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第532話

「誤解ですのよ!ね?サン」「はい!」汗を拭き取りながら言い訳をしたシンシアとサン。

「何が誤解なんですか!人間の皆さんが私達よりもスケベだなんて思ってもいませんでした!」

「あの状況では仕方ありませんわ!ね?サン」「は、はい・・・」

「なにが仕方ないのかさっぱりわかりませんっ!」


真っ赤な顔でプイッと横に顔をそらす美少女。

顔を背けた方向と真反対の扉の向こうから響く何やら怪しげな声に、眉毛をピクピクと引きつらせながら、大きく溜め息をひとつ吐く。


それとほぼ同時くらいに怪しげな声は止み、開いた扉からツヤツヤな顔のナナと汗だくなドモンが現れた。


「ごめんねみんな待たせちゃって。ふふふ~ん」

「服に砂がついて、払うのが随分大変だったなナナ」


あんな事があったというのに上機嫌なナナと、あくまでも白を切り続けるドモン。


「ご、御主人様、奥様・・・実はその・・・換気のために扉を少し開けていまして・・・」サンが気まずそうに下を向く。

「やだちょっと!この子全部見てたの?!」自分の胸の隙間から美少女の顔を覗くナナ。


「見ていたというより、奥様の声がここまで届いておりましたので・・・」

「まあこのくらいの女のガキなら、きっとまだ何の事かわからないからいいだろ。俺がこのくらいの歳の頃は、他人の家の窓の隙間からスケベしてるの覗き込んで、夜のおかずにしてたけどなイヒヒ」


サンよりも小さな女の子ならばどうせ意味はわからないだろうと、左手で下品に自分の股間を弄りながら、ポンポンと美少女の頭を撫でたドモンだったが、その美少女は見る見る不機嫌な顔になっていき、可愛い口を尖らせた。


「私、こう見えても32歳です!何をしていたかくらいわかります!」

「またまた~!サンよりも歳上だっての?まあサンもそんな歳には思えないけど、それよりもあなたが上だなんてあり得ないわよ」


ヤレヤレのポーズをしたあと、ナナもポンポンと美少女の頭を撫でた。

サンの身長が145センチメートルあるかないかなので、恐らく身長は130センチ台。顔も小さく、見た目は子供としか思えない。


「胸だってサンよりもペッタンコだし、どう見ても10歳くらいかそれ以下だろ。ほら、先っぽも小さいし」

「キャッ!やめてください!人間って本当はみんなこうなの?!」


突然ドモンに服の襟辺りをガバッと開かれ、真上から胸を覗かれた美少女は、ドモン達を助けたことを後悔し始めていた。

やはり父は正しかったのだろうか?と。


美少女は父に人間への偏見を無くしてもらい、昔のように明るく暮らして欲しかった。

森に迷い込んだ人間をもてなし、歌い踊り、共に笑い合う。

そして元の街まで見送る優しい父が大好きだった。


「それでもどうしても大人だって言い張るなら、試しにズッポシしてみりゃいいよな。サンよりもきついのか、それともやっぱり出来ないんじゃないかな?どれどれ」美少女の後ろから抱きつき、下着に手を突っ込もうとするドモン。

「きゃあああ!!」

「このバカ!大人だとしてもダメに決まってるでしょ!!ましてや経験もないこんな子供に!!」


ナナが体当りでドモンを突き飛ばし、一緒に吹っ飛んだ女の子をシンシアとサンがキャッチ。


「ハァフゥ・・だから私は大人ですっ!子供だっているんですから!」プンプンと怒った姿も可愛い、美少女風の女性。(以下、略して美少女とする。)

「え?!」「なんですって??」「本当ですか?!」「おぉ、なんだかむしろ興奮してきたな。こんな美少女が種付けされていただなん・・・イチチチ!!耳千切れる!!耳が千切れるってばナナ!!!」


「やっぱり助けに来たのは失敗でした!今、父やその他の年長者が集まって、あなた達の処遇を決めているところなんですよ?きっとそこであなた達を殺すことに決まるでしょうから、こっそり助けに来たというのに!」

「そうだったのか。そりゃ物騒な話だし、勇気を出して助けに来てくれたお前にも悪い事したな」


ドモンはそう言うと、徐ろにサンの帽子を頭に留めていた二本のピンを抜き取り、蒸し風呂のあった鉄の扉の向こう側へと入った。

不思議そうにキョロキョロと顔を見合わす女性陣。


「おおーい、誰か外から鍵をかけてくれ」

「何しようってのよ」


美少女から扉の鍵を受け取り、外からガシャリと鍵をかけたナナ。

それから数秒後、カシャーンと音を立て鉄の扉は開き、ドモンはそれをさも当然といった顔をしながら出てきた。


「い、一体どうなって・・・」目を丸くした美少女。

「あんたの父親の持っていた鍵をちらっと確認したら、随分と単純なやつだったからな。こんなもん道具があれば、ものの数秒で開けられるよ」

「ちょっと!じゃああの汗だくになった時間は何だったのよ!!すぐに逃げられたんじゃない!!」ナナが怒るのも無理はない。

「だから『ここでスケベしてから脱出すること考えるかな?』と言っただろ。まあ痒かったけど蒸し風呂自体は気持ち良かったし、牛になったナナのおっぱいを吸うサンとシンシアなんて珍しいものも見られたしなアハハ」

「・・・・」「・・・・」「・・・・」「・・・・」


ドモンが悪に手を染めたら大変なことになる。

世のため人のため、たとえ自分が犠牲になっても、その首に手綱をつけておかなければならない。

・・・そう考えたナナ達であったが、ドモンはそれを小学生の時からずっと言われ続けていた。


「それにしても随分と人間は嫌われてるんだな。この調子じゃ、このちっこいのと浮気スケベなんてしたのが旦那にバレたら、あっという間に殺されてしまいそうだ。ヨハンみたいな寝取られ属性じゃない限りは」ドモンがタバコに火をつけたことで、ナナにもこれが冗談だということがわかった。

「何よその寝取られなんちゃらって。大体そんな浮気したら、旦那さんじゃなく先に私が殺すからね?」ナナはヤレヤレ。サンは灰皿探し。


「ヨハンはエリーが誰かからスケベな目で見られたり、スケベなことをされているのを見て、嫉妬で興奮をしてしま・・・」

「主人はいません。子供達と私を残して人間に殺されました」


ドモン達の会話に割り込むように美少女は吐き捨てて、下唇を噛んで下を向いた。




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