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アナザー・ワールド・オンライン  作者: ジン
第一部:煉獄龍戦
16/54

追憶①

間に過去編挟みます。短いですけど・・・。

 失われた王国ロスト・キングダムとは、なんらかの理由により既に無くなってしまった国の総称である。

レナード・・・カオスの住んでいた国、アナトリア皇国は数年前に滅んだ国で、ドラゴンと心を通わせ共に戦う「龍騎士ドラゴン・ナイト」や「龍騎ドラゴン・ライダー」と呼ばれる人物が数多く住んでいる数少ない国だった。

 ドラゴンと長年敵対しているイシュガルの滅龍騎士団ドラゴン・スレイヤーとは対極の位置にいる存在達である。もちろん、乗りこなすドラゴンは煉獄龍インフェルノ・ドラゴン等とは違い、飛龍ワイバーンと呼ばれる比較的小柄で凶暴性の少ない温和なドラゴンだった。


 そこに住むこの少女もその国の特色に漏れず、ドラゴンと心通わす能力を持っていた。

アナトリア皇国は四方八方を山脈に囲まれた国で、国の入り口へと伸びる唯一の水路を通ることでしか入れない自然の要塞に囲まれた国である。その山脈も数多くのモンスターが生息し、歴戦の冒険者でも水路を使わず、アナトリアに入城するのか困難というまさに難攻不落の城だった。


 少女は幼小の時から城の抜け道を使い、試練の山と呼ばれる騎士達がドラゴンと契りを交わす場所まで赴き、遊ぶのが日常だった。


 城の地下通路を抜けうす暗く狭い通路を延々と歩くと、小さな空間に出る。そこは小さな部屋になっており、隅の四カ所で松明が轟々と燃えている。そこから先は小さな河川が続いていて水辺には一隻の小船が停泊している。小船といっても2、3人用の小さな船でオールを使って漕ぐシンプルなタイプだ。

 その小船を漕ぎ、延々と暗い洞窟のような水路を進むと徐々に明りが増し、視界が開ける。

そこは巨大な湖だった。城の丁度真後ろに位置する湖でアナトリア湖という。辺りには森林が広がり、その周りを断崖絶壁の切り立った山々が連なっている。此処こそが試練の山へと続く湖だった。

 試練の山へ行くには湖を渡り、険しい山々を踏破しなければならない。

しかしこの少女にはそんな必要はなかった。何故ならば。


「おーい!シーちゃん!」


 湖全体に響き渡る程の大声で少女が叫ぶと、しばらくの後、小船の下に大きな影が現れ、船の直近から一体のドラゴンが顔を出す。

 そのドラゴンを一言で表すならば巨大なウツボだった。まぁ体色は水色でヒレは橙色だったり両手両足が短いながらもあることから一概にウツボとは言えないかもしれないが大まかな外見はそんな感じだ。


 このウツボのようなドラゴン。名をシーちゃん・・・ではなく、シースドラゴンと言う。全長10メートル以上の非常に細長いドラゴンで相手を水中に引きずり込み、締めあげるのが得意技なドラゴンである。

 しかし今はそんな素振りを一切見せず、手慣れた様子で頭を小船の後ろにつけ、桟橋まで誘導する。

桟橋は二カ所あり、城から出た直ぐの場所と城の真反対に位置する森林へと続く浅瀬にある。

水竜シース・ドラゴンは城近くにある方小船を誘導すると、少女は桟橋にある杭に固定する。すると待ってましたと言わんばかりに頭を低くして待ち構えるシースドラゴンの首元に少女は飛び乗ると水竜はゆっくりと湖を進み始める。良く見るとシースドラゴンの首には革製の馬鞍ならぬ竜鞍が取り付けられていて、不意に少女が落っこちないように工夫されていた。


 何Kmもある広大な湖を素早い速度で渡りきると、シースドラゴンは岸辺で顔を地面に下ろし少女を地面へといざなう。

 少女が降りたのを確認すると満足そうな顔をし再び湖へと戻って行くシースドラゴン。

少女は森林に向かい首にぶら下げていた笛を思いっきり息を吸い込んだ後吹く。すると人の可聴領域を遥かに超える高い周波数の音が辺りに鳴り響き、森林から鳥類達が羽ばたく。

 幾ばくかの後、山脈の彼方から小さな物体が飛翔してきた。それは森林の上空を舞う頃には既にその姿をはっきりと彼女に認識させる。彼女の前に降り立ったソレは全長1.5メートル、全高5メートルの翼竜ワイバーンだった。

 太い翼と脚を持ち、手は短く細い。その甲殻は堅く強靭で氷のような色をしている。全身が結晶で出来ているのではないかという位透き通っており、見る者に幻想的なイメージを与える。翼の膜は透き通った透明な色をしていてその他は雪のような白色。名を氷結竜アイシクル・ドラゴン氷竜アイス・ドラゴンと呼ばれる個体の上位種である。

 この山には様々な竜種が生息している。今少女の元へと飛来した氷結竜アイシクル・ドラゴン氷竜アイス・ドラゴン龍騎士ドラゴン・ナイトが騎乗する飛べないがその強靭な太い四本の足で地を掻きわけ進む土竜アース・ドラゴン龍騎ドラゴン・ライダーが騎乗する緑色の体色に空を舞う事に特化した大きな翼を前足に、後ろ足に小さな翼を持つ風竜ウインド・ドラゴン等が均衡を保ちながら生息している。


 降り立った氷結竜に勢いよく走って行った少女を氷結竜はその大きな口を開けて待ち構える。傍から見れば小さな得物が自ら絶対強者に喰われに行っているようにみえる。しかし氷結竜は目の前に迫った少女の体を自身の口で銜えるとそのまま空に放り投げる。

 放り投げられた少女の表情は未だ笑ったままである。自然落下している少女は狙い澄ましたかのように氷結竜の背に向かう。そこには体色に似つかわしくない茶色の竜鞍が予め着けられていた。ついに少女は竜鞍へと着地すると手綱を握る。


「行っけぇええ!アーちゃん!」


 少女の声に応えるように氷結竜は低く唸ると翼を広げ空を自由に飛び回る。目指す目的地は遥か先にそびえる山々の一角。試練の山と呼ばれる場所である。


 その日の夕方、散々山で遊びまわっていた少女は氷結竜に湖まで送ってもらい、水竜シース・ドラゴンに城に続く水路まで送ってもらった後、城の自室へと帰っていた。


「あ~楽しかった!」


 誰にも気付かれる事無く自室へと戻った少女は天蓋付きの豪華なベッドにダイブする。そして日中、太陽によって暖められたであろうふかふかの毛布に包まりゴロゴロする。

 その気持ち良さに思わず睡魔が襲ってきたが、ドアをノックする音に思考は現実へと引き戻される。


「どうぞ~」


 「失礼します」と入ってきたのは、20代後半から30台前半位の長身の男だった。黒髪で髪型はベリーショート。顔つきは整っており、灰色と黒のカラーリングの制服を身に纏っている。襟の部分は赤い刺繍がされており、彼の階級が高い事を意味していた。


「カオス様・・・また、抜け出していたでしょう?」


 カオスと呼ばれた少女は一瞬ビクッと体を震わせると目を泳がせながら。


「な、何のことかしら・・・?」


 と白を切る。それを見た制服の男はジト眼で無言の圧力プレッシャーを与える。すると耐えきれなくなったカオスが傍に合った枕を持ちあげ。


「そうよ!今日も行ったわよ!だってシーちゃんとアーちゃんと約束したんですもの!」


と制服の男に投げつけぷぅと頬を膨らませる。

 男はというとやれやれといった様子で投げつけられた枕を甘んじて顔に受けると、枕を顔から退け脇に挟むとカオスのいるベットに近づき腰を下ろす。


「行く事は責めません。ただ、誰でもいいから護衛をつけてください。姫様の守護騎士ガーディアン達も姫様に万が一があっては死んでも死にきれません」


 諭すように話す男はベットに枕を置くとその手でやさしくカオスの頭を撫でる。


「だってアーちゃんのスピードに追いつける風竜ウインド・ドラゴンなんていないじゃない」


 なおも頬を膨らませたカオスが言い分を放つ。竜騎ドラゴン・ライダーの扱う風竜ウインド・ドラゴンは確かに空を舞う事に特化した竜である。長距離の飛行と旋回能力を有している強靭な翼、トップギアのスピードも他のドラゴンの追従を許さない。はずなのだが、カオスの駆る氷結竜アイシクル・ドラゴン氷竜アイス・ドラゴンの上位種。元々の強靭な堅さに加え、飛行能力も飛躍的に上昇しており、下位種の風竜ウインド・ドラゴンでは太刀打ち出来ないほどだった。

 風竜ウインド・ドラゴンの上位種にあたる暴風竜ストーム・ドラゴンであれば氷結竜アイシクル・ドラゴンよりも遥かに高い飛行能力を有しているが、アナトリア王国には現在、暴風竜ストーム・ドラゴンを乗りこなせるほどの実力者はいなかった。


 そんなカオスの言葉に制服の男は痛いところを突かれたと頭を掻きながら、どうすればこのお転婆姫を言いくるめられるかを考えていた。


(参ったな・・・。いや、あの手で行くか)


「ドラゴンと遊ぶのも良いですが、同い年の子と遊ぶのもいいのではないですか?私の娘も丁度、姫様と同い年ですし・・・。どうです?ご一緒に遊ばれてみては?」


 基本的に毎日が習いごとばかりの姫様にとって友達と呼べるのは残念ながら心通わせたドラゴンだけだしな。と考えて男は自身の娘も引っ込み思案で友達が少ない事を思い出し勧めてみる。


「あなたの子?」


 うつ伏せの状態から体育座りとなり、胸の前で枕を抱きながら顔を半分出しカオスが言う。


「ええ、私の子も今年で8歳です。少々内気な性格でしてね。友達も少ない。是非、姫様にお友達になってほしいのです」


「ふ、ふーん。会ってあげない事もないけど・・・?」


 頬を染め枕に顔を押しつけながらそう言うカオスに男は満足そうな笑みを浮かべると、またカオスの髪を撫でるとベットから立ち出口へと向かう。そしてドアノブに手をかけながら。


「では明日連れてきます。また抜け出したりしないようにしてくださいよ?」


「分かっているわよ!そっちこそ忘れないで頂戴ガゼル!」


「ええ、必ず」


 そう言うと制服の男、ガゼルは部屋から出ていく。残ったカオスは頬を染めた顔を完全に枕を隠し小さくつぶやく。


「友達・・・か。うふふ」


 

 翌日、ガゼルはカオスとの約束を果たすべく、午前中の勉強を済ませたカオスの元へ娘を連れて来ていた。

 場所は城の真ん中に位置する中庭。芝生に覆われた場所でいくつか腰をかけるためのベンチがあり、中央には塔の上に君臨する一体の飛竜ワイバーンを象った銅像の口から水が出ている噴水がある。

 カオスとガゼルは噴水の前に立っていた。肝心のガゼルの娘はというと、ガゼルの後ろに隠れていて足にしがみ付いている。時折顔を出し、カオスと目が合うとその度引っ込んでいる。


「すみません。姫様。昨日話した通り内気な子でして・・・。ほらミレイ挨拶をしなさい」


 ガゼルに促され、前に出るミレイ。茶髪のショートヘアにデフォルメされた猫の髪飾りを付けている。黄緑色のレースで出来たAラインワンピースを着ていた。

 ミレイはワンピースの裾をギュッと握りしめながら、俯いたまま小声でカオスに話しかけた。


「あ、あの。ご、ご機嫌麗しゅう御座います姫様。私は_______」


「あーもう!そんな堅苦し言い方しなくていいわよ!私たちお友達になるのでしょう?呼び捨てでいいわよ」


 両手を腰に当てて言い放つカオスにミレイはちらりとガゼルの方を見る。ガゼルがやさしく頷くと頬を染めながらしっかりとカオスの眼を見て話しだす。


「う、うん。分かったカオス・・・ちゃん。私、ミレイ宜しくね」


 カオスも初めて同年代の子からちゃん付けで呼ばれたのが照れくさいのか同じく顔を真っ赤にしながらミレイから差し出された握手を握り返す。

 その様子を見守っていたガゼルはわざとらしく咳をすると。


「じゃあ後は仲良くするんだぞ。私は勤務に戻ります故・・・」


と中庭から離れる。帰り際、ふと思い出したように振り返るとカオスを見て念を押すように言う。


「間違っても普通の女の子を連れて山に遊びに行くなんて馬鹿な真似は止して下さいよ・・・?」


 その言葉にギクッとするカオスだったが、努めて冷静を装い「い、行かないわよ」と答える。

そのまま「行きましょう」とミレイの手を取って走り出す。ガゼルが若干の不安を感じながらもその場を後にした。

だが、数日後、恐れていた事態が起ころうとはこの時のガゼルは知る由もなかった。



 カオスとミレイが知り合い数日が経ったある日。カオスの習いごとの合間を縫って遊んでいた二人だったが、今日はちょっと趣が違ったようだ。

現在、二人が立っているのは城の地下にある薄暗い通路である。余裕顔のカオスに顔を青くしたミレイがピッタリと寄り添って震えている。


「ねえ、危ないよぉ。戻ろうよ」


「大丈夫よ。ミレイと会うまでは毎日のように通ってたんだから」


 今にも泣きそうなミレイを何度も宥めながら通路を歩くカオス。そして小部屋に辿り着き、小船へと乗り込む。


「ここから先はこの船で行くの。オールをココにかけて漕げば私たちでも力を使わず漕げるから」


 とミレイにオールの漕ぎ方に関するコツを伝授し始めるカオス。その顔はミレイとは対照的に輝いている。

 おっかなびっくり小船にミレイが乗り込むと二人でオールを漕ぎ、しばらくするとアナトリア湖へと出る。


「うわあ、すごい・・・」


 狭い洞窟のような水路を抜けた先にあるアナトリア湖のとその周りに広がる森林。それを覆い隠すように四方にまたがる山脈の数々にミレイの口から思わず感嘆の声が上がる。

 それを横目で「すごいでしょう」と自慢げに話すカオスはいつもの調子でシーちゃん、水竜シース・ドラゴンを呼び出す。

 景色に見惚れていたミレイも小船の下に現れた大きな影に気付くと体を震わせカオスに飛び付く。


「わわわ!何かくるよう」


 カオスにミレイが飛びついたのとほぼ同時。水面から水竜シース・ドラゴンが顔を出す。

カオスの横に見たこともない人間がいることに首をかしげている。ミレイはというと声にならない悲鳴をあげていた。


(あ、あたし今日死ぬんだ・・・)


 ミレイが突如現れたドラゴンに死を覚悟するも隣の少女はにこにこ笑ったままである。

ミレイはふと考える。そう言えば水竜コイツが現れる前にこの少女は何か言ってなかったか?と。


(そういえば、シーちゃんって・・・)


そのまま固まっていると水竜シース・ドラゴンは小船を桟橋まで押し始めた。

呆気にとられているミレイがカオスの顔を見るとカオスは舌をペロッと出し。


「ごめんなさい。私とこの子とは友達なの。ミレイをビックリさせたくて」


と謝ってきた。ミレイは全身の力が抜け、ふらふらと体を揺らす。



「カオスちゃん酷いよ!死んじゃうと思ったんだから!」


 数分後、森林へと続く桟橋へと水竜シース・ドラゴンに送ってもらったカオス達は森林を中ほどまで歩いてきている。そんな中、先程の出来ごとについて会話がなされていた。


「ごめんごめん。まさかそこまで驚くだなんて思ってなくて」


「もう!他にビックリするような事ないよね?」


「え!うん!な、ナニモナイヨ?」


「目が白々しいよ・・・本当にないの?」


 親譲りのジト眼でカオスを見つめるミレイ。そして参ったと両手をあげて降参のポーズをするカオス。

二人は数日のうちに冗談を言い合う仲にまで進展していた。それに気を良くしたカオスがミレイをドラゴンの友達を紹介しようと誘ったのだった。


「この辺でいいかな・・・」


 森林の中程で立ち止まるカオス。すると首にぶら下げていた笛を手に持ち。


「アーちゃん来るけど、驚かないでね」


「アー・・・ちゃん?」


 ミレイの疑問をよそに笛を思いっきり鳴らすカオス。すると数分の後、突風を伴って飛来した氷結竜アイシクル・ドラゴンがカオスの前に着地する。

 鋭い牙を覗かせながらグルルと低く唸る氷結竜アイシクル・ドラゴン。いくら事前に伝えたとしても名前だけ、しかも容姿も伝えずでは「アーちゃん」という固有名詞だけでは稀少な竜が飛んでくる事など予測できる人間がいるだろうか?ビックリどころかミレイは失神寸前だった。


「あれ、ミレイ大丈夫・・・?」


「カオスちゃん・・・」


 肩を小刻みに震わせながらミレイはキッとカオスを見据え。


「名前だけで分かるはずないでしょおぉぉぉぉぉ!!」


 森林にミレイの大絶叫が響き渡ったのであった。



 その後、ミレイにこってりと絞られたカオスはしゅんとした様子で項垂れていたが、「もう気にしてないよ」とミレイに言われてから元気が復活していた。

 そして氷結竜アイシクル・ドラゴンに乗り、空の旅を楽しんだ後再び城の中庭へと戻ってきていた。

 ベンチに二人で腰かけ、今日の出来事を話し合う二人。そこで疑問に思った事をミレイはカオスにぶつけることにした。


「カオスちゃんさ」


「ん、なあに?」


「シーちゃんとアーちゃんってカオスちゃんのドラゴンなの?契りを結んだってこと?」


「ううん、違うよ。友達なだけ」


 通常、龍騎士ドラゴン・ナイト竜騎ドラゴン・ライダー達がドラゴンと契約を交わす事を契りと呼ぶ。新米の騎士達は試練の山へと向かいドラゴン達と対峙する。戦って己が勇姿を見せつけ、ドラゴンに力を認めさせ力を借りる者。ドラゴンと心を通わせ、友達の関係になり力を借りる者。方法は様々であるが、最後の契約に必要な事は事項は2つ。まず契約に必須な石である「竜結晶」と呼ばれる石を見つけ出し所持している事。2つ目が契約したいドラゴンとの関係を築くことである。

その条件を満たす事で、竜結晶を用いて契約の魔法陣を描き、双方が同意する事で契約は完了する。

しかし基本的に人一人につき一体のドラゴンが常識である。2体目と契約しようとすると1体目との契約が切れるというのがアナトリア皇国に住む騎士達の常識だった。

 幼いミレイも父親であるガゼルからその事を聞いていたので、カオスが2体のドラゴンと交流を持っているの事に驚きを隠せなかった。


「友達?じゃあ本当に契約してないんだ」


「うん。それに契約は大人なってからってお父様に言われてるの」


「そうなんだ。私にも出来るかな。ドラゴンの友達・・・」


「ミレイもきっと出来るよ。いつか大人になったら一緒に契約に行こう!」


「うん。約束だよ」


 夕暮れのベンチで指切りをして約束をする二人。

しかし二人の約束は果たされることは無かった。



 

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