第二章 心配だったから
紗奈さんとのアニマルセ⚫︎クス探検の翌日月曜日。私は登校してまず、エイミーの姿を探す。
教室に入ると、既に登校していた彼女はクラスメイトとお話ししているようだった。
あれから露出癖を公言する様になった彼女は、以前通りとは言わないが、平穏に学校生活を送れる様になった。まあそれも表面上の話で、今彼女の周りにいる人達が、水面下で何を思っているかを推し量る事は難しいのだけど。
「エイミー」
私は出入り口から真っ直ぐ彼女の元へ行き、声を掛ける。
「あ、ケーコちゃんおはよ……ってちょちょっ⁈なに⁈」
私はエイミーの挨拶を途中で遮り、腕を掴んで教室の外へと引っ張り出した。
「どしたんどしたんケーコちゃん、なんかあった感じ?大丈夫そ?」
「ちょっと来て」
そのまま一階の女子トイレへとエイミーを連れ込み、個室の中に二人で入る。此処は最近のエイミーが私に下着を見せる時に利用している場所の一つだ。
「えっちょ、なに?いきなり……あたしまだなんも……」
彼女から私を此処に誘う事はあっても、私からというのは今までに一度もなかった。故に今彼女は困惑しているのだろう。しかし、この時の私は妙な焦りで少し気が動転していた。原因は勿論昨日の紗奈さんとの話だ。
「見せて」
「はい?」
「見せて」
「な、なに……?え?」
「エイミーの、見せて」
「ちょちょちょちょっ……!」
私は返事も待たずにエイミーのスカートを掴み、勢いよく捲り上げる。
「〜ッ!!!」
声にならない悲鳴を上げ、為されるがままにスカートの下を露わされた彼女は頬を赤く染めて、【そこ】を手で覆い隠す。
「手ぇどけて」
「え……ええ……?」
「いいから」
「は、はひぃ……」
私の言葉に、恐る恐る手を退けて、私の腕を掴んだ彼女の下半身は、何故か何も身に付けていなかった。
「なんで履いてないの?」
そこから一ミリも視線を動かさずに、彼女に問い掛ける。
「え……えっと……ケーコちゃんに見て欲しくて……」
「毛、剃ったの?前はあったよね?」
「う……うん。き、昨日……」
「そう」
問答の最中に、段々と息を荒げる彼女の【そこ】から、トロリと蜜が滴り始める。
やはり興奮しているのだ、エイミーは。
これを視認する誰かが必要なのだ、エイミーには。
では、それは誰なのか?
今は私しかいない。
「これ、他の人に見せてないよね?」
「み、見せないよ!見せるわけないじゃん!」
「そう、なら良いよ」
私はスカートから手を離して、視線を彼女のその宝石の様な碧い目に向けた後、耳元に顔を近づけてこう言ってやった。
「絶対他の人に見せたらダメだからね」
「は、は、は……はぃ……」
気の抜けた様な返事をした彼女は、足腰の力が入らないのか。そのままペタンと便器に腰掛けてしまった。
よし、これで夜間の往来での露出も未然に防げるだろう。多分。もしどうしても必要なら私の監督下でやる事を念頭に置いた方がいいかも知れない。とにかく、私の預かり知らぬ所で勝手に露出行為を働いて警察沙汰になるのだけは避けなければならない。
その後、何故かエイミーは私にベッタリで、休み時間の度に腕にしがみついて来て離れなかった。なんなんだ一体。鬱陶しい。
「えへへぇ……」
粘着きを帯びてるが、なんだか嬉しそうな顔してるから、まあいいかな。