるの?
私は何処に行けば貴方に会えるの?
苦しいよ、寂しいよ・・・。
会いたいよ、アダム・・・。』
涙を流しながら想う・・・思う・・・おもう。
それでもイヴは涙を拭き、折れそうな心を奮起させまたイヴは歩きだす。
それは、アダムに出会うため・・・出会った時にうんと甘える為に!
「私は貴方を探し続ける!!」