第699話
「ちょ、ちょっと待ちなさいってば!ドモンなんとかして!」慌てるナナ。
「いいや、このままでは示しがつかぬ」「残念ではあるが仕方あるまい」剣を振り上げる近衛兵。
「ひぃぃぃ」「おかあちゃんを助けてドモン様!」「オラが悪いんだべ?!オラだけ死ねばいいべな!」トロール達は阿鼻叫喚。
その瞬間、ドモンは尻もちをついたサンを手で引き起こし、スカートの中に手を突っ込んでサンのパンツを下した。
一瞬の沈黙。止まる時間。
この日は魔王との謁見があるということで、サンは少しだけ張り切って、ドモンから貰った向こうの世界の膝上10センチのミニスカートを穿いていた。
皆に可愛いだの素敵だのといつでも大好評のサン自慢の一着だが、実際はトンキでドモンが買ってきた女子高生制服コスプレ衣装である。
「きゃあ」とサンは思わず両手で濡れたスカートの股の辺りを抑えて前かがみになったが、そのせいで白い可愛いお尻が見え隠れ。
斜め後ろで正座をして死を覚悟していたトロールの男の子は、サンの見てはいけない部分を目の前でしっかり拝んでしまい、死を覚悟していたはずなのについ表情を崩した。
「突然何をなさるのですドモン様!」シンシアはサンが可哀想な気持ちと、少しだけ嫉妬心が芽生えた。
「良かったなサン、水で流してもらって。ほらサンからも女の子にお礼を言って」と素知らぬ顔のドモン。
「え?え?え?!あ、ありがとうございます??」訳がわからない状態でお礼を言ったサン。
「おしっこ漏らした臭いが酷かったから、水をかけてもらえて大正解だ。周りのみんなも気づいてたと思うぞ?なんか臭いなぁって」
「ふぇっ!そ、そんな・・・うぅ、少しだけでしたので下着が吸い込んでくれると思ったんです・・・ニオイも・・・皆さん、ご迷惑をおかけしてごめんなさい。そしてキレイにしてくれてありがとう。謁見の場で御主人様に恥をかかせることにならずに済みました。あなたのおかげです。さあ立ってください」
笑顔で目に涙を浮かべながら、水をかけてしまったトロールの女の子に両手を差し伸べるサン。
同じく目に涙を浮かべ、笑顔を見せた女の子が「そんなことね!そんなことねぇだよウッウッウ・・・ほんにサン様は天使様みたいだべな」と立ち上がった。
ドモンは「あら?本当に漏らしてたのかよククク」と呟き、タバコに火をつける。
「さあこれで文句はないだろう。それともまだ臭うか、直接嗅いで確かめてみるか?」と近衛兵達を牽制するドモン。
「あ、いやそんな」「我々もそんなつもりでは」
「いいから遠慮すんなって。そらっ!」
「だ、だめぇ御主人様!イヤァ!」
サンの両膝を後ろから抱え、いわゆるM字開脚と呼ばれるポーズで抱え上げたドモン。
脚をバタバタと暴れさせ抵抗したがそれもむなしく、サンの大事な部分は鎧を着た近衛兵の顔の目の前に。
困惑する近衛兵と、全てを諦めてケタケタと泣き笑いを始めたサン。
危うくサンの自我も崩壊しかけたそんな時、「お待ちになって!」と城から一人の綺麗な女性が駆け寄ってきた。
後ろにはその女性を止めようと必死に追いかける別の近衛兵達。
「ようやくお出ましってとこか。どうもおかしいと思ってたんだっ!よっ?!イッテェ~」そっとサンをその場に下した瞬間、ナナに頭を二発引っ叩かれたドモン。
「なーにがようやくお出ましよ!サンがおかしくなっちゃったじゃない!どうしてくれるの!!」
「えへぇ~ヒヒヒ・・・」「しっかりなさいサン!ほら脚を閉じて。仕方のない子ですこと」
怒るナナとサンを窘めるシンシア。
ドモンと同じく、シンシアも一連のことには何らかの違和を感じており、途中から口を出さずに様子を見ていた。
普段のドモンなら、流石にサンにここまでの暴挙を行わないからだ。
「サンが辱められるのを止めに来たってことは、あんたが指図したのか?これ全部。自分のせいで大変なことになったと思って飛び出してきたと」とドモン。
「・・・全てではありませんが、確かにそうです。ただそちらの子が水をかけてしまいましたのは、本当の本当に偶然なのです。それを利用させていただこうと・・・ですがあなたの存在に気圧されたのか、兵達もついやりすぎてしまったようで」
「それで俺がどうするのかを見て、どんな奴なのか見極めようとしたってとこか?」
「えぇ・・・全てお見通しですねキャッ!!痛いっ!!」
会話の途中でドモンに頭を叩かれた美女。
突然のことにしばし呆然とした表情を見せた後、美女はポロポロと涙を流し泣き始めた。
「痛いじゃねーよ、てめぇは!お前の下らねぇ策のせいで、こいつらがどれだけ心に傷を負ったと思ってんだ!バカヤローが!!」美女を叱りながら、そばに寄ってきていたトロールの子供らの頭を、順番にポンポンと撫でたドモン。
「だって!私、少しだけ怒らせてみましょうって言っただけで、まさかあんな事になるだなんて思・・・痛いっ!!うぅまたぶった!」もう一発叩かれ、美女は自分の頭を抑えた。
「大体お前は何者だ。命令したってことは偉い奴なんだよな?立場が上の偉い奴が馬鹿だと、泣きを見るのはいつも子供なんだよ。覚えとけクソが!」
「うぅぅ確かにそうです・・・私もそんな不幸な子供達を見てきたというのに、それを私がしてしまうなんて・・・ごめんなさい。皆さんもごめんなさい」
ドモンらやトロール達に泣きながらペコペコと謝る美女。
ドモンはフンッと鼻からタバコの煙を一度出し、空に向かってパーンとタバコの火を弾いて消した。
「いいだよいいだよ、魔王様のことを思ってのことだったんだべな」「泣かないでくんろ」
「オラが悪かったんだ。サン様に水なんて引っ掛けちまって」
「ああなっても仕方ないべな。白雪様は悪くねぇだ」
トロール達の言葉で、「え?」と目を見合わせるドモンら。
「白雪さんって前にドモンさんが言ってた・・・」とアーサー。
「あ、あぁ・・・じゃあ後でアップルパイでも作ってやるか。毒なしのな」
「???」「???」「???」「???」
ドモン達は近衛兵と白雪様と呼ばれる美女と共に、魔王の城に入城した。
ケーコにPCを買ってもらったものの、パスワードだのなんだのは全て前のPCのHDDの中。
PC買う前、メモリがいかれたPCで何度も立ち上げようとして、HDDまでピーンピーンと異音を立て始めて無事死亡。
素直に新しいPCにHDD移植すりゃ良かったのに・・・
外付けで動いたり動かなかったりのHDDの中から、なんとかパスだのなんだののデータを吸い出してようやくログイン出来たのがついさっき。
ちなみに画像動画保存用のドライブだけを破壊し、ケーコ含む全員が落胆。
それはともかく、何とか前のWindowsでPCを立ち上げたい(今のSSDのPCに移植したい)と奮闘中。
そうしないとメアド設定から何からわからないから、月初めのいろんな連絡取れずに大ピンチ。
そんな中で続きを書いている状況なので、更新遅くなって申し訳ない。