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月の円盤
●4年のブランクを感じさせない、安定した実力を感じられるアルバム。
【収録曲】
1.卵
2.小さな哲学
3.シュート
4.ルノの子
5.プールサイドヒーローズ
6.ツキノフォン
7.夏の金網
約4年振りとなる藍坊主のミニアルバム。ドラマー・渡辺拓郎が脱退して3人編成になったという事情もあってか、前作から随分間を空けてのリリースとなりました。
とはいえ、作風自体にさほど変化はありません。先行シングルである『プールサイドヒーローズ』『夏の金網』に対しては良くも悪くも「爽やかさを強調させたベタなギターロック」というイメージがあったのですが、アルバム曲に関しては、奇妙なメロディに乗せて抽象的な歌詞を聴かせる『シュート』や幻想的に響かせる『ルノの子』、しっぽりとした雰囲気が漂う『ツキノフォン』と結構バリエーションがあり、一つの作品として上手くバランスが取れているように思えます。全体的に見て彼らならではの「決め手」に欠ける点は否定できないものの、20年以上のキャリアを持つバンドらしい、安定した実力を感じられるアルバムと言えるでしょう。
評価:★★★★