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第667話

控室のドアがバンと開かれると、そこにはミレイが立っていた。


「!!!」「!!!」「!!!」「!!!」「!!!」

「ドモン様明日出発だって?!ちょっと待ってくれよ!まだ本来の目的が果たせてないよ!」

「ミレイさん!せめて下着だけでも!」


ドアの向こうには全裸のミレイが立っていた。全身びしょ濡れの全裸で。

タオルと下着を持ってサンが追いかけていたが、結局間に合わなかったらしい。


「お前は少しは体を隠せ。それに何だよ本来の目的って」呆れ顔のドモン。

「別にいいじゃないか。ドモン様にはもう何度も裸見られちまってるし、審判長達はもう家族みたいなもんだしな。それより今回の目的は、ドモン様を鍛えるって話だっただろぉぉおん?!」

「隠さないとダメですぅ!」


ミレイは裸のまま腕を組んで仁王立ちしていたが、後ろからやってきたサンがミレイのお尻の方から手を突っ込んで、大事なところに蓋をした。

小さく柔らかな手で優しく敏感な部分を触れられ、ミレイは突然自分の中の女が目覚めてしまい、八の字眉で内股に。

ミレイが赤い顔をしてドモンを見つめだした瞬間、ナナがミレイの両方の胸にを手刀で突き刺し、ミレイをサンごとドアの外へと押し出した。

しばらく共に行動し、ナナはミレイの弱点を熟知していたのだ。



「まあ話は聞いたが、ミレイもドモン殿を思ってのことだろう。自身の命を賭してでもドモン殿を守り抜くと言っていたが、相手は魔王、守りきれぬこともあるかもしれぬ。ならば少しでも力をつけて貰おうと、これまでずっと考えておったそうだ」と審判長。

「そんな事言われてもなぁ。この歳になって今更鍛えたって・・・本気で取り組めばいいんだろうけど、そんな時間もなければ脚も悪いし」


「わ、私も手伝うからさ、しばらく鍛えていきなよ。お腹も気になるって言ってたじゃない?」ドモンの少し膨らんだお腹を擦ったウェダーは、何故か赤い顔。

「余計なお世話よ。ドモンはこのお腹が可愛いんだから!抱きしめた時にピタってくっついてあったかいし」「わかります奥様!」


ナナの意見にドアの向こう側から同意したサン。

ゴソゴソとミレイの濡れた体を拭いて、下着を着けている音が聞こえている。


ナナのくびれたお腹にちょうどドモンの膨らんだお腹がフィットし、ドモンの温かさと呼吸しているのがわかるのが、案外好評だったりもする。

普段はこのお腹をバカにしているけれど、それはそれでこれでもいいというのがナナの本音。


「ちょちょちょっとナナさん!アタイも一度試して・・じゃなかった、確かめてもいいか?ドモン様のお腹を。ほら、鍛えるべきかどうかを知りたいから」バーンとドアを開けたミレイ。下着姿で腰にタオルを巻いただけだが、さっきよりは随分マシ。

「・・・仕方ないわね。軽くよ軽く」ナナは渋々了承。


「私もいい?ほんの少し」ウェダーもその波に乗った。

「あんたはダメ」

「なんでよ!いいじゃない少しくらい!」


まずはミレイがドモンを軽くハグしてみたが、ミレイの身長は180センチ前後なので高さが合わなかった。

なのでドモンを控室の簡易ベッドに寝かせ、上から覆いかぶさるようにミレイがお腹の位置を合わせて乗っかってみた。

ミレイのバキバキの腹筋に、ピッタリとドモンの丸いお腹が収まる。


「こ、これは・・・ハァハァ・・・たまらないかも・・・あったかぁ~い」

「でしょ?これで諦めついた?ついたならさっさとどきなさいよ」

「ドモン様、このまま抱いておくれよ。お願いだ」

「駄目に決まってるでしょ!ハイ終わり!!」


イライラしながらナナはミレイをドモンから引っ剥がし、床に転がした。

結構な勢いで床に落ちたというのに、ミレイはまるで気にもせずに「あー幸せだぁ」とうっとり。


「じゃあ次は私が」ナナがミレイと何やらやっている間に、サッとドモンの上に乗ったウェダー。

「あ!駄目って言ったじゃない!もうっ!」

「なにこの安心感・・・スゥ・・・不思・・・議・・・スゥ~」

「人の旦那の上で寝てんじゃないわよ!あ!ちょっとサンまでドサクサに紛れて!」


床に寝そべるミレイの上に転がされたウェダーとサン。

結局ナナも「そういえば真上からドモンの上に寝そべったことないや」と自分もやることとなったが、大きな胸に邪魔されエビ反りになっただけだった。

そもそもここ数年下着を着けたままでは、まともにうつ伏せになれた事すらないのをナナはすっかり忘れていた。


「と、とにかくドモン様のお腹のことはわかったからさ、せめて盾を持って剣を振れるくらいにだけはなってくれよ。お願いだ」

「ミレイの言う通り、確かに身を守るためにはそのくらいは出来た方がいいだろう。いざという時に奥方らも守れるかもしれぬしな。村の中の施設は、全て自由に使用出来るよう通達しておくぞ」ミレイに同意した審判長。


「まあ確かに剣くらいは振れた方が良いわね。ドモンは魔法が使えないから、せめて武器を使えるようになってた方が良いと思う。1対1での戦いだとなんとかなっても、大勢に襲われたらひとたまりもないし、魔法や武器を使われたらまたすぐ瀕死になるか、あの時みたいに・・・」ようやく冷静になったナナ。

「ごめんなさい・・・ごめんなさい御主人様うぅぅ・・・サンのワガママのせいで御主人様がうぅぅぅウッウッウッ・・・」サンの頭に突然鮮明に思い出されたドモンの焼死体。


「わかったわかった!わかったよ!少しだけ頑張ってから出発するよ。一週間くらい頑張りゃ剣くらい振れるようになるさ。ちっ!しょうがねぇえな」


この世界の、そしてこの時代のトレーニングを、ドモンは知らなかった。




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