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邪神が夢見る異世界  作者: 中野 翼
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冒険者ギルド

「ふむ、ここだな」


宿屋を出た星夜は、真っ直ぐ冒険者ギルドに到着した。

星夜はそのまま冒険者ギルドの扉をくぐり、入ってすぐに受付を探した。


「おっ!あれだな」


受付は入口正面にあった。受付はいくつかに分かれていて、それぞれの受付に表示がしてあった。


「ええっと、あっ、あれだな」


依頼受注、依頼発注、依頼確認、情報窓口、相談窓口と見ていって、星夜は最後に冒険者新規加入者窓口という受付を見つけた。


星夜は、その受付の列の最後尾に並んだ。


現在星夜の前には、星夜よりも若い子供達が並んでいた。だいたい十二、三歳くらいの見た目の子供達だ。

その理由は簡単で、この世界でのギルド登録が可能になる年齢が十二歳からだからだ。

だいたいの子供達は、登録可能になったらどこかのギルドに登録するのがこの世界では一般的だ。理由としては、ギルドカードが身分証明書がわりになるとかが大半だ。


その為、現在星夜は列の中で少し浮いていた。が、星夜は気にしていないようだ。


「お待たせしました。次の方どうぞ」

「お願いします」


列は問題無く進み、星夜の番がやってきた。


「新規加入者の方ですね」

「はい」


受付にいたのは、見た目二十代の桜色の髪をした女性だった。


「本日、身分証明書の類いはお持ちでしょうか?」

「はい」


星夜は、ポケットから身分証明書をだした。


「それでは、そちらを元にギルド登録及び、ギルドカードの作成を行います。よろしいでしょうか?」

「はい」

「それではお預かりいたします」


星夜が身分証明書を渡すと、受付の女性はそれを何かの装置にかけた。どうやら情報等を確認するようだ。


星夜は、なかなかにハイテクなんだなぁっと、感心した。


「それではギルド登録とカードの作成が終わるまでの間、とう冒険者ギルドについてご説明いたします」

「お願いします」

「それではこちらをどうぞ」


受付の女性は、冒険者ギルド規約と書かれている紙を取り出し、星夜に渡した。


「まずは冒険者ギルドが行っている活動についてです。冒険者ギルドでは、依頼の受注及び斡旋。周辺の魔物問題の対処等をメインの活動としています。魔物の研究に魔物の情報の供与及び収集等といったことも行っており、魔物のことなら冒険者ギルドへっと、言うのがキャッチフレーズとなっております」

「はぁ?」


星夜は、冒険者ギルドとキャッチフレーズという言葉が並んでいることに戸惑った。

冒険者ギルドは、広告の類いを出したりして宣伝でもしているのだろうか?


「次に冒険者ギルドの規約についてです。詳しいことはお渡ししました紙を参照下さい。今は重要な部分だけ説明しておきます。とうギルドが近隣の皆様より依頼を受け、それを登録されている皆様に解決していただきます。その為、近隣の住民の方々への迷惑行為は、とう冒険者ギルドに苦情としてやってきます。下手をすると賞金などをかけられて追われることもございますので、くれぐれも他人に迷惑をかけないようご注意下さい。また、冒険者ギルド内外での冒険者の方達のいさかいについては、冒険者ギルドが介入する場合があるのでご了承下さい。次に、とうギルドの依頼手続きについてご説明いたします。まず依頼を出す場合。この場合は依頼する用件をまとめ、あちらにある依頼受注窓口で手続きを行ってください。ギルドの方で依頼内容の確認を行い、問題が無ければあちらの方に依頼として貼り出されます」


受付の女性はそう言うと、受付から見て左側にある壁を指差した。

星夜がそちらを見ると、そこには無数の紙が壁を埋め尽くすように貼られていた。


「次に依頼を受ける場合です。この場合は、今ご覧になった壁から受けたい依頼の紙を剥がし、依頼発注窓口に持っていって下さい。そちらで手続きを行い、問題が無ければ依頼を受けたことになります。この時」


ピー!ピー!ピー!


突然女性の説明を遮るように何かの音がした。


「どうやらギルド登録とギルドカードの作成が終わったようですね。こちらがギルドカードになります」


受付の女性は、装置から身分証明書と白いスマホ大のギルドカードを取り出すと、星夜に二つを渡した。

星夜は身分証明書をなおし、ギルドカードを手にとった。


「うん?何も書かれていない?」


星夜が渡されたギルドカードを確認してみると、ギルドカードは何も書かれていない真っ白な状態だった。


「まだ所有者登録が終わっていませんので、今の状態では情報の閲覧は出来ません。血を一滴垂らしてもらえますか」

「わかりました」


星夜は、女性に言われるままに指先を薄く傷つけ、血を一滴ギルドカードに垂らした。

すると、真っ白だったギルドカードの表面に文字が浮き出てきた。


「これで所有者登録は完了です。ギルドカードの内容については、先程お渡ししたギルド規約にてご確認下さい。説明の続きは聞かれますか?細かいのも含めて全てそちらの紙に書いていますが?」

「それなら後でゆっくり確認しますから良いです」

「わかりました」

「ありがとうございました」


登録を終了させた星夜は、そのまま真っ直ぐ依頼を見に行った。


「ええっと、薬草にスライムっと・・・おっ!あった」


そして、二つの依頼の紙を見つけると、その二枚を剥がして依頼発注窓口に向かった。


「すみません!この依頼をお願いします」

「薬草の採取とスライムの討伐ですか?」

「はい」


星夜が紙を渡すと、受付から確認があったので、星夜は頷いた。


「わかりました。ギルドカードを」

「はい」


星夜は、ギルドカードを渡した。


「この二つの依頼は初心者が受けるような依頼ですが構いませんか?」

「はい」

「それでは登録しますね。・・・はい、これでこの二つの依頼はあなたに発注されました。依頼達成かの確認は、薬草採取は現物確認。スライム討伐については、スライムの核の現品確認となります。この二つの依頼に期限はとくにありませんが、この二つの依頼が達成されないと次の依頼を受けられませんのでご注意下さい」

「わかりました」

「それではギルドカードをお返しします」


ギルドカードを受け取った星夜は、そのまま冒険者ギルドを後にした。


次に星夜が向かったのは宿屋。そこで手持ちの本を開き、薬草とスライムのことについて調べだした。


「薬草の方は色と形さえわかっていれば良いな。似たのがあっても鑑定すれば間違うことはないはずだし。ああ、どんな場所に生えているかとかも確認しておかないと。・・・森の中、川の付近か。森の中は見つけにくそうだから、川の付近を探してみよう。スライムの方は、」


星夜は薬草のページ、魔物のページとを順に開き、必要な部分を確認していった。


【スライム】

世界中に広く生息している魔物。環境適応力が高く、どのような環境でも生きていられる。食性は雑食。身体全体が人間のあらえる器官に変化させることが可能で、あらえるものを全身を使って捕食・消化・吸収する。

戦闘能力はかなりのバラつきがあり、最弱のスライムは子供が蹴飛ばすことで倒すことが可能。逆に上位のスライムになると、物理攻撃がほとんど効かなくなる上、魔法耐性や様々な能力を獲得していてとても危険な魔物になる。


また、発生パターンも複数あり、自然発生、ダンジョン発生、錬金術等による人為発生も可能な魔物である。


「えっ!?錬金術で作れるのか!」


スライムが錬金術で作れることに驚いた星夜は、急いで錬金術で作れるもののページを見た。


【スライム】

<材料>

スライムの核、スライムの身体となるもの(基本的には液体。材料が高位スライムの核の場合は、個体・気体でも可)、使役する場合には術者の血数滴


「あ、本当に作れるな。材料も、そんなに手に入れるのが難しいものじゃないし、一体ぐらい作ってみるのもおもしろいかもしれないな。スライムを飼っておけば材料をいちいち取りに行く必要もないし」


星夜の頭の中では、どんなスライムを作ろうかと想像が広がっていた。イメージ補正の補正効果もあって、やたら明確なウ゛ィジョンが想像されていた。


少しそれを楽しんだ後、星夜は意気揚々と宿屋から街の外に向かって行った。


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