様々な依頼
「こんなもんだろう。別に戦闘能力はもとめてないし、お使いが出来れば良いんだから」
現在、錬成が完了した星夜の目の前には、ハングリードッグを二回り大きくした身体にコボルトの上半身が合成された魔物が立っていた。
そして今回は、ハングリードッグの脚はまったく震えていなかった。
この点を見るに、仮想の時の問題は克服出来ているとみて良いだろう。
「お前はコボルトドッグだ。さて、ハングリードッグもコボルトも群れ行動するタイプだったな。最低限、群れの体裁がとれるだけの数は錬成しておくか」
果物を集めるのにも数がいた方が良いだろうと思った星夜は、コボルトドッグを追加で錬成し始めた。
「こんなものか」
あれから星夜は、MPポーションを飲みながらコボルトドッグを五体錬成した。
「さあお前達、果物を・・・いや、ちょっと待て。・・・ついでにスライムポットも捕獲してきてくれ」
星夜は、錬成し終えたコボルトドッグ達に早速果物の確保を命じようとした。しかし、少し考えたあとにスライムポットも集めてもらうことにした。
理由は簡単だ、スライムポットが現在手持ちにいない魔物かつ、ものを増やすことに便利な魔物だったからだ。
ポーションスライムとスライムポットという組み合わせはあんなことになった。だが、もしも錬成でスライムポットが生成するものを変更出来るのなら、その場合はどうだろうか?
もしも普通に変更出来るのなら、ものや魔物を大量生産するのに絶大な効果を発揮するだろう。
星夜は、その辺りのことも考えて、コボルトドッグ達に命令をした。
星夜は、本体の身体の傍に大きめの出入口を開き、コボルトドッグ達を外に送り出した。
これでコボルトドッグ達に関しては、後は吉報を待つばかりだ。
ちなみに、星夜は彼らが全滅しても気にしない。もともとが弱い分類の魔物達をその場の思いつきで錬成した者達だったからだ。
名前をつけたラストと違い、星夜にはそこまでの思い入れも執着もなかった。
「さて、あいつらが帰って来るまでの間、何をして待ってるかな?といっても、本体が動かせないいじょう、夢の世界で出来ることしか出来ないんだけどな。まあ、もう少し錬成をやってみるか、ダンジョンの説明を読み返す、それとも神様からの依頼でも見ておくかな?・・・神様からの依頼を見ておくか。ひょっとしたら、かなり美味しい内容や報酬の依頼があるかもしれないし」
星夜はそう決めると、ポケットから依頼が記載された本を取り出した。
それから星夜は、現在記載されている依頼を順番に見ていった。
「ふむ。この辺りの依頼はすぐに出来そうだな」
星夜は記載されている依頼の中から、無理なく達成出来そうなものをピックアップしていった。
内容としては、以下のとおり。
【依頼】
ダンジョンコアを使って魔物を一度に10体、ダンジョンに出現させよ。
【報酬】
【スキル】念話
【依頼】
ダンジョンコアを使って魔物を一度に20体、ダンジョンに出現させよ。
【報酬】
【スキル】統制
【依頼】
ダンジョンコアを使って魔物を一度に30体、ダンジョンに出現させよ。
【報酬】
【スキル】指揮
【依頼】
ダンジョンコアを使って魔物を一度に40体、ダンジョンに出現させよ。
【報酬】
【スキル】士気向上
【依頼】
ダンジョンコアを使って魔物を一度に50体、ダンジョンに出現させよ。
【報酬】
【スキル】魔群氾濫
【依頼】
錬成を使って10種類の錬成魔物を作成せよ。
現在の作成数:6/10
【報酬】
ダンジョンで出現させられる魔物をランダムに一種類追加。
【依頼】
錬成を使ってスライムを材料に使った錬成魔物を10種類作成せよ。
現在の作成数:5/10
【報酬】
ダンジョンで出現させられる魔物をランダムに一種類追加。
【依頼】
錬成を使ってスライムポットを材料に使った錬成魔物を10種類作成せよ。
現在の作成数:1/10
【報酬】
ダンジョンで出現させられる魔物をランダムに一種類追加。
【依頼】
錬成を使ってハングリードッグを材料に使った錬成魔物を10種類作成せよ。
現在の作成数:2/10
【報酬】
ダンジョンで出現させられる魔物をランダムに一種類追加。
【依頼】
錬成したポーションを10本、ヒューマンにばらまけ。
現在の譲渡数:0/10
【報酬】
【魔法】時間魔法:ストップ
【依頼】
錬成したポーションを10本、魔物にばらまけ。
現在の譲渡数:0/10
【報酬】
【魔法】闇魔法:シャドウ
【依頼】
錬成したポーションを10本、転生者にばらまけ。
現在の譲渡数:0/10
【報酬】
【魔法】夢魔法:ナイトメア
【依頼】
ハールの街と【ダンジョン】さ迷える鎧の迷宮を合計10回往復せよ。
現在の往復数:0/10
【報酬】
【魔法】空間魔法:ゲート
ここまでが比較的簡単に達成出来る依頼である。次は、星夜が気持ちの整理をつければ達成出来る依頼だ。
【依頼】
ダンジョンの魔物を使って、村を一つ襲撃せよ。
【報酬】
【アイテム】空白の魔石
【依頼】
ダンジョンの魔物を使って、街を一つ襲撃せよ。
【報酬】
【アイテム】空白の魔核
【依頼】
ダンジョンの魔物を使って、ダンジョンを一つ襲撃せよ。
【報酬】
【アイテム】空白の魔結晶
【依頼】
ダンジョンの魔物を使って、魔物を襲撃せよ。
【報酬】
【アイテム】空白の魔水晶
最後に、現状では達成不可能と思われる依頼だ。
【依頼】
【ダンジョン】さ迷える鎧の迷宮を攻略せよ。
【報酬】
【ダンジョン】さ迷える鎧の迷宮の所有権
【依頼】
【ダンジョン】咲き誇る妖花の迷宮を攻略せよ。
【報酬】
【ダンジョン】咲き誇る妖花の迷宮の所有権
【依頼】
【ダンジョン】不動なる石巨人の迷宮を攻略せよ。
【報酬】
【ダンジョン】不動なる石巨人の迷宮の所有権
【依頼】
【ダンジョン】死魂と戯れる魔屍の迷宮を攻略せよ。
【報酬】
【ダンジョン】死魂と戯れる魔屍の迷宮の所有権
【依頼】
【ダンジョン】毒沼に潜む海蛇の迷宮を攻略せよ。【報酬】
【ダンジョン】毒沼に潜む海蛇の迷宮の所有権
【依頼】
【ダンジョン】朝日に鳴く雄鶏の迷宮を攻略せよ。
【報酬】
【ダンジョン】朝日に鳴く雄鶏の迷宮の所有権
【依頼】
【ダンジョン】眠れる巨竜の迷宮を攻略せよ。
【報酬】
【ダンジョン】眠れる巨竜の迷宮の所有権
【依頼】
【転生者】光剣のブレイバーを討伐せよ。
【報酬】
【転生者】光剣のブレイバーの能力から一つを強奪
【依頼】
【転生者】火刀のブレイバーを討伐せよ。
【報酬】
【転生者】火刀のブレイバーの能力から一つを強奪
【依頼】
【転生者】水鞭のブレイバーを討伐せよ。
【報酬】
【転生者】水鞭のブレイバーの能力から一つを強奪
と、こんな感じである。依頼の難易度の差がやたら激しかった。
「神様は、どんな基準で内容を決めているんだ?・・・人の俺にわかるわけはないか。とりあえずはポーションの分解と錬成でも繰り返して、依頼達成の下準備でもしておこう」
星夜は、依頼書を見ながら錬成に再び取り掛かった。




