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少しですが書き留めた分が出来たので、今日から毎日投稿します!
アラン様との勉強会が終わり屋敷へと戻ると、フローラの姿が見当たらなかった。
近くを通ったメイドに聞いたが
「お知り合いに会いに行かれると・・」
私が出掛けたすぐ後に、フローラも出掛けたらしい。
(王都に知り合い?)
その時思い出したのがコンラッド様だ!
やはり見間違いでは無かったんだ!でもどうして二人で会ってたんだろう・・
部屋へ戻り、今日アラン様に教えて貰った所を復習しているとフローラが帰宅したと連絡が入った。
玄関ホールへ行くと何故かコンラッド様も一緒だった。
「お帰りなさいフローラ。コンラッド様お久しぶりでございますね。今日は・・」
「ああマーガレット久しぶりだね。街でフローラと会って久しぶりだから寄らせてもらったんだ」
そう言って私の側まで来ると
「フローラ程ではないが、君も少しは見られる様になったな」
と、耳元で囁いてきた。
小さな頃からフローラと比べられてはきたが、将来婚姻を結ぶ相手にこうも言われては嫌気がさす。
「兄は一緒では無いのですか?」
「あいつは今日も第二王子殿下と共に視察へ出掛けたよ。あいつも上手い事やったもんだ!ちょっと頭の出来が良いからと生徒会に入ったもんだから、殿下の目に止まって。俺だって・・」
「コンラッド様!」
言葉を制したのはフローラだった。
しかもコンラッド様の腕に自分の腕を絡めて・・
「今日は兄の話は止めて、学園の話を聞かせてくれるのでしょう?マーガレットも一緒に!」
正直アラン様から聞いていたからコンラッド様の話は聞きたく無かったが、このまま帰すとまた何を言われるか分からなかったので執事に応接室へ通すように伝えた。
私はフローラに
「着替えていらっしゃい。その間コンラッド様の相手をしておくから」
と伝えた。
応接室へ行くとコンラッド様はソファーに深く腰掛けて、メイドに何か囁いていた。
メイドは困ったようにお茶を置くと私の気配に安堵し
「失礼致しました」
と、部屋から出て行った。
彼女は私たちが学園へ合格したら領地へ戻り、婚約者と結婚する事が決まっている。
早めに領地へ戻すよう執事に伝えよう。
「コンラッド様、男手の無い屋敷への訪問は前もって連絡を頂きたく」
「君は昔から固いね!ここは田舎の領地ではないんだ。それに、俺を誘ったのはフローラだ!でなきゃ来なかったよ!」
「それは・・申し訳ありませんでした。フローラには言って聞かせます。」
「・・それよりも、アランには会ったか?」
一瞬ギクッとした。今日会っていた事がバレたのかと思い咄嗟に
「いいえ、まだ・・」
と答えた。
コンラッド様は何故か眉間にシワを寄せて
「あいつも次男のくせに殿下から声が掛かり、三年から生徒会に入りやがる。この兄を差し置いて!な!」
それだけアラン様が優秀って事では?
兄なら爵位が継げない弟が将来の道を見つけたなら喜ぶ筈なのに・・
「喜ばしい事ですわね」
「!!!」
私の言葉に明らかな怒りの目で見てきた。かと思うと目の前に置いてあったカップを投げてきた。幸い外れて床に落ちたから良かったが、当たっていたら流血ものだ。
いくら将来婚姻を結ぶ相手だと言ってもまだ結んではいない。
いくらなんでも態度が酷過ぎる。
きっと顔にでていたのだろう
「本当にマーガレットは可愛げが無い女だな!フローラだったらもっと俺を慰める言葉が出るだろうよ!」
「慰めて頂きたいのですか?」
バンッ!!とテーブルを叩く。
そこへちょうどフローラが応接室へと入って来て、コンラッド様の隣へ座ると、
「マーガレット、コンラッド様に何を言ったの?コンラッド様もお怒りを鎮めて?先程のお店で買ったケーキを食べましょう」
私もコンラッド様もケーキどころでは無かったが、フローラが買ってきたケーキが気になりそのまま席に座っていた。