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11 フローラ

 何を間違えたのだろう?


 私はただ夢を見ただけなのに・・


 何故、私がこんな目に遭ってしまったのか・・


「そうよ、悪いのは全部コンラッド様のせいよ」



 学園の入試の前にコンラッド様が我が屋敷へとやって来た。ちょうど兄様もマーガレットも留守で私が対応したんだわ。

 コンラッド様は王都へ来たせいか、領地にいる時よりも垢抜けていてカッコよかった。

 元々叔母さまに似て綺麗な顔立ちをしていたから、


「フローラ、時間があるなら一緒に出掛け無いかい?屋敷にずっといても、息が詰まるだろ?」


 誰も相手にしてくれなくて、退屈してた所だったから喜んでついて行った。

 

「うわぁぁ、綺麗!見た事の無い花ばかりだわ!」


 屋敷からさほど離れていない公園だったけど、綺麗に整備されていて領地では見られない花々が咲き乱れていた。


 その日を境に、マーガレットに隠れるようにコンラッド様と会った。

 色々な所に連れて行ってもらい、時にはパーティーにもエスコートしてくれた。

 まるで、私がコンラッド様の婚約者みたいに・・


 マーガレットは何が楽しいのか放課後は生徒会室へ行っていて、私とは屋敷で会うくらい。

 お互い教室も別だったから、特に不自由も無かったけど・・

 ある日マーガレットとアラン様が一緒に歩いている所を見た時、


「私がこのままコンラッド様の婚約者になっても・・」


 と、思ってしまった。そんなある日・・



「フローラ、今度私と一緒に仮面パーティーに参加しないか?」


 と、コンラッド様に誘われた。

 さすがに仮面パーティーは・・と断ったが、


「テリー侯爵子息は知っているかい?そこの屋敷でやるんだ!大丈夫、今回も私がエスコートするから」


 優しく言われ、しかも侯爵家の子息と親しくなれるかも!と思ったらすぐ返事をしていた。


 それが間違いだった・・

 侯爵子息のフレドリック様に紹介して貰った所までは覚えている。

 でも・・



 目が覚めたらベッドの上で裸で横たわっていた。

 恐る恐る隣を見れば、そこに居たのは同じように裸で寝ているフレドリック様だった。


 私が震えていると、目を覚ましたフレドリック様が身体を起こし


「俺が望んだ方じゃ無かったけど、君のこと気に入っちゃった!爵位的に妻には出来ないけど、愛人にしてあげる!」


 私は訳が分からずその場から逃げようとしたけど、震える身体では無理でまた捕まってしまった。


「そこからはもう、脅された様なものね。コンラッド様はフレドリック様に逆らえないようだったし」


 身体を何回か重ねるうちに、月の物が遅れている事に気付いた私は主治医では無く街医者を訪ねた。


「おめでとうございます。懐妊されていますね」


 地獄だった・・

 断れなかった自分も悪いが、私を生贄のように差し出したコンラッド様にも腹が立った。


 だからあの日、コンラッド様に頼んでフレドリック様の元を訪ねた。

 子供の事を伝えて責任を取って貰おうと思ったから・・なのに返ってきた言葉は


「本気で言ってるの?君、自分の身分を分かってる?

それに俺結婚するんだ、相手は同じ侯爵家。ねぇ、フローラ、君も楽しんだだろ?良い子だから俺を困らせないでね」


 その後は何も覚えていない。

 ただコンラッド様に責任を取れ!じゃないと領地の両親に話す!と・・


 学園に行けなくなると思ったら、何も知らないマーガレットが憎くなった。

 途中で気分が悪くなり立ち寄った店で、口の軽い令嬢たちに会った。

 私の様子を心配そうに声を掛けて来たから、少し演技をして言った。


「マーガレットが私とコンラッド様の仲を割こうとしている。仮面パーティーに参加しているのを私に知られ、脅されている」と・・


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