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17 最終回

少し長いですが切らずにこのまま投稿しました!


「お母様!後ろのリボン曲がってませんか?」

「あっ、マーガレットよりも私の髪飾りを先に見てください!」


 今日は待ちに待ったお兄様とフローレンス様の結婚式だ!

 私たちをはじめ、公爵家も朝からバタバタしている。それもそのはず、次期公爵の結婚式だ!公爵家だけでなく、王家も参列するとなればバタバタなのも頷ける。

 お兄様は今日から公爵家の人となる、嬉しいような寂しいような・・気持ちになる。


「もう気軽にお兄様って呼べなくなるのね・・」


 準備も終わりみんなでお茶を飲んでると、寂しい気持ちが込み上げる。


「私の時もそうだった?」


 フローラが聞いてくる。もちろんの意味を込めて頷くとニコニコしてきた。何でだろう?と思っていると


「マーガレットは家族が減ると思ってる?それは間違いよ!増えるのよ、家族は!」

「えっ?」


 フローラはクスクス笑う。隣でお母様も 良い事言うわね! と褒めている。

 どうゆう意味?って顔をすると


「考えてみて!もともと三人兄妹だけど、今はコンラッド様とアベルが増えたわ!今日からはフローレンス様とも姉妹になるの!ね、増えたでしょ?」


 私は呆気に取られたが、すぐに笑顔になる。

 本当!家族が増えた!


「フローラすごい!住む場所が違うだけで家族って増えるのね!」

「そうだよ。ローラは一人娘だったけど、僕と結婚する事で義妹と義弟、甥っ子まで出来るんだ。彼女と仲良くして欲しいな」

「「まぁ、お兄様素敵!」」

「本当ねー。フレッドじゃ無いみたいだわ!」


 最後にみんな笑顔になった。




 式と披露宴は次期公爵だけあってすごい人数が集まった。私の家族も義家族となる為いろいろな方が挨拶に来て、そろそろ笑顔も疲れたなぁと思ったころ公爵様からの挨拶があり正式にお兄様が公爵家の一員になったと発表された。


「マーガレット」


 名前を呼ばれて振り向くとアラン様が立っていた。

普段と違う姿に思わず照れてしまう。

 アラン様は私の隣に立つと 少し話がしたい。 と囁いたので二人その場を離れた。


 公爵家の庭園の東屋まで誘導され、腰を下ろす。

 どうしたのかな?とアラン様を見れば、暗がりでもわかるほど顔が赤くなっている。


「アラン様!どこか体調がすぐれないのですか?」


 咄嗟に手を出すとその手を握られた。

 心臓の音が鳴る。


「マーガレット、今までは自分に自信が無くて言えなかった。けど、でもそんな事言ってるうちに君が他の男に掻っ攫われるのはもっと嫌だと思った」


 アラン様の真っ直ぐな目線にドキドキが強くなる。

意を決したアラン様は立ち上がると、私の横で片膝をつき


「俺と結婚して欲しい。幸いにも俺は次男でバーロイ家へ入ることも出来る。もちろんマーガレットの背中の傷なんて気にしない!てか、俺にだけは見せて欲しい。ずっと、ずっとマーガレットの事が好きだったんだ・・だからお願い。俺を君の家族にして欲しい」


 私はハラハラと涙が止まらない。

 

「マーガレット、返事は・・」

「私で良いのですか?私と結婚しても男爵ですよ!アラン様ならもっと上の貴族令嬢と一緒になれます!」


  思っても無い言葉が口から出る。

 それでもアラン様はゆっくり頭を横に振ると、


「君としか一緒に居たいと思えない。ずっと、君に恋してた。気付かなかった?」


 今度は私が頭を横に振る。

 もしかしたら!と思った事は何度もあった。

 それでも彼はお兄様の部下で、第二王子殿下の家臣で、将来有望だと言われているのを聞いていた。


 侯爵家からも伯爵家からも話がきていると・・


「男爵家で、良いのですか?」

「・・君がいる所が良いんだ」


 その言葉を聞いて私はアラン様に抱きついた。

思いきり泣きながら


「私もアラン様が良いです!アラン様の家族になりたいです!」


 と答えていた。




 次の日、私とアラン様は家族の前で結婚する意思を伝えた。

 なぜかその場には殿下もいて、


「結婚祝いに王家からも何か出さなきゃだね!」


 と言い残し急いで帰って行った。

 残された私たちは公爵夫妻やお兄様とフローレンス様にもお祝いされた。

 まだ結婚してないのに・・って言いながらも二人嬉しくて笑顔が止まらなかった。

 その中でも少しだけ不機嫌だったお父様も、公爵から貴重なワインをすすめられると笑顔になった。


 アラン様の両親にも結婚の報告をするため、領地へ帰る前日。私たち家族全員が陛下に呼ばれ王宮へ行くことになった。

 謁見室へ通されると、直に両陛下と王太子殿下、第二殿下も入室する。


「此度の件、王太子から聞いた。特にアラン・フロイド。マーガレット・ゾーロイ。コンラッド・フロイド夫妻。そなた達はフローレンス・バルディ公爵令嬢を救ってくれた。バルディ家はその昔から王家に仕える筆頭公爵家。その後継者を助けた事に対し褒美を授ける。王太子」


 名前を呼ばれただけでも驚きなのに褒美なんて!

 私たち四人は頭を下げたままどうしたら良いのか焦ってしまった。


「まずはコンラッド・フロイド夫妻。」

「「はい」」

「二人は五年間王都立ち入り禁止となっていたが、それを解消としこれからは社交シーズン関係なくバルディ家の若夫婦に会いに来れば良い。」


 コンラッド様とフローラはもう何の遠慮も無く王都に来る事が出来るようになった。


「アランとマーガレット。二人は結婚する事が決まったと聞いた。おめでとう。アランがゾーロイ男爵家へ婿入りするのかな?」

「はい。私は爵位を持たない次男ですのでゾーロイ男爵家へ入り、マーガレットと共に盛り立てていこうと思っております。」


 アラン様が答えた。きっと王太子殿下も田舎領地へ引っ込めるのは勿体無いと考えるだろう。

 私は内心申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


「ならば結婚後は二人に新しい領地を授けよう!ゾーロイ領の隣にある伯爵が爵位剥奪で後継者不在で空いているんだ!そこの領地とゾーロイ領を合わせ、君たちがゾーロイ伯爵として継いで欲しい」

「「・・・えっ?」」


 私とアラン様は顔を見合わせる。

 聞き間違い・・では無さそうだ。



「アランが居なくなるのは寂しいが、フレッドが戻ってくるから大丈夫!頑張りなさい!」


 と、声を掛けていただいた。

 男爵家から伯爵家。あまりの事に頭が付いていかなかったけどアラン様が落ち着いていたので、不思議と不安はなかった。






「マーガレット、気が付いたかい?」


 不安そうに私を覗き込む優しい目。

 結婚してからどれだけの歳月が流れただろう。


「アラン様、ごめんなさい。少し無理をしてしまったようです」

「そうだね、お願いだから無茶はしないで。もう一人の身体じゃ無いのだから」


 そう言って私の、少し膨らんだお腹を優しく撫ぜる。

 結婚式を挙げて二年。私は待望の子を妊娠し今はベットの世話になっている。


「アラン様に似た子だと嬉しいです」

「いや、最初はマーガレットに似た子のが良いと思うよ絶対に」

 

 私たちはお互い微笑みあうと、自然とお腹の子を撫ぜる。

 去年お兄様の所に男の子が産まれ、三ヶ月まえにフローラが女の子を産んだ。

 アベルがとても可愛がってくれているのよ!と、手紙が届いたところだ・・


 ゾーロイ領は今も平和です!

子が産まれ、ますます繁栄するのを、私とアラン様は見届けて行く。



 増えて行く家族と共に・・


本編はこれにて終了。

10分後に結婚前のお話を載せます。

七夕なので何となく書いてしまいました!

読んでいただけると嬉しいです!

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