第8話 緊急事態
翌日
俺は昨日すぐ寝てしまっていたようだ
そのため今日は早く起きることが出来た
昨日はみっともなかった
なぜ、ニーアに八つ当たりしてしまったのだろうか
自分の感情を抑えれなかったから
なぜ抑えれなかったのだろう
俺の方が生きてきた年数は上でも俺は、ニーア先生より精神年齢は未熟であった
ニーア先生は、どう思ったのだろう
「まだ早いけど起きるか」
二度寝という選択肢はなかった
そんな気分じゃ無い。
この時間に起きた俺ならニーア先生の寝顔を見に行ったり、色々探ったりしたであろう
しかしそんな気分でも無い
「庭に出るか」
そう思って外に出ようとしたが、雨が降っていた
雨だ…
気分が悪くなる
朝食を取るにもマーニャかミルフィオリを起こさなくてはならない
魔法を習得するにもニーア先生を起こさなくてはならない
この状況でニーア先生を起こすのは、良くない気がする
それに、魔法のことからは少し離れたい
「部屋に戻るか」
部屋に入ろうとしたら、部屋の前でミルフィオリがドアの前で座っていた
「どうしました?」
彼女は、まるで使命を果たすような口調で俺に言った
「リク様。良く考えて次の行動を起こして下さい」
何のことだ?
昨日のことはミルフィオリ達には知られてない筈。
「なんのことでしょうか?」
「いえ、何でもありません。まだ早いのでもう一度睡眠を取られたらどうでしょうか?」
棒読みに近い喋り方でそう俺に語りかける
まぁ、この状況じゃ寝るのが1番なのかもしれない
よし、寝よう
今は、それ以外に出来る事が無い
「分かりましたもう一度寝ます」
「かしこまりました。リク様」
そう言って、俺は自分の部屋に戻る
そして、もう一度睡眠を取った
あれから、数時間は経ったであろう
再び、俺は目を覚ました
「二度寝をするのは、久し振りだな」
起きた時には雨は止んでいた
雲行きはよくないが…
しかし、本当にこの世界で二度寝するのは久し振りだ
魔法の修行ばかりして起きたらニーア先生の姿を見るか修行をしていたからな
何だか、スッキリした気分だ
ニーア先生と話をしてこよう
昨日のこともこれからのことも
そうと決まれば早速ニーア先生の部屋に行こう
ニーア先生の部屋の前でノックをする
返事が無い どうやら部屋にはいないようだ
なら、庭だな
この時間帯、ニーア先生は庭にいることが多いしな
庭についたが、ニーア先生はいない
はて、何処であろう
あらゆる場所を探したが、ニーア先生はいなかった
それどころか、ミルフィオリ達もいない
この体では、外にも出れない
4歳の体じゃ
しかし、メイドが一人も家に残らないというのは不用心である
家は過保護なのでこの状態は異常である
このことから考えられるのは、何か他の大きな問題が起こったと考えられる
この状況
非常に胸騒ぎがする
突如大きな鐘が鳴った
!?
何であろう?
そう思って外に出る
大分遠くから人の声が聞こえる
ん、あれはこの村の農家の…
名前何だっけな?
とにかく、よく我が家が野菜を仕入れる
農家のおじさんだな
徐々にこちらに近づいて来る
それも走ってだ
この世界は、俺のいた世界と違い空気が綺麗である
それに俺は、子供なので目が良い
大体200mくらい先まで見える
その農家のおじさんのあとに多くの村人が走ってこっちに向かって来ている
“緊急自体”
そんな言葉が脳裏に浮かぶ
ニーア先生は強力な魔法が使える
メイド達もある程度の魔法は使える
現在の状況で皆がいなくなるであろう理由が一つ思い浮かぶ
モンスター討伐
上級モンスターの出現
モンスター大量発生考えられることは沢山ある
しかし、モンスターについてのことのみだ
そうこうかんがえているうちに農家のおじさんが俺の約50m前ぐらいまでに来ている
「おじさん!」
俺は、声を張り上げて尋ねる
「おぉ、リク、逃げるんじゃ」
農家のおじさんも声を張り上げて答えた
これが意味することは、緊急事態
「何があったんですか?」
かなり大きく早口で互い声を出す
「モンスターじゃー!」
やはり、緊急事態だったようだ
この状況でニーア先生達がいないことを考えると、ニーア先生達は…
だが、決まったわけではない
「ニーア先生達をしりませんか!?」
「今、足止めをしておる、大丈夫じゃ心配するな。あいつらならなんとか逃げれる!」
”足止め”
危険な行動である
これによって多くの命が助かるだろう
しかしこの行為は、ニーア先生達にも大きな危険が伴う
「一緒にくるんじゃ!」
話している間に農家のおじさんとの距離は縮まっていく
「嫌です!」
こんなことを言って、なにになるというのだろうか?
俺がとった行動は非常に理解しがたいものである
頭の中では分かっているが、だからといって
無視するわけにはいかない
「あやつらのところに行っても今のお前さんじゃ、足手まといじゃ!」
そんなことは分かっている
「それでも、嫌です!」
俺の声が虚しく山に反響した
「我が儘を言うんじゃ無い!皆、お前さんと同じ思いじゃ!」
そう言った、農家のおじさんの額には汗が
流れる
とても危険な状況だということだ
「そんなこと、何で言い切れるんですか!?」
何故、俺は、こうも反抗的なのだろうか
自分でもどうしたらいいのかわからない
「あいつらにお前さんの避難を頼まれておる早く一緒に来るんじゃ!」
そんなことを言ってる間におじさんと俺の距離は、数mになった
その後ろには、大勢の村人が走ってこっちの方面に向かってきている
「ともかくあと少ししたところに山への登り道があるんじゃ!そこからなら、村の様子も伺えるぞい!
ついてくるのじゃ!」
選択肢は3択
山から村の様子を見る
ここに残る
今から村に向かう
ここから村に向かうのは、とても無謀であり、死に行くようなものだ
ここで待っていても、何か進展があるという可能性は低い
山に向かうしかないのだ…
「解り…ました…」
この選択が一番ベストなのだ
これは、二次元じゃないんだ
たとえ、二次元じゃ村に行くことが選択肢の中で正解だろう。
しかし現実というのはどこまでも残酷なもので、一つ選択を間違えれば死に至る
この選択をしなければ死ぬ可能性が高いのだ
「しょぼくれるでない、あいつらならきっと切り抜けられる!いくぞい!」
農家のおじさんは俺を励ましているのだろうか?
俺は何をやっているのだろう
農家のおじさんにだってこの村に未練はあるだろうに。
思い出だってあるだろうに。
俺ばかりが子供のように甘えるわけには
いかないな
例え肉体が子供であろうと
俺は異世界転生者
精神面や頭脳は当に成人の筈なのだから
走ること数分
山の登り道だ
この道は、けもの道のようなものを少し綺麗にしたような道で、整っているとは言い難い
そのため道も狭く中型以上のモンスターにはとても登りにくい道となっている
登りにくいというより基本登れない
「おじさん!」
「なんじゃ?」
かなり緊迫した状況だ。
そのため、喋り方も早口になる
「モンスターは、どのような感じで攻めてるんですか?」
「わからぬ。モンスターの大量発生らしいんじゃが………」
おじさんは、困惑したような表情で答える
「モンスターのサイズは、どれくらいなんですか?」
またもや、おじさんは困惑した表示で答えた
「わしに、わしには、そこまで詳しいことは解らぬ。じゃから、山の頂上から様子をみればいいだろうに!
山の途中でも村の様子を伺うことが出来る場所は沢山ある!」
山といっても、大体100mくらいのもので、どちらかというと丘だろうと思うが、斜面がかなり急なので
山と呼ばれている
「とにかく、先を急ぐんじゃ。」
数十分走ったところで村の様子が伺える場所についた
伺えるが、全体的に伺う事は出来ない
全体的にといっても、ある程度の様子は伺える
しかし、そこから見える村の様子は絶望的だった
火が舞い
無事な建物はほとんど残っていない。
モンスターの大量発生
大量発生していたのは、中型モンスターである
大型のモンスターも数匹いる
これでは、たったあれだけの戦力で立ち向かうのら無謀すぎる
これじゃ、ニーア達は、逃げるのが精一杯ではないだろうか
どういうことだよ!?
なんで、こんなことになっているんだよ!?
「どういうことですか!?おじさんッ!!」
「すッ、すまぬッッ!!」
おじさんは今にも体力切れで痛いであろう腰を支えながら
頭を下げた
「なんでですか!!」
そんなことは自分でもわかっている
おじさんにとっての正解の選択肢はこれだっただけ
おじさんだって必死だっただろう
「お前さんだけでも助けんと………」
そこまで言いかけたところでまた鐘の音が鳴った
今度は、最初に鳴ったのより何倍も大きい音がした
「ッ!!」
ここは、リクの家よりも村がよく見える
その景色から見えたものは鐘が高台から落ちて下にいた人が潰されている景色だ
「危ないぞ!リク!」
その瞬間 俺は水溜りに気づかず足を滑らせ落下した
しかし俺が足を滑らせた場所は大体50m地点
40m下まで崖になっている
死にたくない!
しかし、そう思ったところで何も変わらないたろう
全く…
俺は転生しても上手くいかなかったな…
「瞬間浮遊」
かなり大きくガラガラな声が聞こえた
しかし、今の俺にはそんなことを気にしている暇はなかった
自分でも何を考えているかわからなかった
そして俺は、崖から生える木の枝をひたすら掴もうとしてた。
そして木の枝に右手を重ねた
「掴めた!!」
しかし、4歳児の俺の腕力ではそのままの状態を保つことはできず、そのまま落下した
“やはり無駄だった”
そう思い俺は目をつぶった
??
死んでない
そう思って下を見た
落下地点2mぐらいのところでかなりゆっくり落下していた
「助かった?」
俺が困惑していると上の方からかなり枯れた声が聞こえた
「大丈夫か――」
おじさんだ
その時おじさんは俺から理解の出来ない行動をとった
なぜか、おじさんがこちらに向かって飛び降りてきた
“なにしてるんだ!?”
そう思った
しかしその瞬間 おじさんが口を開きこう言った
「瞬間浮遊」
そう言った
確かにそう聞こえた
今度は、ゆっくりとあまり大きくない声で
だが、おじさんは物凄く早いスピードで落下した
「おじさん!?」
その時の俺はそこにいたら死ぬと頭では理解していたが、体が思うように動かなかった
「大丈夫じゃよ」
そう聞こえた
何が大丈夫なのかはすぐに理解出来た
おじさんが落下するスピードが徐々に減速してゆき、5m地点でスピードを失っていったのだ
そして、おじさんが俺と同じ足場にたどり着いた
“魔法使用者”
脳裏にその言葉が浮かんだ
しかし、今はそんなことを気にしている場合では無い
辺りを見回してると歩ける場所がなかった
「下に降りるぞ」
おじさんがそう言った
いつもよりかなり低い声で
「上に上ることことは出来ないんですか?」
「すまんのぉ。儂はたったふたつの魔法しか使えんくてのぉ。
灯を灯すことか、一瞬スピードを落とすことしか出来んのじゃ……………」
おじさんが黙った
俺が責められる筈が俺を守ったおじさんを俺が責める形になってしまった
最低な人間だな…
「いえ、すいません。降りましょう。」
「瞬間浮遊」
「下にジャンプするんじゃ」
そう言って下におじさんがジャンプした
ドゴォォォォ!!
かなり大きな音が聞こえ、足場が崩れた
下につくと隣でおじさんが全身から血を口から血を大量に出し
死んでいた
肺らしきものが若干飛び出ていた
その肺も上から落ちてくる土で潰されていた
土で潰されたであろう箇所は胸部から脚部までの間
とても致命的で関節はあらゆる方向に曲がっていて原型とは似ても似つかないものとなっていた
そしておじさんはこう言い放った
「逃げてくれ」
おじさんは、かなり弱々しくかすれた声でそう俺に言い放った
最後におじさんは涙を流した
そして死んでいった
俺は、魔法のおかけで生き延びた
その魔法を発したのはおじさん
おじさんは俺のせいで下に落下した
そして死んだ
全て俺のせいなのだ
ニーア先生にもあんなことを言い
おじさんを死なせてしまった
俺はダメな人間だ
そう思った時、少しばかり離れたところから声が聞こえた
「危ない!!!」
女性の声だった
その女性が持つ杖から何かがこちらに飛んできた
これは天罰であろう
俺は、死を覚悟した
だが、その杖から飛んでいったものは俺には当たらず
俺から数m離れた何かにぶつかった
横を見ると7mぐらいのサンドゴーレムにあったた
サンドゴーレムは広範囲に砂をたたせて崩れていった
サンドゴーレムを倒した女性は遠くからこう言った
「なんで、逃げてないの!?」
いつも聞いているしたじみのある声だ
だが、俺の頭は困惑していてその声の主に気づかなかった
視界も砂埃が舞っていて声の主を見ることが出来ない
その声の主が徐々にこちらに近づいてきた
黒い影が徐々に顕になって姿が見える
「ニーア先生!!」
その女性は俺の家庭教師だった
次話から展開を面白くしていこうと思います!!
誤字・脱字・間違った表現や感想があればコメントを是非下さい!