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第695話

再度出発してから三日。

ドモン達の安全を考慮してゆっくりと進んでいるため、最下層の魔王の城まではまだもう少しかかりそう。

それまでその途中途中で休憩する度に、様々な魔物と交流しドモンは関係を深めていった。


「なんかアーサー達が言ってた魔王城攻略と随分話が違うなぁ」

「そりゃそうだろうね。洞窟探索とか攻略じゃなくて、接待みたいなもんだし」


アルラウネと呼ばれる植物の女性の精霊達にマッサージを受けながら、天国気分を味わっているドモンとアーサーと大魔法使い。

始めは勇者達にマッサージすることを渋っていたアルラウネらだったが、ドモンが恩人だからと頼み込んで、同じような施しを受けることになった。


ちなみに植物の精霊とは言ったものの、肌が薄っすら緑がかって見えるのと、頭に花飾りのような花がひとつ付いているだけで、見た目はただの美少女。花も実は取り外しが可能で、ポンと外して見せてドモンを笑わせた。

ただし以前アーサー達が攻め込んだ時は普段の姿は見せず、大きな植物の格好で太いツルを勇者達の足に巻き付け、その行く手を阻んだこともある。


女性陣は別室にて、草と花で出来た良い香りの柔らかなベッドに横になり、蜂蜜と特別な樹液を混ぜた肌に良いローションを全身に塗られていた。

ひとりにつき5人ものアルラウネが付き、両手両足の爪を磨いたり、頭と体のマッサージや痩身やバストアップのマッサージを行う。


「ほわぁ・・・ヨダレ出ちゃった・・・でも気を抜いたらおしっこも出ちゃいそうなくらい・・・体の力が抜けて・・・ふぁぁ」半目のまま白目を剥いて、仰向けでヨダレを垂らした裸のナナ。

「それはお気になさらずに。すぐに吸収致しますし、なんでしたらはっきり言ってしまうと、それも私達の養分となりますので」


アルラウネはさも当然といった顔で答えた。

本来であればそのまま獲物である人間も吸収してしまう能力もあるが、当然今はそんなことはしない。


「どうか我慢はなさらずに。お連れ様も皆様そうしてらっしゃいますから」

「奥しゃまぁ~・・・何もかも身を任せれ、全部解放しちゃったら気持ちい~でしゅよ~・・・サンはもう次で五回目でし」

「はーい、サン様とーってもお上手です。もーっと力を抜いて~体を楽~にしましょうねぇ」

「うつ伏せのままでも宜しいですよシンシア様。気になるようでしたら細い管を差し込んで・・・」


気がつけば最後まで抵抗していたのは、ナナと賢者のソフィアだけ。

その瞬間ミレイの方から、とんでもなく栄養価が高そうな肥料を出してしまったような音が聞こえてきて、ナナとソフィアの心の鎖が断ち切られダムは決壊した。



「ナナ達まで良くしてくれて悪いね、アルラウネの女王様。なんかミレイの凄い声が聞こえたような気もするけど」うつ伏せで腰のマッサージを受けているドモン。

「いえいえ・・・それよりもドモン様、折角ですからあちらの個室の方で少しお話をしませんか?他の者も呼び、更に丁寧な施術も致しますので」

「こ、個室?それはなかなかムフフ。じゃあ遠慮なく・・・」


美しい女王様に誘われドモンは個室へ。

そこには選りすぐりの美女達十数名が、プンプンと女性特有の甘い匂いを発していた。


薄っすら透けた衣装に映える白い肌。

これが罠ならば引っかからない男はいない。


「次は私よ」「駄目!次は私の番でしょう?」「髪の毛もキレイにしますよぉ」「揉み心地はいかがですか?」「スッキリしましょうねぇ」

「おぉぉおお・・・ぎぼぢ良すぎであああ頭も体も変になるぅぅ・・・イヒヒヒィ~」


「日頃の疲れも体に溜まった老廃物も、全てを出し切ってくださいまし。理性なんてものも今は捨て去ってくださって。さあお顔は私がキレイに・・・」ヨダレまみれのドモンにかなり大人なキスをしたアルラウネの女王。

「オボボボボ・・・凄すぎる・・・バカにな・・る・・・」


現実か幻覚かの区別もつかない。これがアルラウネの本気。

快楽が続けば苦しくなるはずがそれすらもなく、体が侵食され脳が支配されることに喜びしか感じない。


本来ならばそれで人生の幕を閉じることになるのだろうけれども、もちろんナナ達と同じく、肌がツヤツヤのモチモチになり、全身の疲れが全て吹き飛ぶだけである。心なしか気になっていたドモンのお腹も引っ込んだ気がした。



「それにしても躊躇もなさらずに、色々とスッキリなされていましたね。普通は皆さん躊躇なされるものなんですよ?」と女王。

「それはまあ・・・似たようなことホビットに一度やられたしな。向こうの世界でも入院中にやられたことあるけど。というより、頭真っ白になって躊躇してる暇もなかったよ。これならエステで働いても売れっ子になるんじゃないか?あっという間に大金稼げそうだ」

「え?」「私達が??」「エステ・・?」「詳しくお聞かせ願えますか?ドモン様」


結局のところアルラウネもトロール達と立場は同じ。

森の精霊だというのに、今ではその森を見ることすら叶わず、地下深くで千年暮らしていた。


ただ今では人間を捕食することはないが、その当時捕食していたことは事実だ。

人間から森を守るためにも戦う必要があったためだ。そこは人間同士の領土争いと同じ。


違いがあるとすれば、その戦い方、捕食方法があまりに残酷すぎたことだろう。

大きな食虫植物のような認識で記録に残されており、今でも親から子へ「森に入る時は気をつけろ。食べられるぞ」と言い伝えられ、子供達のおねしょを誘発しているくらいなのだ。


アルラウネ達はもう人間と敵対する気はなく、むしろ人間社会に興味を持っているくらいなのだが、言い伝えにより人間達の恐怖心だけが際限なく膨れ上がり、食人木マンイーターや走り回る木マンドラゴラといった架空の生物まで生み出してしまった。

その結果、アルラウネへの恐怖心も倍増されることになり、その願いは遠のく一方であった。


「で、名誉挽回というか回復というか、自分達はそうじゃないと証明したかったのか。なるほど、どうりで全力出すわけだ」

「ドモン様を利用するようなことになってしまうのは心苦しいのですが、どうにか誤解を解いていただけないかと思いまして」

「大丈夫だと思うよ。これなら普通のエステでもメンズエステでも行けると思うし。もうエステ文化の下地は出来たから、今はお前らのことを喉から手が出るくらい欲しいと言ってくれるはずだ。ここ出る時にみんな一緒に行こうぜ」

「本当でございますか?!」


ベッドの中で裸のドモンに絡みつき、ニコニコとドモンの首筋に頬ずりをしたアルラウネの女王。

花の香りの髪の匂いについ鼻腔をくすぐられ、うっかりドモンもナニかがまた元気に。


「それにしてもそのエステというのはどのようなもので?私達が行ったことと似たようなことだとは理解できますが、どんなものなのか詳しく教えて戴けませんか?」

「あぁそれじゃ俺がやってやるよ。普通のコースと・・・特別なコースがあるんだけど、どっちがいい?」

「え?ではその特別な方でお願いいたします」

「はいはい、じゃあ特別なコースでスッキリさせてあげるよ。さっき塗ってたあのヌルヌル、ちょっと貰えるかい?」


アルラウネの女王は千歳を超えて、ようやく大人への階段をひとつ上った。



前回更新時も風邪気味だったんだけど、治りかけで北海道の冬の夜の雪道を一時間近く歩かなくちゃならない状況になって、そこから下痢と吐き気と悪寒がずっと続いてる。


何より風邪の時特有の症状の、皮膚がヒリヒリするのと関節の節々が痛むやつが辛い。

薬飲めば数時間楽になるけど、その間は寝て回復してるので更新どころじゃない。


今回実は幕間話を改変したもの。しかもサービス回・・・トロールの深刻な現状から急に(笑)

そして幕間話もこれが最後のストック。いよいよ困ったな。


とりあえず近況はそんなところなので、色々とご了承を。

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