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竜少女〜Dragon Girls〜  作者: ピルルピピ
第1部
12/25

ep.11 崩壊した学校で

おはよう!こんちわ!こんばんは!おやすみぃ!


おきてぇぇぇぇぇぇぇ


朝早くからの投稿でございます。私は徹夜したところなので寝ますね。ちなみに起きません。

ep.11 崩壊した学校で


 とある女子高生数名を本部まで護送する。


 ただそれだけの簡単な仕事だと聞いていたが、実際はどうだ。訳もわからず連れてこられた生徒らが理不尽に退学を命じられるわ暴れた1人を抑えようとして鼻を潰されるわ外でなにやら大きな爆発が起こるわでこれじゃあ報酬に割りに合わないぜ…

 俺はあくまで運び屋ってだけでこういう面倒ごとには巻き込まれるのはごめんだからさっさとあいつらを連れていって報酬もらって家で酒でも飲んで帰ろう。


 だが、そんな彼のプランは校長室の床と同様に崩れ去った。


 くそっ!足が痛てぇ…腕もだ。全身傷だらけで動けもしねぇ。そのくせ周りは瓦礫だらけで暗い上になんだか臭い…

 冗談じゃない!こんなの聞いてねぇよ。金に目が眩んだのを後悔するぜ。やっぱりあんな怪しい組織の依頼なんて受けなければ良かった!くそが。だけど、一体全体あれはなんだ?まさか何処かの国と戦争でも始まったのか?それならそれでまずい…一刻も早くここから逃げないと…


 ーーゴトン!


 ん、物音がしたか?人か?


「おーい!誰がいるのか?ちょっと助けてくれーー!」


ーーガラガラ、ゴトン!


 ……瓦礫を崩しているのか?つまり救助隊とかそのあたりか…これだけの爆発があったし、学校もこの有様だ。自衛隊やらが来ていたとしてもおかしくないだろう。もしそうならば都合がいい。


「おーい!ここだぁー!助けてくれぇーー!」


 ついに自分の正面にある大きめの瓦礫が動き始め、少しずつ外の光が入り込んでくる。そのおかげで周りが見えるようになるが、どうやらここは男子トイレだったようだ。


 最悪だ…よりにもよって男子トイレなんかにずっと寝そべっていたなんて。

 ただこれで助かるならいいか…うわ、よく見たら俺、結構血だらけじゃないか。頭からも出血してるし服にもべっとりと血が染み込んでやがる。

 よく生きてたな俺…


 そうしているうちに、瓦礫は撤去されていた。


「助けてくれー!動けないんだ。」


 あぁ、もう最悪だぜ。痛いし臭いし汚いしだるいし。はやく救助してくれ。


 男は救助が来たことに安心したのか、突然の睡魔に襲われる。


 はぁ…疲れた、もう声も出ねぇよ。でもこれで助かる…



 ーーズシン、ズシン、ズシン、ズシン。


 

 …ズシンって……え?


 男が顔を上げると同時に、彼の頭は胴体から切り離された。



 こうして、とある運び屋の男の物語は終わった。





〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


 


「……い…たい………いっだぁぁぁい!!」


 目が覚めると同時に全身の激痛に襲わた。慌てて自分の体を確認しようとするがそれすらも痛みでできない。どうやらいたるところを怪我しているようだ。


「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃ!!!あー痛い!クソ痛い!ぬぉおお死ぬ…」


 お世辞にも女子とは思えないような奇声をあげているが、それ程に体の痛みは激しい。どうにか動かせるので骨は折れてはいないようだが、全身打ち身や擦り傷だらけで全身を日焼けした体で熱々のお風呂に飛び込んだような状態だ。

 どんなにもがこうが喚こうが痛みが消えることはないが、だからといって黙っていることもできず…そのまま痛みに耐えること数十分、どうやら感覚が麻痺して来たみたいでようやく冷静に物事を考えられるようになった。


 はぁ…まったく、酷い目にあったわ…本当に死ぬかと思ったくらいよ。ところで…ここは今どこかしら。


 見た感じはどこかの教室らしいが、上を見るとそこにあるはずの天井が無くなっており暗雲が見えている。更にあたり一面が瓦礫と倒れた机と椅子でたくさんだ。本来出入り口であるドア周辺はどちらもそれらによって塞がれてしまい、出ることはできないだろう。かといって窓から出ようにもここは3階だから…いや、落ちたのだからここは2階か。どちらにせよ今のこの体で飛び降りて無事では済まないだろう。

 だが、それ以外に選択肢はないようなのでひとまず窓を開けて下を確認する。


 …うん、コンクリートの地面だ。草むらでもあればあわよくばと思っていたがこれでは窓から降りるということはできない。

 次に横の教室にバルコニーを通じて行けないかと思ったがボロボロで今にも崩れそうなので諦めた。よって私に残された手段は一つしかない。


「だぁれぇかぁぁぁぁぁ!!たぁーすぅーけぇーてぇぇぇぇぇぇ!!!」


 ただ大声で叫んで助けを呼ぶ。うん、これしかない。生き残るためにはたとえ喉が潰れようが体力を消耗しようが誰かの助けが必要なのだ。叫ぶのは疲れるが叫ばねば死ぬと思えば辛くない!



 チロチロリ〜ン♪


 

 ん、なんの音?

 突然どこからともなく鳴り響く聞き覚えのある音と、自身の脇腹あたりから感じる振動。すぐさま制服のポケットに手を突っ込んでその主を取り出す。



 携帯使えばよかったんじゃん……



 なんとも言えない脱力感を感じながらも携帯の通知を見ると相手は早苗だった。で、その内容はというと。




『たすけて』



 私はその4文字の言葉を見た後、迷わず2階から飛び降りた。

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