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第531話

その後、ドモンが地面をのたうち回ること三十分。ようやくお尻の方の痒みは消えた。

その間女性陣は、しばらくオロオロとしているだけだったが、蒸し暑い部屋に耐えきれなくなり全員脱衣。

立っているのも辛く、かと言って寝転がれば砂が熱いので、みんな四つん這いになって汗をポタポタと砂の上に落としていた。


「う、うう・・・」ナナに向かって何かを訴えかけようとするシンシア。

「大丈夫?シンシア・・・しっかりと気を持って・・・」

「牛みたいね、あなた本当に。汗が伝って胸の先からポタポタとしずくが垂れていると、もう乳牛のそれにしか見えませんことよ?」

「ちょっとぉ!!余計な体力使いたくない時に、なに余計なこと言ってんのよあんた!」「くぴっ・・・ぶひゅっ!」


もう冗談でも言っていないとやっていられないシンシアが、半笑いでナナを牛とからかって遊び、サンは真顔のまま吹き出した。


「ハァハァ・・・このブランブランしてるやつを下から吸ってやるとその牛は喜ぶぞ・・・っていうより、今はその汗でもいいから水分を取れ。俺が復活したらなんとかしてやるから、それまで何とかそれで保つんだ」

「もう~!嘘でしょ?!それじゃ本当に牛みたいだわ」


股間を掻きむしりながら、そうアドバイスをしたドモン。

他人の汗が水分補給になるとは思えないが、気を紛らわせることだけは出来るだろうと考えた。

暑い暑いとだけ考えていると、余計に暑く感じて気持ちが萎えてしまうからだ。


「なぜワタクシがナナのお乳を吸うハメに・・・まあ今は仕方ありませんわ!サン、一緒に吸いますわよ」

「え?!私もですか??シンシア様」

「ワタクシがドモン様の命令でそうするのですから、あなたもするのは当然でしょう」

「は、はい・・・あの奥様・・・ごめんなさい・・・」

「もう良いわよなんでも!さっさとしてよ!」


四つん這いになるナナの下に寝転ぶサンとシンシア。

ナナとしてはなんとも恥ずかしい状況だけれども、実はそれほど嫌いではないのが悔しいところ。むしろ何故か湧き上がる充実感。

目を瞑ってチュウチュウと吸い付くサンの顔を見て、ついついニッコリ。


「随分と嬉しそうだな、この乳牛は」

「う、うるさいわね!!あんた相手にいっつもやってるから、慣れちゃったのよ!大体いつもあんたが私を牛みたいに扱うから、一度お母さんにも相談したことあるんだからね!」

「うっわ・・・エリーに言っちゃったのかよ?!なんてことを・・・。エリーはなんて言ってた?怒ってた?」


数百万倍の痒みをもぶっ飛ばすナナの爆弾発言。

ナナは夜の生活を、気軽に母に相談するタイプである。


「・・・肘をついた四つん這いだと、先っぽが床に擦れて痛いし、下にいる人が窒息するから気をつけなさいって・・・先っぽが床につくなんて、お母さんかエミィさんくらいのような気がするわ」

「ブッ!」「クスクスクス・・・」「あの・・・奥様もついておられますけれど」

「『私達は牛じゃないでしょ!それとも牛の生まれ変わりなの?』って言ったら、『私達が牛の生まれ変わりじゃなく、きっと牛が私達の生まれ変わりなのよウフフ』だって。流石にお父さんも呆れてたわよ」

「もうどっちでも宜しくてよ・・・」「ふっぷぅ!」「ヨハンにまで言っちゃったのかよお前・・・」


突然明かされる無駄な真実。

ドモンが恥ずかしがるからここだけの話にしておきなさいと両親に言われていたナナだったが、この状況だと最早どうでもいいし、そもそも両親も普段から同じことをやっていたという事実の方が恥ずかしい。


エリーに至っては当然のことだというより、今更何を言っているのかといった様子だったとか。

牛扱いをされると相談したのに、「服を脱いだらまず四つん這いになって牛になるでしょ?」と、エリーが当然のように語りだしたらしい。


「お父さんと一緒に水浴びする時も四つん這いだし、お風呂が出来た今だと、湯船の中に四つん這いで入ることもあるんだってお母さん」

「そりゃもう本気で牛なんじゃ・・・」呆れながらもついその姿を想像し、うっかりナニかが元気になってしまいそうなドモン。


「うるさいわね!私達は案外それが楽というか、ムレないしスッキリすんのよ!何よ、あんただって一時期四つん這いでスッキリするの好きだったじゃない!それこそ乳搾りみたいにイジったらアンアンと・・・」

「わあああああああああうるさいうるさい!やめろやめろ!!」


シンシアどころかサンですら知らなかった新事実に、チュウチュウと先っぽを吸いながら目を見合わせるふたり。

部屋の中はすっかりスケベな雰囲気となり、ドモンもいつの間にか全ての痒みが治まっていた。


「もういっそのこと、ここでスケベしてから脱出すること考えるかな?なんか塗られた薬のせいでやたらカチコチになってるし」

「私はいつでもいいわよ?このまま後ろから来なさい。ふたりに吸われてからもうずっとおかしな気分になってるから、待っていたのよ本当は」腰を落として、クイクイとお尻を突き上げるナナ。

「じゃあ行くぞ?せーの、バックからズ・・・」

「皆様遅くなりました!!父が大変な失礼を・・・え?乳?!キャアアアア!!!」


突然開かれた鉄の扉。

幼い美少女は中の様子を見て、扉をそっとまた閉めた。




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