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 フローラが帰宅したのは日付も変わった夜中。

心配して駆け寄った私に


「今は疲れたから話は起きてからにして。心配かけたのはゴメン、謝るわ」


 そう言い残し部屋へと入ってしまった。


 話は起きてからに・・


 の言葉を信じ私も眠る事にした。が、目覚めた時にはフローラはおらず、メイドに聞いたら


「朝早くにコンラッド様がお迎えに来られて、領地へと帰られました」

「えっ?!なぜ起こしてくれなかったの?」

「その、マーガレット様には伝えてあるから、起こさないように・・と、強く言われてしまい・・」


 私は訳が分からないまま取り敢えず領地の父へ手紙を送り、学園へと向かった。

 学園へ到着しまず向かったのは生徒会室・・なのだが、


(何かしら?やけに視線が・・)


 普段滅多に浴びることのない視線を感じながら生徒会室の扉をノックする。

 扉を開けてくれたのは


「おはようございますアラン様!昨日は・・」


 昨日のお礼を伝えよう口を開くと同時に、腕を引っ張られ中へ強引に入れられた。


「あの・・」

「今朝学園へ来たら何故か兄とフローラが婚約者同士になっていて、君が二人の仲を割く悪女扱いになっていた」

「・・・えっ?それは・・」


 まだ婚約もしていないのに、何故私が二人の仲を割いた事になっているのか・・


「恐らく今調べている事と関係していると思うけど、この事は父にも手紙で伝えたから返事があるまで待ってて欲しい。フローラにも直接話を」

「あの・・今朝早くにフローラと・・コンラッド様が領地に帰ったとメイドが・・」

「えっ!兄がフローラと?」


 二人で話していた時、突然扉が開き入って来たのはアイル様とイエイン様だった。


「アラン!学園中が噂に・・マーガレット!」

「アイル様、イエイン様。ごきげんよう。ところで噂って何ですか?」


 アイル様とイエイン様が顔を見合わせアラン様を見る。恐らくアラン様が言ってた事と同じだろうと判断したのか、アイル様は話出した。


「昨夜、見張りから連絡があり、やはりあの連中は高位貴族を狙って詐欺を働いていた。その場にいた者達は捕えたが・・主犯格達はその場に居なかったんだ。この事はフレッドさんにも伝えたよ。」

「その事を貴方に伝えようと学園へ来たら・・貴方のお兄様とマーガレットさんの妹さんが婚約者になっていて・・」

「私が二人の仲を割く悪女扱いされている」


 二人は驚いた顔をしていた。


「朝学園へ来たら嫌な視線を向けられて・・訳が分からずにアラン様を訪ねたら、そう聞かされました」

「二人が婚約した事も、マーガレットが二人を割く理由も分からない。父には手紙を出したから、今日中には返事があると思う」


 取り敢えず教室へ行きましょう。


 とイエイン様に言われ向かったのだが・・

 教室でもものすごく嫌な目で見られていた。

 そこに一人の令嬢が来て私に問いかけて来た。


「マーガレットさん、今貴女の事がすごい噂になっているのご存知?」


 見上げるとそこには子爵令嬢のレア様が立っていた。

 そこまで仲は良くないが、時々話はする間柄だ。


「ええ、私がいつの間にか婚約したフローラとフロイド伯爵家の嫡男様との仲を割いていると・・」

「昨日まで全く流れていなかった噂が、今朝から急に湧き出ているの。今までの貴女を見ていたら嘘だと思うのだけど・・」


 クラス全員の視線が集まる。

 本当の事を言って信じて貰えるのか?

 でも、このままの状況も嫌だと思い


「信じて頂けるかは分かりませんが、フローラとコンラッド様が婚約した記憶はございません。それに、コンラッド様と婚約を結ぶのは私の筈でした」


 ハッキリと答えた。

 でも、その言い方が悪かったと思ったのは直ぐだった。


「貴女、自分がフロイド卿と婚約出来なかったから二人の仲を割くような事をしたのね!」


 別の令嬢が大声を上げた。


「ご自身がフロイド卿の婚約者になれなかったから、フローラさんに嫌がらせをしていたのでしょう?」

「えっ?何のこと・・」

「そうそう、最近のフローラさんすごく何かに悩んでいる様子でしたわ!」

「この間お見掛けした際は、ものすごくお痩せになられてて驚きましたの」

「まさか実の妹から嫌がらせを受けてたなんて・・」


 まるで私こそが悪者だ!と、言わんばかりの発言に言葉を失ってしまった。

 何故こんな事に・・

 いくら考えても分からない。

 弁明も通じない事に苛立ちと悲しみが溢れた時、


 担任に呼ばれた。

 

 

少し長くなりました。

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