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第573話

シンシアは不安だった。

そんな様子は一欠片も見せてはいないが、実際はどれだけ心細かったか。


現在はドモンの活躍もあり、両国は友好関係を築き上げてはいるが、一時はシンシアも敵としてこの国と戦っていたのだ。

そしてこの優しい家族のひとりである、ドモンを殺そうとしていた張本人であった。


王族として弱みを見せるような真似はしないよう教育され育った。

なのでシンシアは、その動揺を表情に出すことはない。


いくら不安で、辛くて、申し訳なくても。本当はどれだけ泣き出したいくらいでも。


その気持ちがゆっくりと氷解していく。

ヨハンやエリー、そしてこの街の人々の温かさによって。


「誰かに自分自身が受けいれられることは、こんなにも嬉しく、尊いことですのね」

「あのねシンシア・・・なんか格好良いこと言ってるけど、あんたを受け入れたのは『あんたの旦那の奥さんのお父さんとお母さん』なんだからね?!自分で言ってても訳が分かんなくなるわ!」


「あら?それの何かおかしい事がありますの?ともかくワタクシ、安心したらお腹が空いてしまいましたわ。ヨハン、食事の用意をしてくださるかしら?」

「キィィ!うちのお父さんを何だと思ってんのよ!このバカ姫!!」


今にも取っ組み合いの喧嘩しそうなナナとシンシアに、全員がヤレヤレのポーズを取ってから持ち場に戻った。


シンシアは店内の客の前で食事をするようなことはするはずもなく、そのまま二階のリビングへ。

結局食事もドモンが用意することになったため、この日はこのまま店じまいして、全員でドモンの作る料理を食べることになった。



「それにしても綺麗ねぇシンシアちゃん。お肌も白くて張りがあって。まるでお姫様みたい・・・って、お姫様なのよねぇウフフ」女性なら一度は憧れるお姫様を目の前にして、エリーは上機嫌。

「フン!そりゃあお姫様なんて、今まで散々美味しくて栄養のあるもの食べてんだから、肌だってきれいになるわよ。庶民の苦労も知らないで」久々の実家のソファーにゴロ寝するナナ。


「確かに同じお姫様の白雪さんも綺麗だったけど、随分苦労はしてたみたいよ?それでも綺麗なのは、きっと綺麗になるための努力を欠かさなかったからだと思うわよ」とアイ。

「ええ。自身を磨くことで、国の未来が変わってくると教わっておりましたもの。他国と友好関係を結ぶためにも、それは必要不可欠なことでしたの」当然と言わんばかりのシンシア。


「政略結婚ってやつのためか。ナスカ、お姫様にはお姫様の苦労があるんだ。自由な恋愛も出来ずに、国のためにその身を捧げるなんて真似、ナスカには出来ないだろう?」腕を組み、難しい顔のヨハン。

「わかってるわよ!ちょっと言ってみただけ!あとお父さん、久々だから私の愛称が元に戻ってるわよ」


テーブルを囲むヨハンとエリー、そしてシンシアとアイ。

ナナだけ少し離れたソファーから大声で会話に参加。

ドモンはキッチンに入り、サンはそのお手伝い。


「乾麺のパスタですか?御主人様」

「うん、折角だしヨハンとエリーにも食べてもらおうと思って。ホビット達からたくさん貰ったしな」

「・・・アイさんのご紹介も出来ますね」

「そういうことだ」


もうさっきのようなことが起こらないように、まずはヨハンとエリーに、アイがホビットだということを伝えておかなければならない。

ずっと秘密だというのも気持ちが悪いし、正直その反応も気になるところ。


将来的にはゴブリン達の時と同じように良好な関係を築き上げ、上手いこと人間達との交流を促していきたいところだが、なにせ拡がってしまったその悪名は、魔物どころか盗賊などよりも高いほど。

なので、ほぼなんでも受け入れるヨハンとエリーの反応が悪ければ、今よりも更に慎重にならざる得ない。


「大きなお鍋にお湯を用意しますね」

「いや、大きな鍋は必要ないよ。普通の鍋でいいから、その代わりにトマトを沢山用意してくれる?あとフライパンもいくつか」

「でもこれだけの量を茹でるのに・・・」

「大丈夫。この乾麺のパスタの良さを、俺が最大限に活かしてみせるから」

「は、はい!余計な口出しをして申し訳ございませんでした御主人様!」


サンが慌てて階段を駆け下りて、一階の厨房からいくつかのフライパンとトマトを取りに。

その一分後、ドカドカと大きな足音を立てながらすぐに戻ってきた。


「そんなに慌てなくてもいいよ、サン。こっちもまだ準備が・・・」

「ドモン貴様!何をしておるのだ!!すぐに来いと伝えたのに、待てど暮らせど一向に来る気配もない!医者も待機しておったのだぞ!!」

「うわ!サンがカールになっちゃった。可哀想に、こんなジジイになるなんて。せめて俺くらいなら良かったのに」

「貴様も同い年のジジイだろうが!!バカモン!!」「あのあの・・・」


カールの後ろから、苦笑いでひょこっと顔を覗かせたサン。

肝心のカールは両手にフライパンをひとつずつ持ち、ドアの前で仁王立ちしながらわなわなと震えていた。


「どちら様?」と少しだけシンシアの陰に隠れたアイ。

「ここの領主ですわ。騒がしいですわよカルロス。少しは慎みなさい」

「くっ・・・はい」


シンシアの横でドモンが「やーい怒られた」とベロベロバー。

そんなドモンはエリーに「駄目よドモンさん!」と怒られた。





文字が小さくて見えなぁい!の酷いやつになり、モニターを拡大したり文字を大きくしたり。

まあ老眼なんだろうけど(笑)

とにかく小説書くのに苦戦していて、今回は思いっきり一話を半分にぶった切った。話が中途半端で申し訳ない。


顔の骨折とかした時の、眼球がズレた時のよう。

目が潰れるようなことは最近あまりしてないはずなんだけどなぁ・・・



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