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邪神が夢見る異世界  作者: 中野 翼
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強敵の集い

「どうだった、みんな?」


アリア達の所に戻った星夜は、固まっている四人にそう聞いた。


「「「「・・・はっ!」」」」


声をかけられた四人は、少し間をおいて正気を取り戻した。そして、なんとも言えない感じの視線を星夜に向けた。


「セイヤ兄!」

「セイヤ兄さん!」

「セイヤお兄ちゃん!」

「セイヤさん!」


その直後、四人は星夜に突撃して行った。


「「「「あの魔法はいったい何なんだ!(ですか!)」」」」


そして、四人で一斉に星夜を問い詰めた。


「《スリープ》、《タイムリープ》」


ここまで驚かれるとは思っていなかった星夜は、さすがにこれはまずいと判断し、咄嗟に眠りと時間遡航の魔法を四人にたいして発動させた。


「おっと」


魔法を無防備に受けた四人は、その場で崩れ落ちたので、星夜は慌てて影を使って四人を抱き留めた。


「さすがに今の合成魔法は駄目だったか。次からは気をつけよう」


星夜は四人をゆっくり地面に降ろすと、そう反省した。


「今回の記憶の時間遡航はアリアさんに説明をした時までで良いな。また驚かれるのは面倒だし、シャドウの魔法のあの使い方は便利だから、いつも使えるようにしておきたいからな」


巻き戻す時間の長さを決めた星夜は、眠っている四人の時間を操作しだした。



「こんなものか。四人が目覚めるまで、合成魔法をいくつか試しておくか」


星夜は四人が起きるまでの間、新しい合成魔法の獲得を目指し、またいろいろなことを試した。



「だいたいこんなものか?自分が想像した結果とはいえ、やれば出来るものだな」


星夜が魔法を試しだして30分。星夜が思いつくおおよその組み合わせは全て試され、その全てが成功して新たな合成魔法を生み出した。


「けど、さすがに全部成功したのは驚いたな。なんで一つも失敗しなかったんだろう?」


大量の合成魔法獲得で星夜の魔法バリエーションはほくほくになったが、一つも失敗がなかったことをさすがに星夜は不思議に思った。


この辺りも、神様が何かしてくれたのだろうか?


そんな疑念がわずかに星夜の頭の中で過ぎったが、実害がないので星夜は気にしないことにした。


本当に神様がこのことに関与していたとしても、文句を言うようなことではないというのもあったからだ。

むしろ、お礼を言うことだ。


「うん?」


そんなことを思ったせいか、はたまた別の理由かは知らないが、複数の依頼の紙が飛んで来た。


また新しい神様からの指示のようだ。


星夜は飛んで来た依頼の紙を手に取ると、その内容を確認した。



【依頼】

【ユニークスキル】幻獣現創を使って、初心者冒険者達を襲撃して来るコカトリスを討伐せよ。


【報酬】

【魔法】夢魔法:デイドリーム


【依頼】

【ユニークスキル】魔獣現創を使って、初心者冒険者達を襲撃して来るヒュドラを討伐せよ。


【報酬】

【魔法】時間魔法:リジェネレイション


【依頼】

【合成魔法】を使って、初心者冒険者達を襲撃して来るアルラウネを討伐せよ。


【報酬】

【スキル】ディストーション


【依頼】

【ユニークスキル】幻獣現創を使って初心者冒険者達を襲撃して来るゴーレムを討伐せよ。


【報酬】

【魔法】空間魔法:コウオーディネット


【依頼】

初心者冒険者達を襲撃して来るスケルトン軍団からアリア、シン、ソル、ファウナの四人を守りぬけ。この世界より移動させた場合は依頼失敗と判断。


【報酬】

【アイテム】夢幻のローブ


【依頼】

初心者冒険者達を襲撃して来るドラゴンからアリア、シン、ソル、ファウナの四人を守りぬけ。この世界より移動させた場合は依頼失敗と判断。


【報酬】

【アイテム】夢現のリング



「・・・コカトリス、ヒュドラ、アルラウネ、ゴーレム、スケルトン、ドラゴン。なんだこのずらりと並んだ魔物達の名前わ。しかも、ご丁寧に全部初心者冒険者という言葉が混じっているいじょう、今のタイミングでこの魔物達が一斉に来るってことか?」


星夜はその事実に、嫌な汗が流れるのを止められなかった。


さらに言えば、スケルトン軍団以外はゲームのボスキャラを勤められそうな有名な魔物の名前ばかりだ。


こんな連中に一斉に襲撃されたら普通に積みだ。


「《マップ》、《エクスパンション》」


星夜は急いでマップを広げ、さらに拡大の魔法でその有効範囲を一気に広げた。


「いた!」


その結果、今いる平原の辺りに向かって来る多数の魔物の姿を捉えた。


「うげっ、なんだよあの数!それにプレッシャーも半端ない!」


星夜はマップで見たスケルトン軍団の数と、一個体一個体がボスモンスターの貫禄を出している魔物達の姿に嫌な汗が止まらなくなった。


スケルトン軍団の数およそ百二十体。

その他の魔物達はそれぞれ一体ずつではあるが、それぞれ別々の方向から星夜達の今いる平原目指して直進して来ている。


ただ、運が良いと言えるかはわからないが、進路は星夜達と確実に遭遇するコースではなかった。


それぞれが自分達に一番近い冒険者達の方に向かっていて、星夜達の方に向かって来ているのはスケルトン軍団だけだ。


「これは、最初にスケルトン軍団との戦闘になるな。まあ、このラインナップの中では一番ましか。数で押して来る相手なら、俺にとっては組しやすいし。ただ、全部同一規格のスケルトンだと良いな。ゴブリン達みたいにバリエーションが豊富だと対処が面倒だ」


星夜は最初にスケルトン軍団と戦うことに決め、寝ているアリア達を起こしにかかった。


本来ならアリア達に寝ていてもらった方が星夜は思う存分に戦えるが、ボスラッシュが起きそうな現状では、アリア達に自力で逃げてもらわないと星夜では手が回らない。


タイムリープの時間遡航で戻せるのは物質の時間だけ。


死者蘇生なんていうファンタジー現象は今の星夜には起こせない。


まあ、錬金術で錬成出来るものリストの中には蘇生薬が複数種類あったので、未来には出来るだろうが。


少なくとも今は無理ないじょう、アリア達には生き残る為には自力で頑張ってもらう方が生存率が高そうだった。


「アリアさん、起きてください!」

「ううーん、もう少しだけ」


星夜がアリアに呼びかける。が、アリア達はなかなか起きようとはしなかった。


「スリープが効き過ぎてるのか?なら、《ナイトメア》」


星夜は、アリア達がなかなか起きない理由を先程自分が使った魔法だと判断した。

その為、その魔法に対抗する為に別の魔法を発動させた。


「ううー」


すると、アリア達四人が突然うめき声をもらしはじめた。


アリア達の寝顔からは安寧が消え、苦痛や恐怖といった感情が浮かび出した。


原因はもちろん星夜が今使った魔法にある。


星夜が現在使っている魔法、ナイトメアの効果は寝ている者に悪夢を見せること。


現在星夜は、アリアが飛び起きるような悪夢を彼女達の夢の中で展開している。


「「「「!」」」」


そうこうしていると、四人は文字通り飛び起きた。


「ひい、来ないでぇー!」


そして周囲にアリアに絶叫が轟いた。


「アリアさん落ちついてください。敵がもうそこまで来ています」

「「「「敵?・・・なっ!?」」」」


星夜は慌てて宥めに入り、ある程度アリアが落ちついた辺りでスケルトン軍団のいる方を指差した。


アリア達四人は、星夜が敵と言って指差す方向を見て絶句した。



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