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 お兄様とフローレンス様の婚約の日が決まった。

 お兄様はその日を境に公爵家に入り閣下の元、公爵家の仕事をフローレンス様と学ぶ事になった。

 私と同じ歳のフローレンス様は学園生活が残り二年あるが、マーガレットさんみたいに頑張って飛び級で卒業する!!と意気込んでいる。


(ちなみにお兄様からも、時々で良いから勉強を見て欲しいと頼まれている)

 

 殿下もお兄様がいずれ離れる事を考えていたと、今はお兄様と共にアラン様をしごいている。


 私はお兄様にお願いして学園へ問い合わせて貰い、飛び級で卒業する事が出来た。

 本当に勉強を頑張って良かったと思った瞬間で、 なんとアラン様と一緒に卒業した私は妃殿下付きにと推薦された。が・・


「妹は私の代わりに子爵位を継ぐ事になりました。よって父の元で領地の経営を学ぶためそのお話は・・」


 とお兄様が断ってくれた。


 内心、王宮勤めとなればアラン様の近くにいられるかな?と考えたのは・・内緒。


 そして我が家は、いくらお兄様が婿入りすると言っても相手は公爵家。それなりの準備は必要で私はお母様と準備に飛び回っている。

 公爵家のたっての願い!との事で公爵家からの結納金も半端なく、お父様もお母様も声にならない悲鳴をあげていた。

 もちろん私もだけどね!


 (それにしてもフローレンス様、相変わらず綺麗な方だったなぁ。お兄様も悪くは無いけど並ぶと霞んじゃうよ)


「いくら妹でもそれは酷くない?兄は悲しいよ」

「えっ?お兄様いつお戻りに?」


 王宮にいるもんだと思っていたのに、いつの間に王都の屋敷に帰って来たのか・・

 言い忘れたけど公爵家と婚約を結ぶと決まった時、使われずにそのままだった公爵家所有の屋敷を譲って頂けた。

 結婚したらこちらで暮らすらしく、その準備に来ていたのだ。忘れてたけど・・


「貴方の部屋はこのくらいでどうかしら?二人の共有スペースや一階部分は公爵夫人の手をお借りしてね。私たちでは分からないから」


 お母様はそう言うとチェックを始めた。

 フローレンス様は結婚後に引っ越して来られるけど、お兄様は住める様になれば直ぐにでも住みたい!と言っていた。

 準備が進むにつれ (お兄様とは会えなくなるのかな?寂しいなぁ) と、感傷的になってしまう。


 お兄様は今日は仕事が終わったからと言って、夜の食事を共にした。


 食事も終わり三人で食後のお茶を飲んでいた時、


「領地の父から手紙が届きました。母上、読みますか?」


 一枚の封筒を取り出した。

 お母様は少し考えて、


「フレッド読んでくれる?」


 お兄様は頷き手紙をめくる。


[皆元気に過ごしているかい?フレッドの準備は順調に進んでいるかな?必要な物があれば遠慮なく言って欲しい。

 先日、フローラが出産したとフロイド子爵から手紙が届いた。

 元気な男の子でフローラも元気だそうだ。

 ただ、どちらにも似ていない容姿で驚いている。

そちらの先代、先先代で黒髪、茶色目の方はいたか?と書かれていたが、我が家にもいない色だ。

 コンラッドくんとフローラは何も言わないそうだ。


 フレッド、何か知っているか?

 マーガレットにも聞いて欲しい。      ]


 


 黒髪に茶色の目?

 お兄様を見ると怒りで目が、身体が震えている。

 お母様もそんなお兄様に何か気付いたようで、


「フレッド、何か思い当たる事があるの?私たちに言わなくても良いけれど、お父様にはお知らせしてね」

「・・・はい」


 その後お兄様は 父上に返事を書くから。 と言って部屋へと行ってしまった。

 お母様は何も言わずお茶を飲んでいたが、 今日は疲れたわね! と部屋に戻ったため私も自室へ戻った。



 二日後、私はお兄様の用事で王宮へと来ていた。

 お父様の手紙の事をアラン様に聞いて欲しい、少しでも時間があれば会いたい。

 そんな思いを抱えながら、門でお兄様が出て来るのを待っていると、


「マーガレット!フレッドさんに頼まれて迎えに来たよ。一緒に行こう」


 アラン様だった。

 



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