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焼き芋屋さん

 slothさんがログインしました。


 ハリネズミ:

 こんばんは。


 先輩:

 やぁやぁ、こんばんは~。


 sloth:

 こんばんは。みんな居たんだ。


 ハリネズミ:

 僕等が既にログインしている事に、驚いているみたいだね。

 それは、正しい表現としてはどうかと思うね。

 いいかい? 時計を見てみるんだ。何時を指している?

 君が僕と同じ世界で生きているのならば、22時だと思う

 そう、22時までslothがログインしていない。

 これこそが異常な事態なんだよ。


 sloth:

 解ったよ。ウルサイ奴だな。俺が悪かった。


 先輩:

 おっと! ハリちゃん。

 君の気持ちはよく解るよ。私には、よく解るさね。

 だから、今回は、私に免じて許しておくれよ。

 今、タイピングしているステキな文章は、そっと削除してくれないかい?


 ハリネズミ:

 はぁ。先輩の頼みなら仕方ないですね。 良かったな。sloth。いや、世界一の怠け者。 


 sloth:

 俺は怠け者じゃない。ナマケモノだ。 画像検索してみろ。可愛いんだぞ!

 まぁ、いいや。

 それよりも、聞いてくれよ。

 俺は、今しがた帰ってきたんだ。そして、帰り道で大変な事が起きた。

 歩道を歩いていると、焼き芋屋さんの車が通ったんだよ。

 録音なのか、運転手のおっちゃんが喋っているのかは解らない。

 だけど、妙な事を言ったんだ。

「焼き芋だよ。 ふっくら美味しい焼き芋だよ。 ぼそぼそ美味しい焼き芋だよ~」

 ってな。おかしいだろう?

「ぼそぼそ美味しい」って変じゃないか?


 ハリネズミ:

 なるほど。

 だけどね。君がどう疑問を感じたのか、詳しく説明するべきだね。

 そもそも、君は「ぼそぼそ」って言う言葉の意味を正しく理解しているのかい?


 sloth:

 ぼそぼそ喋る。だろ?


 ハリネズミ:

 実に嘆かわしい。それは、言葉の意味の説明としてどうなんだろう? 

 自分では何も思わないのかい?

 そうやって、最近の若者は言葉の意味を抽象的にしか捉えていない。

 時間をあげるよ。辞書で調べてきてごらん。


 sloth:

 おぉ・・・。ところで、お前は意味がわかるのか?


 ハリネズミ:

 当然さ。君と一緒にしないでくれよ。

 いいかい?

 そうだな。君の例えの場合の意味としては、「小さな声で話す」と言う意味だね。

 そして、焼き芋屋さんは、焼き芋を指して使ったんだよね?

 この場合は、「水分が抜けて美味しく無い」と言う意味として使われたと考えられる。

  

 sloth:

 そうか。お前は便利な奴だよ。


 ハリネズミ:

 まさか、調べなかったのかい?


 sloth:

 まぁ、今はそんなことは問題じゃない。だろ?

 お前の説明で、食べ物にも「ぼそぼそ」という言葉が使われると言う事は解った。

 だけど、やっぱり「美味しくない」という意味があるんだろ?

 おかしいじゃないか!


 ハリネズミ:

 そうだね。少しおかしいかもしれない。

 だけど、「ぼそぼそ」と言うのはロシア語が起源なんだ。

 ボソミーレボソーヤ。

 これには、甘くてふっくらという意味もあるんだよ。


 sloth:

 そうなんだ。それなら、納得できるかもしれない。


 ハリネズミ:

 もちろん、ロシア語が起源なんて大嘘だけどね。


 sloth:

 この野郎……。


 ハリネズミ:

 悪く思うな。辞書で調べなかった君が悪い。

 そして、僕は前言を撤回すべきだね。

 多少、曲解してでも相手の伝えたい事を理解してあげるべきなんだ。

 つまり、水分が無い方が焼き芋は美味しくなる。

 こう言うことなんだよ。


 sloth:

 そうなのかな?

 でも、俺は焼き芋の研究なんてした事は無いしな。

 う~ん。

 いや駄目だ。やっぱり、納得しかねるんだよ。

 先輩はどう思う?


 先輩:

 そうだね。ハリちゃんの言う通りかもしれないね。

 でも、そうじゃないかも知れないよ?

 sloth君。君は、何か大事な情報を伝え忘れているんじゃないのかい?

 例えば、周りがウルサくて良く聞こえなかったとか。


 sloth:

 あぁ~。言われてみれば、その焼き芋屋さんさ。

 凄い音割れしているスピーカーを使っていたわ。


 ハリネズミ:

 君という男は。

 いつもいつもね。どうして、大事な情報を省略するんだ。

 大した問題じゃないとは言え、君からの相談だと理解しているのかい?

 いいかい?

 僕等は、君の言葉からしか情報を得られないんだ。

 君のその性格のせいで、何回、無駄な時間と労力を費やした事か……。


 sloth:

 悪かったな。

 だけど、お前はそれが無くても、無駄に疲れる生き方をしていると思うね。俺は。


 ハリネズミ:

 君という男は、嫌味で終わらせないと気がすまないのかい?

 まぁ、四ヶ月も大人な、僕が引き下がろうか。

 その情報を加味すると、答えはもっと簡単だろ?

 いいかい?

「ほくほく美味しい焼き芋だよ」

 あるいは、「ほかほか美味しい」でも良いね。

 ただの、君の聞き間違いさ。


 sloth:

 う~ん。やっぱり、納得しかねるな。


 先輩:

 そうだね。

 おじさんは、水分の少ない焼き芋に自信があったのかもしれない。

 sloth君の聞き間違いかもしれないね。

 だけど、今日sloth君が話したって事は。

 その焼き芋屋さんは、普段見かけないんだろ?

 確かめようの無い事実なんて、都合よく解釈してしまえばいいさね!

 特に今回のような時はね。

      

 sloth:

 そうだね。解らない事は前向きに考えないと!


 先輩:

 そうさね。人生はポジティブにね!


 ハリネズミ:

 そうかもしれないね。


 sloth:

 そうだ。俺は、きっとクラスの女子からモテモテに違いない。

 彼女達の気持ちは解らないから、前向きに考えてみた。

 そうだったんだ。

 俺はクラスのアイドルだ!

 なんか、こう考えると学校も楽しくなるな!

 そう言えば、そろそろバレンタインだ。

 いや~、モテル男は辛いよ、ってか。


 ハリネズミ:

 君は本当に馬鹿だ。


 先輩:

 いやいや、それでも良いさ。

 それで、学校が楽しくなるなら良いかもしれないね。

 勘違いして行動に移す。そして、現実と言うものを知る。

 うん。それも大事だよ。


 sloth:

 悪かったよ。そんなに責めるなよ~。


 先輩:

 うふふ。責めてなんかいないさ。

 ただ、やっぱり何事も程々にだね。

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