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とろけたように
どこの学校でもあるような軽い注意。
しかし、銀河と呼ばれた少年はそれを聞かず、さらに脱力して、とろけたようにすらなる。
そんな少年の様子に、メガネにスーツの教師は呆れた顔をする。
「銀河――あとこの一時間で補習も終わりだろ?少しぐらいは授業に貢献してくれよ……」
教師も、少年の態度には困った様子であった。
「むり、つか、何で補習やらんといけないだ?俺、成績も危なくないしけして勉強にやる気があるなんて事はないんだけどなぁ…」
とろけたまま、ぶつぶつと愚痴を呟く銀河。
もはや、やる気などひとかけらも感じない。
とは言ったものの、学校側が決めた事なので仕方ない。
銀河にとっては、それは良いありがた難迷惑であったりする。
事実、銀河は別に勉強に関して遅れているわけではなく、逆に、すでに授業より少し自分で勉強して進んでいるのでなんの問題はない。
だが、そうはいったもののそこは学校だ。一応、出ろということらしい。