表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/16

読む人がいることを意識する



(うい)くん:小説を書いてみたい少年

(あや)ちゃん:書き方を教えてくれる少女



「さて、長かったお話も今回で最終回よ」


「長かったかなぁ? まだ13話目だよ」


「私たちはね……。読者からしたら1年以上」


「あー」


「まぁ、そんなメタい話は置いといて、最終回よ」


「ついに最後かぁ。最後は何を教えてくれるの?」


「最後は、読者を意識するということを説明するわ」


「えーと、人気の出る方法とか教えてくれるの?」


「最初に言ったけれど、そういうのは教えられないわ。今から説明するのは、心遣いとか、そういうのよ」


「心遣い?」


「そう。初くんには必要ないものだから、ピンと来ないと思うけれど」


「いやいやいや、してくれていいんだよ!? 心遣い!」


「嫌よ」


「物凄く簡潔に答えられた!」


「自分しか読まないのならいいんだけれど、なろうに投稿しようというのなら、やはり読み手への気遣いは大事よ」


「僕への気遣いも大事にしてくれていいんだよ?」


「例えば、この小説だと台詞と台詞の間は一行空いてるでしょう?」


「……うん、そうだね」


「これは文字が詰まりすぎてると読み辛くなるから、こうしてるの。文章毎に空ける必要はないけれど、適度にスペースを入れるといいと思うわ。まぁ、効果を狙って文章を詰める場合もあるけどね」


「確かに、みっちり詰まってる文章は読むのしんどいね」


「次に、やたら難解な漢字は乱用しないこと」


「え、でも難しい漢字を使うと格好よくない?」


「そう思う気持ちは分からないでもないけど、読者が意味分からなかったら意味ないでしょう?」


「あ」


「熱心な人は調べてくれるかもしれないけれど、普通は調べてまで意味を知ろうとしてくれないわよ」


「そっか。僕も意味が分からない漢字は読み飛ばしてるよ」


「まぁ、使うときは最低限ルビは振ることね。なろうなら漢字の後ろに()して、その中に文字を入れればルビになるから」


「へぇ、そんなテクニックがあるんだ」


「なろうのマニュアルにも書いてあるから、一度読んでおくといいわ」


「うん、そうしてみる」


「あと、前にも言ったけれど、読者は作者ほど確固たるイメージを持ってないということも忘れては駄目よ」


「9話目の一人称②で言ってたね」


「よく覚えてたわね」


「言われた通りにメモ取ってたからね」


「へぇ、初くんにしては偉いわね」


「でしょ」


「これで喜ばれるなんて……ちょっと虐めすぎたかしら?」


「どうしたの?」


「いいえ、なんでもないわ。そのアホ面を見てたら、今まで通りでいいか、と思っただけよ」


「アホ面って人生で初めて言われたよ! にしても、なんだかチャンスを逃した気がする……」


「あとは読者が覚えきれないから、登場人物は一気に出しすぎない。出しても、後でちゃんと補完すること」


「僕は1ページで5人も出たら覚えきれないよ」


「でしょ? マンガやドラマみたいに絵があるならまだしも、文字だけの小説だと覚えきれないわ。設定とかも一度書かれたきりだと覚えてもらえなかったりね」


「あとで、そういう設定あったなって思うよね」


「とまぁ、色々言ったけれど、要は読者の立場になって考えようって事よ」


「僕に出来るかなぁ」


「出来なくてもいいのよ。大事なのは理解してもらおうとする事。そうすれば自ずと出来るようになっていくわ。しようとしなければ。いつまで経っても出来ないけれどね」


「うん、分かった。とりあえずやれるだけやってみるよ」


「その心意気よ。書きたいって気持ちを私は応援するわ」


「ありがとう。僕頑張るよ!」


「と、もうこんな時間ね。じゃあ帰りましょうか」


「うん」


「ここまで付き合ってくれて有り難うね。皆さんも、無理しない程度に、楽しんで小説を書いてね。それじゃあ、さようなら」


「ばいばーい」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ