どうしようもなく可愛いヤツら
ようこそ、「一羽の兎ワールド」へ!
タンタン タンタン タランタタン タン
タンタン タンタン タランタタン タン
ふりふり ふりふり ふりふり ふりふり
「見てくださぁい! ご主人さまぁ! 今日はぁ、羽根つきもも色おふんふんですぅ!」
軽快な音楽とともにおしりをふりふりさせながら現れたのは、お気に入りのおふんふん(ふんどし)に鳩の羽根を着けた、うさぎのイチくんだった。
まわりでは『イチくんファンクラブ』の取り巻きたちが、
「きゃーきゃー!」
「かわいーかわいー!」
と黄色い声援を送っている。
しかしそんなファンクラブの取り巻きたちには目もくれずに、イチくんはなぜか俺にだけ熱い視線を送ってくる……
「ご主人さまぁ! われはぁ、頑張っておりますぅ!」
タンタン タンタン タランタタン タン
タンタン タンタン タランタタン タン
ふりふり ふりふり ふりふり ふりふり
「あぁ、そう……」
これで一体何をしたいのか、本当に謎の多いうさぎである。
タンタン タンタン タランタタン タン
タンタン タンタン タランタタン タン
ふりふり ふりふり ふりふり ふりふり
「あ、わかった。リオのカーニバルとか?」
ばたっ
「………………」
イチくんは踊り疲れて倒れてしまった。その踊りの所要時間にしておよそ一三秒。たしかに頑張ったな、イチくん。前より五秒ものびたぞ。
あとのことは、「大丈夫ー?」と猛烈な勢いで群がってきた取り巻きたちにまかせ、俺は静かにその場を去った。
冷たいのではない。対処の仕方がわからないだけだ。
To be continued?
えっと……気がむいたら、ね
(;´^`)ゞ
※同人誌『うさぎの短編集』にも収録されています。
詳細は活動報告を読んでください。