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アハハハハ!
「彼女は来るって言ったんだな!良くやった!さすがだ!欲しいものがあれば言ってくれ!」
ジーク様が侍女の報告を受けて高笑いしている。どうやら思い通りに事が運んだのだろうか、声を聞くだけでも伝わって来た。
あの後、サラ様と引き離された私は目隠しと口に布を噛まされ、部屋の片隅に追いやられていた。
足音が近づいて来る。私は無意識に身体を強張らせるとアゴを持ち上げられると
「良かったなぁ、アンタを助けるためにバルディ公爵令嬢が来てくれる。彼女が手に入ったらアンタも家族の元に帰れるよ!」
「ヴヴヴ・・」
布のせいで上手く喋れないし相手の様子もわからない!悔しくて手からアゴを外す。
すると目隠しを外されパッと目の前が明るくなる!
ヒヒヒ〜ン!!
馬の嘶きと車輪が止まる音が外から聞こえるとジーク様に耳打ちをする男の姿が。
「さぁ、交換するのに大切な人だ!丁重に扱ってくれ!おい、隣の部屋へ案内したか?」
「はい、言われた通り。お嬢様と従者が二名、それ以外は中へは入れていません」
「わかった!行くぞ!」
無理やり立たされると強引に連れて行かれた。
扉を開け中へ入るとフローレンス様はソファーへ腰掛けており、両脇には従者のゾロさんと・・コンラッド様?
私はフォレスト卿の後ろへ立たされるが、例の男に腕を強く掴まれている為に身動きが取れなかった。
「フローレンス嬢、やっと会うことが叶いましたね。ずっと、ずっと貴女に会いたかった」
ジーク様は恋焦がれる男の顔をしているが、フローレンス様は一言も話さない。
ツバの大きな帽子を深く被っているからか、表情も良く見えない。
「フローレンス嬢、こちらへ」
ジーク様が両手を伸ばす。
すると、
「まずはマーガレットをこちらへ」
ん?フローレンス様の声が・・
「その手にはのりませんよ。貴女がこちらへ来なければ、この女の命は保証できませんよ?」
その言葉が終わる前に男は私の首元へナイフを当てた。冷たいナイフの感触が気持ち悪い・・
「それは・・やめた方がよろしいかと。」
ゾロ様が止める。しかしジーク様は私の顔にも、ナイフを当て
「フローレンス嬢は知ってるかい?この女の背中に痣がある事を・・」
ニヤニヤしならがフローレンス様の様子を伺う。
フローレンス様は身動き一つせず、ジーク様の言葉を聞いている。
「顔にも傷が出来たらこの女、どうなりますかね〜」
ナイフを顔にペチペチと当てる。
少しでも動けば顔か首に傷が付く。怒りで身体が震えて来る・・
「それ以上は・・」
ゾロさんが止めるもジーク様は止めない。それどころか私の顔に薄く傷を付けた・・
「「「あっ!!!」」」
三人が同時に声を上げた瞬間
バン!!!
と、天井から二人の男が降りて来た。
その瞬間の事は後から思い出そうとしても、思い出せない。それ程のスピードだったから・・
天井から二人の男が降りて来た瞬間、コンラッド様がフローレンス様を抱き上げると同時に、ゾロさんがフローレンス様へ手を伸ばしたジーク様の顔に拳をお見舞いした。
私はジーク様に後ろへ押し倒された時、男のナイフが首に刺さる瞬間・・一人の男性に抱きしめられていた。
ゆっくり目を開けると私を拘束していた男は一人の男に押さえ付けられており、私を守るように後ろから抱き締めてくれる身体からは嗅ぎ慣れた、優しい香りに涙が溢れてきた。
「お前は誰だ!フローレンス嬢はどうした!!」
ジーク様がフローレンス嬢に向かって怒鳴っている。それもそのはず、相手はフローレンス様の格好をしたフローラだったから。
「お前のようなクズに大事なお嬢様を渡す従者がどこにいる?考えればわかるだろう!」
ジーク様は怒りで震えている。
あとはジーク様を捕らえて終わり!皆がそう思った瞬間、ジーク様はズボンのポケットから小瓶を取り出したと思ったら、液体を口へ運んでいた・・




