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 あれから二年が過ぎ、兄フレッドとコンラッド様は学園を卒業した。

 アラン様は兄と同じ特別科へと進み、第二王子殿下と兄の後を継ぐ形で生徒会に入った。

 生徒会長は侯爵家の嫡男だが、アラン様は副会長として会長を支えている。


 私とフローラは普通科へと進んだが、フローラは元々結婚相手を探す為の入学!と言って、勉強を疎かにしていた。

 そのせいか成績も落第ギリギリで、何故かいつも呼ばれるのは私だった。


(自分だけが成績良くても姉妹なんだから協力しなさい!)


 とか、


(妹として、姉をしっかり見てあげてください!)


 とか?


(貴女には勉強しか取り柄が無いでしょう)


 とかとか?


[ 普通、姉が妹を見るんでしょー!勉強しか取り柄が無い!って?勉強も出来ない娘を押し付けてくるのはどなたですかー!]


 と心の中で思っても口にも顔にも出さずただ、


「わかりました。」


 とだけ答えていた。




「勉強しないのはフローラなのに、何故私が呼ばれないといけないのですか?!言って聞く子ならとっくにしてる!私のせいじゃ無いのに〜!」

「マーガレット、また呼び出されたんだね・・」

「すまんアイル。何とかする」


 最近の私の愚痴吐き場は、アラン様がいる生徒会室だった。

 もともと成績の良い (自分で言ってて恥ずかしいが) 私は、アラン様の口利きで生徒会の仕事を手伝っていてる関係でこうして先生に呼び出された後は愚痴をこぼしていた。


 会長のアイル様も私の事を妹のように可愛がってくれている。その訳は・・


「マーガレットさんも大変ね。私も愚弟がいるから分かるわ。これでも食べて。」


 アイル様の婚約者でもある、伯爵令嬢のイエイン様が可愛がってくれているからだ。

 私は頂いたクッキーを頬張りながらイエイン様に ヨシヨシ と、頭を撫ぜられている。


「イエインも甘やかさないで・・」

「あら!ごめんなさいねアラン。貴方の役目を取ってしまって」

「!」


 アイル様とイエイン様が笑っている。


「ところでアラン、フレッドさんから嫌な話を聞いたんだが・・君の耳にも入っているかい?」

「?」


 私はお茶を飲みながらアラン様を見た。

 アラン様も私を見て、


「その話は・・」


 と、濁したためきっと私には聞かれたら困るのかな?と思い、席を離れた。


 アラン様は


(また連絡するから)


 と言って扉の前まで送ってくれた。

 多分、間違い無ければコンラッド様絡みの話だろう。兄フレッドがこの間屋敷へ来た時にチラッと話してくれたから。

 でも、この事は誰にも言わないように!と、釘を刺されたので内緒なのだ。


 おかしいと言えばフローラも少し変だった。

 最近私と兄に隠れて変な人たちと付き合うようになったのだ。

 変と言っても相手は貴族なので、間違いは起きないと思って様子を見ているけれど・・


「コンラッド様とフローラが同じ事に巻き込まれていないと良いけど・・」


 最近学園も休みがちなフローラを心配し、急いで屋敷へと戻った。

次回は生徒会室での、三人の会話となります。

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