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竜少女〜Dragon Girls〜  作者: ピルルピピ
第1部
24/25

ep.23 キャプテン美月

只今テスト期間中につき更新速度が遅めになっています。申し訳ない!

今月末にはまた頻度をあげれそうです。


「ふぇーおっきいな〜」


「そ、そうですわね。」


「さすが訓練施設だけあって設備も充実してるねー」


「そ、そうですわね。」


「すげぇ、最新式のVRシュミレータまであるよ」


「そ、そうですわね。」


「あの…桜木さん。大丈夫?」


「そ、そうですわね。」


「ダメだこりゃ」


 桜木さんは未だに思い悩んでいるらしい、会話も常に上の空だ。あれからもう2日ちょっと経っているのだから、そろそろ自覚してほしいところだが…


 ファームのやや端っこの方にある竜少女専用訓練施設。6階建てで建物自体には一切飾り気もなく、コンクリート造りの直方体だった。

 私は別にファームに残る気は無かったのだが、アイリさんがどうしても見ておきなさいとうるさかったので見学することにしたのだ。桜木さんも何故かついてきたが、そもそもこの人は竜少女でもなんでもないので別に関係ないと思うのだけど…それに関しては気にしないようにした。


 中にはトレーニングルームをはじめ、食堂、リハビリ室、医務室などもあり、ありとあらゆるサポートも充実している。ちなみに、使用料はもちろんゼロだ。

 正面口から入り、受付の人に一言いってから中を回ることにしたが、あまりにも広かったので各々が見たいところのみにしぼることにする。


「とりあえずこのメインアリーナってとこ行きます?なんとなく何かやってる気がするんで。」


「えぇ、そうですわね」


 ほんと大丈夫かね、この人…



 メインアリーナは2階分をくりぬいた構造で、床は体育館同様のフローリング。広さはそこそこで、サッカーコート半分くらいの大きさ程。上には客席があり、観戦できるようにもなっていた。

 そして、そこでは十数人の竜少女達が白熱したバトルを繰り広げていた。


「そこ!亜由美パス!」


「はいっ!」


「美希、そっちいった!」


「あいよっ。」


「ちひろっ、こっち!」


「守って!」


「やばいっ!」


「いけぇ!シュート!」



 パリーン



「ナイス!」



 私にとっても、おそらく桜木さんにとってもそれは見たことも聞いたこともない未知なるスポーツだった。

 コートの中は10人の選手が5対5に分かれて一つのハンドボールくらいの大きさのボールを奪い合い、お互いの陣地にあるガラスのポールのようなものにボールを当てて破壊しようとしている。

 そしてその選手であるが、宙を飛んでいる者もいた。もちろん全員が竜少女であるため、飛んでいること自体はおかしくはないが、飛びながらパスを受けたり出したりシュートを撃ったりもしているところを見るとこのスポーツでは飛んでプレイするよは基本戦略らしい。そして相手選手も同様に飛ぶ相手には飛んで対応していた。どうやらこれは竜少女向けの球技であるっぽい。


 しばらく見ていたら、片方のチームのポールが全部壊されると同時に試合が終了。コートの脇に置かれている得点板には3体2と表示され、勝ったチームはハイタッチなどをしながら歓喜していた。

 その中の一人、私と同じ赤みがかった色の髪をした人がこちらに気づいたらしく、小走りで向かってきた。体格がよく、身長も高くて汗に濡れながらも整った容姿は私からみても美しく見えた。


「やぁ!君達も入部希望の子かい…ってええ!!なんでここに竜少女じゃない子がいるの?」


 満面の笑みで話しかけてきたかと思ったら突然ひっくり返ったような驚愕の顔を浮かべた。初対面だが、かなりの表情豊かな人である。

 彼女が驚いている原因は言うまでもなくとなりに座っているお嬢様こと桜木さんのことだ。桜木さんには竜少女の証とも言える竜の角が生えているはずもなく、一目で一般人だと丸分かりなのである。


「そ、そうですわね。」


「おい、まだそれを言いますか…」


 桜木さんも桜木さんで、未だに復活していないようだったので仕方がなく私が弁解しておいた。




「ふーんなるほど、アイリさんにね。分かったよ。あ、別に私は竜少女じゃない人たちを差別するとかそういうのはなくて、ただ初めて角のない人に会ってびっくりしただけだから。変に感じさせちゃったのならごめんね。」


「あ、いえ別に。桜木さんもそういうのは特に気にしないと思うので。」


「そうか、それは良かった。そういえば私の名前をまだ言ってなかったね。私は浦辺、浦辺美月だ。」


「伊藤ルンです。それでこっちがさっきも言ってた通り桜木富子さんです。よろしくおねがいします。」


「よろしく、伊藤さん。ところで、桜木さんずっとうつむいたままだけどどこか具合でも悪いの?」


「それは気にしなくていいですよ。彼女の問題なんで…」


 相変わらずこの人はめんどくさい。いったいいつまでこうしているのだろうか。


「そ、それより。さっきの試合、見ててすっごい面白かったです!」


「あぁ、ありがとう。たしかに接戦だったしいい勝負だったからね。」


「このスポーツ初めて見たんですけど、なんていうんですか?」


「えと、私達はブレイクボールって読んでるね。」


「ブレイクボール?」


「そう。おおまかに説明すると、ボールで相手ポールを全て破壊したら勝ちっていうシンプルなスポーツだよ。」


「へぇ、本当にシンプルだぁ。」


 その後は少し興味が湧いたので細かいルールなどを聞きながら浦辺さん達の試合を見ていた。

 浦辺さんはチームのキャプテンらしく、チームメイトに常に指示を出しながら自分も動き回る統率のとれた動きで敵を圧倒していた。

 ブレイクボールと呼ばれる球技は単純かつ力技でどうにかなってしまう面もあるが、それを打ち返す技量や工夫で戦略が毎試合異なって常に変化している。それらを見るのはとても面白く、気づけば夕方になってしまっていた。



「よし、今日の練習試合はこれで全部終了。じゃあみんな、クールダウンに入っててね〜。」


「「「「はい!」」」」


 浦辺さんに声をかけられてからもう10試合くらい見てたか…ずっと座ってたからお尻痛いや。もう遅いし、浦辺さんに一言いってから帰るかー。


 なんてことを考えていたら浦辺さんから声をかけられた。



「伊藤さん、これからちょっと時間ある?」



「えっ?」

誤字、助言等はドシドシください!

私の文章力は稚拙なので助けになります!

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