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 領地に到着すると、


「急で申し訳ないけれど明後日、フロイド領へと向かうわ」


 と、母から言われた。

 それは構わないけど・・と、フローラがいない事に気付いた。


「フローラは今、フロイド領にいるわ。訳はお父様が帰宅したらね。貴女の話も聞きたいし」


 お父様が帰られるまで部屋で休みなさい。


 そう言われ、私は懐かしい自分の部屋へと向かった。


 


「フローラからはマーガレットに嫌がらせを受けていた。と聞かされたが、私たちはそう思ってはいない。学園で何があったんだい?」


 お父様が帰宅し、久しぶりに一緒に食事を摂っていた。私は学園での事を隠さず正直に話した。

 両親は黙って聞いていたが、最後に深い溜息を吐くと、


「フレッドからも聞いている。マーガレットの話はフレッドからの報告と一緒だな。」

「ええ、どちらも我が子だから疑いたくは無かったけど、今回はフローラの言う事が間違っているわね」


 両親に信じて貰えたことが嬉しくて、いつの間にか泣いていた。

 母は私の側にきて抱きしめてくれながら


「でも、フローラの事も心配だわ。夢見がちな所はあったけど・・人を貶める子では無かったのに・・」


 明日は一日ゆっくりして、一緒にフロイド領へと行きましょう。


 部屋へ戻ると久しぶりにホッとしたのか、翌日の昼近くまで寝てしまっていた。




 「お嬢様、マーガレットお嬢様。起きていらっしゃいますか?」


 その声で目覚めた私は、慌てて扉を開けた。


「ごめんなさい、今まで寝てたわ。」


 そうメイドに言えば、


「本当はもう少し寝かせておいて。と奥様に言われたのですが・・フレッド様とアラン様がお見えになられてて」

「えっ?!お兄様とアラン様が!」


 急いで身支度を済ませ応接室へと向かうと、二人はゆったりとソファーに腰掛けていた。

 長旅で疲れたのだろう、そう思ったら


「お二人は宿に泊まらず、そのまま馬車の中でお休みになられたそうですよ。」


 ビックリだった。

 私が扉の外で話しているのに気付いたアラン様が、


「マーガレット無事かい?突然押し掛けて申し訳ない。フレッドさんがこちらに来ると言うから一緒に来てしまった」

「はい、私は大丈夫です。お二人の方がお疲れでは?」


 私の無事を確認して安心した様子だったアラン様。

 きっと学園でも私の噂でいっぱいだろう。

 ソファーに腰掛けた私は、馬車の中で考えていた事を兄に聞いた。


 「それが出来るか直ぐに調べるように伝えるよ!マーガレットなら大丈夫だと思うけどね!」


 そう言うと同時に紙に何かを書き込み、鳩の足に付いている筒へ入れると空へ離した。

 鳩は上空でクルクルと旋回し王都の方へと飛んで行った。


「僕たちが帰るまでには返事が来ると思う。王都へ出発する前に間に合うと良いけど」


 明日まで時間が出来たため、久しぶりに三人で領地を見て回る事にした。

 お兄様と私は馬車で。アラン様は馬で移動する事になり、馬と戯れるアラン様を見て


「久しぶりに見るアランの乗馬姿に見惚れてるね」

「!?!」


 またも心の中を読まれてしまった。

 隠してたつもりだったけど・・


「お兄様・・私コンラッド様とは結婚出来ません。前までは両家が良くなるならと思っていましたが・・」


 お兄様は黙って私の話を聞いてくれている。

 でもきっと、私の気持ちなんてお見通しなんだろう。だけど言いたい。

 お兄様なら分かってくれる!


「でも、自分の本当の気持ちに気付いてしまって」

「アランには伝えたの?」


 下を向いていた私をお兄様は真っ直ぐ見ていた。

 私はゆっくり顔を上げ、お兄様の顔を見た。


「まだ・・です・・」

「お互いの気持ちが先じゃ無いの?」


 お兄様はクスクス笑っている。

 私は顔を真っ赤にしながら  そうですよね・・ と答えた。


「実は僕からも話があってね、マーガレットにも関わる話だから夜にでも家族で話そう!」


 私は頷くとまた、窓から外を眺めた。

 馬と一緒に駆けているアラン様を眩しげに見ながら、馬車は領内の農場へと向かった。



 領内の様子は両親の力もあって、とても栄えていた。今年もきっと豊作だろう!と、兄が言えば


「そう言えば!」


 と、父が何かを思い出したように言った。


「明日フロイド領へと向かうが、あちらも一足先に豊作祭を行うと手紙が届いた。」


 フローラが何故フロイド領へと行っているのか?

 きっと両親には伝わっていると思うけど、お兄様と私に伝えないのには訳があるのかな?

 もしかしたら夜に話があるのかな?

 色々考えている内に、屋敷へと帰る事になった。


 


フローラ

フレッド

フロイド領

フレドリック


フから始まる名前が多かった事に今更ですが気付きました・・


名前を考えるのって難しいです。

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