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第752話

「さて邪魔者もいなくなったところで本題に入ろうか」

「むむっ!」「・・・よかろう」「・・・・」「まあ良いでしょう」「ふむ」


ドモンはドレスの上から羽織っていたレースで出来たカーディガンのようなものを脱ぎ椅子に腰掛け、右足をピンと高く掲げてから脚を組んで、自分の大きな胸の下で腕を組んだ。たゆんと揺れる胸。

見るなと言われても男ならどうしても目が行ってしまう動きである。


「さっき言ってた条件の話なんだけどさ・・・フゥ暑いなこの部屋は」胸元をパタパタとパタつかせるドモン。

「フン!料理の次はわかりやすい色仕掛けか」「そんなものに惑わされるはずなかろう」

「普通の女ならな。今お前らの前にいる女は誰だと思ってんだよ。ナナだぞ。普通に生きていたら、一生に一度お目にかかれるかどうかのこの爆乳にこの巨尻だぜ?」ドモンは左胸を左手で持ち上げつつ、スパンと右手で自分の尻を叩いた。

「そ、それでもあのような条件を飲むことは出来ぬ!」「そうだ」「そうだそうだ!」


こんな色仕掛けに引っかかって国益を減らしたとあっては、自分だけではなく、家族や関係者、国民にも申し訳が立たないし、何より命の危険すらある。

それは当然のこと。


「こんな機会はもう二度とないんだぞ?それでも良いのか?」

「当たり前だ!」「馬鹿にするな!」「この先機会があるかも知れぬではないか!」


約一名、心が揺らいだ。ドモンはそれを見逃さない。

その瞬間、給仕をしていた侍女も退室させた。


「いいやもうないね。この身体の女がだ。中身がお前らと同じ男だなんてことは、絶対にもう二度とない」

「・・・どういうことだ」「??」「何の話をしている」

「実際の女には絶対に頼めないことも、今だけは頼めるってことだ。これがどういう事か分かるだろ?お前らの趣向、密かに持っていた願望・・・俺はそれを受け止められる。お前らと同じ男だからな」

「・・・」「・・・」「・・・」「・・・」「・・・」「・・・」

「あの時やっておけば良かったと思ったこと、今の今までずっと思い描いていたお前のオカズをだぜ?・・・分かるよなこの意味」


ゴクリと唾を飲んだ数名。

男には分かる。男だから分かる。

それはほんの些細なことなのだ。


放課後の文化祭の準備の時、同級生のパンツを見た。

胸の大きな人とすれ違いざまに肘がぶつかった。

前かがみになって荷物を持とうとしている奥さんの、下着の中身の胸の先っぽが一瞬だけ見えた。


女から見て本当にくだらない、そんな些細なことを、男は何年経っても、いくつになっても忘れない。

恋人や妻の裸をいくらでも見ることが出来たとしても、その思い出は色褪せず、死ぬまで心に刻まれる。


しかも実際に経験はなくても、それをしてみたいという願望だけで妄想が独り歩きする。それが男という生き物。


それを恋人や妻に言ったところで「何をバカなこと言ってるの?」でまず終わる。

絶対にわかってはくれないことを知っているから言わない。なので延々とその欲望が溜まり続けるのだ。


「本当にスケベをするのは勘弁してくれよ?中身は男なんだからさ。スッキリさせるのも勘弁。部屋でひとりでやってくれ。だが他の願望ならいくらでも叶えてやるよ。この豊満な身体でだ」

「・・・」「・・・」「・・・フゥ」「・・・」「く・・・」「・・・」


「見ろよこのワキ汗。デカい胸とムチムチで柔らかい二の腕のせいでじっとり汗かいて、いやらしいメスの香りがプンプンと・・・これに鼻をくっつけて思う存分嗅いでもいいし、要望があるなら思いっきり顔を挟んでもやるぜ?ただし俺の言った条件が飲める先着ひとりのみな。しかも賠償金も十分の一の金貨1万枚でいい」

「・・・・」「そんな・・ことを言われてもな」「ああ」


下品。男性への誘い方が、女性では絶対に考えられないような下品さ。

大人向けのスケベな漫画も、こういった下品さで作者が男性か女性かがわかる。


「さあどうする?今やらなければ今までのように、あの時やっておけば良かったと一生後悔するぞ。残り5秒で賠償金額は元の10万枚だ。5!4!3・・・」

「ま、待て!舐めて・・・ワキは舐めてもよいのだな?」ダン!と勢いよくテーブルを叩いて一人の男がついに立ち上がった。


「フフフいいぜ。ただしくすぐったいから一分以内にしてくれよ?あとこいつ普段肉食だから、汗かいた時はワキガってほどじゃないけど、なかなか香ばしい臭いが・・・」

「大歓迎だ。むしろそうではないのが少し残念なくらいぞ?」

「イイ趣味してるぜタハハ。ほらさっさと調印済ませちまえ。みっちりワキを閉じて、臭いと汗を溜め込んでおいてやるからよ」


ざわざわと他の男達が顔を合わせ、先を越されて後悔した顔や羨ましそうな顔、困惑した顔や悩んでいる顔を見せている。

サインを書いた書類に国王もサインをし、ドンと印も押して終了。

それと同時に、椅子に腰掛けてるその男性に、ラリアットをするような格好で「ほれ」と顔を腋の下に挟んで、そのまま頭にドモンは腕を巻き付けた。必然的に大きな胸も男性の顔の半分に押し当てられる。


「フガッ!スゥハァ・・・あぁ生きててよがっだぁ~私は生涯これを、絶っ対に忘れぬぞフハハハ!絶対にだ!いやもう死んだっていい。酸っぱ臭い中に今までで一番の女の香りが混ざっていて、いやぁたまらんたまらんけしからん」

「おい、ナナ本人が聞いたら泣くぞそれ。絶対言うなよ?あんた達も他言無用で頼むぞ」ドモンは左手一本でヤレヤレのポーズ。


「無論こんな事はドモン殿だからこそ言えるし頼めたのだよ。ああもう頭の中が蕩けるようだ。下半身はこんなにもいきり立っているというのに」

「そっちの面倒は見ねぇからな!さあそろそろおしまいだ」

「あぁもう十分だ。感謝するぞ、ドモン殿。私は生涯これを忘れない。そしてこのおかげで生涯現役でいられるだろうフハハハハ」


本当に女性には見せられない。まさに『男とはこういう生き物』であるとしか言いようがない情けない姿。

だがこれが男の生きる原動力。性欲が全てと言っても過言ではない。


全ては子孫を残すためのオスの本能である。その為なら働けるし命も懸けられる。


「・・・私は上の下着だけを外した状態で、服を着たまま羽交い締めをしてもらえないだろうか?騎士学校に通い始めたばかりの頃、夜中仲間と口論の末殴り合いの喧嘩となり、それを聞きつけた女性の教官が、寝衣のまま私を羽交い締めにして喧嘩を止めたのだ。その時の背中に当たった胸の感触が、40年経った今でも忘れられぬのだよ」と別の男。

「ハハハ理由なんか知らねぇよ。とにかく後ろから羽交い締めにすりゃ良いんだな?あと賠償金はもう金貨10万枚だけど・・・」

「構わん。ただ羽交い締めする時に『やめなさいダグラス!』と叱って貰えぬだろうか?」

「はいよ任せな。お前もジダバタ暴れて、たっぷり背中を胸に押し付けるといいさ」


またひとり悪魔との契約を済ませた。とても嬉しそうな顔で。

こうなればもうあとは時間の問題。もし自分だけが何も経験できずに終われば、後悔どころの話ではなくなるのが目に見えているからだ。


「俺は顔の上に座って欲しいのだが」

「下着は?脱ぐとなったら、流石に俺も躊躇せざる得ないというか・・・」

「着けたままでいい。ただし7割ほどお尻に食い込ませる形で、出来れば豪快なやつを一発見舞ってくれれば最高だ」

「出るかな・・・変に踏ん張ると違うのが出てしまう可能性があるぞ?女の身体の加減がわからねぇんだよ」

「構わないさ。俺は人間やめたただの椅子なんだから」


葉巻を咥え、格好良くウインクをしてみせた伊達男。

ただし言っていることは当然最低。謎すぎるこだわり。


「私はその豊満な胸の間に顔を挟んでいただきたい!」

「あぁぱふぱふね。了解」

「待て!私が先だ!」「いや俺だろう!俺は膝枕で授乳を・・・」


こうして後世歴史に残る、あまりにも一方的過ぎる『悪魔の契約』と呼ばれた条約が結ばれた。

なぜそのように一方的なものになったのか、数百年後の世界の七不思議になったが、その秘密を知る者はもう誰もいない。



思いの外長文になってしまい、更新遅れてしまった。こんな内容だというのに(笑)

これも実際に昔フェチバーで話した内容ほぼそのまんま。むしろかなりソフトに書いている。


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