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第530話

「ねぇ今どんな感じなの?!何されてるのよ??」

「い、いいから早く引っ張り上げてくれ・・・もう力が入らないんだ・・・」


やけに興奮気味のナナが問いかけるも、ドモンはすでにぐったり。


「も、もう少しそのままでも。ああドモン様ったら、どこの誰かもわからない者からそのような辱めを・・・で、今は責めているのか受けの最中なのか、それともまさか同時に??」

「何言ってんだバカ野郎!早くしないとまた・・・」


両手で自分の口を押さえ、マジマジとドモンの顔を覗くシンシア。

それでも多少は遠慮気味だったナナやサンと比べ、「今まで見たどの小説よりも、とんでもない体験をしておられるのですよ?」と、シンシアは遠慮なしの大興奮。


「今すぐに助けますから!うーんっ!!」

「あぁサン!悪いけど今はナナとシンシアに任せてくれ!サンがそこにいると・・・ああ・・・」


ドモンの正面にM字開脚のようにしゃがんで、両脇を抱えて必死に持ち上げようとしているサンだったが、自分が下着を脱がされてしまっていたことをすっかり忘れている様子。

鼻がくっつくほどの距離に、サンの見てはいけない部分が近づいてきて、ドモンが必死に目をそらす。


ナニかが元気になってしまうと、また下にいる連中のおもちゃにされてしまうためだ。



「もう終わりだ。俺は今日から女の子になる。すぐ助けてくれないから」

「悪かったってば!いじけないでよ」

「信じられないよ。三人揃って俺が苦しむ姿を楽しんで」

「ごめんなさい御主人様・・・」「仕方ありませんわ。状況が状況ですもの」「苦しんでいたかしら?」


あれから十数分後、ようやくドモンも脱出成功。

下着やズボンは取られたままなので、下半身丸出しで不貞腐れている。

流石のどこかの悪魔も逃げ出すほどの羞恥と屈辱であった。



中世と同じような時代背景のこの世界だけれども、昔から同性愛物・・・というよりも禁断の恋などが女性達を虜にしていた。

身分の違う恋、不倫などのいけない関係、そしてその同性愛。

当時から今の今までその人気は衰えること無く、女性達の『夜のお供』として脈々と受け継がれている。


ちなみにギロチンにあるような枷で拘束され、女性がくすぐられたり拷問を受けたりするものも女性に人気だったそう。

なので今回の出来事は、ナナ達の心に刺さってしまったのだ。

特に身分の高いシンシアは、人一倍多くの書物を読んでいて、本物を見てみたいという欲求も誰よりも大きかった。



「ハッハッハ!少しは懲りたかい?バカな人間共めが」と先程のホビットの男が屋根裏にやってきた。

「どうして俺等がこんな目に・・・お前は何者なんだよ」

「俺はこの村の長だよ。さあこれに懲りたならさっさと出ていって、二度と戻ってこないことだな。次はこんなもんじゃ済まないぞ」ドモン達の下着やズボンを投げて返したホビットの長。

「どうも誤解されてるみたいだな・・・」


かと言って、最早誤解を解く気にもなれないドモン。

こんなところはさっさとおさらばして、全てを忘れたい気分であったが、今更ながら強烈な痒みがドモンの下半身を襲い、忘れたくてもわせれられない状況に。


「うわああああ!!」

「あらら、ちょうど痒みが襲ってきたようだな。最後に女達に塗った量の百倍以上の薬を塗ったからなぁ。女には一番敏感なあの部分にちょっと塗っただけだけど、あんたには前も後ろも全体を隙間なく丁寧に塗ってやっておいたよ」

「ヒィィィィィィ!!!」


ドモンはズボンの上から股間を掻きむしりながら地面を転がった。

女達に塗った薬の量が、蚊の唾液の数万から数十万倍。

その百倍ともなればドモンの下半身は、数百万匹から数千万匹の蚊から同時に刺されたようなもの。


「へへへ、ざまぁないな。ま、蚊に刺されたのと同じく、三十分から一時間もすれば痒みも引いてくるよ」

「ぐあああああテメェ!!!ぶっ殺してやるぅぅ!!!」

「フン、そりゃ物騒な話だね。まあその分気持ち良い思いもしたんだからいいだろ。その薬のお陰で、あんたの尻も痛い思いしないで済んだんだからな」怒りを向けたドモンの言葉に、冷たい視線を落とすホビットの長。


言われたとおり、確かに痛い思いは全くしなかった。

ドモンはやや痔持ちであり、年を追うごとに大きな方が出づらくなっていき、今では鉛筆ほどの太さのものが出せれば万々歳、痔の薬を中に塗ろうにも、指が入らないくらいきつくなってしまっていたのだ。その時の痛みも酷かった。


今回は明らかに鉛筆よりも太いものが出入りしていた感覚がドモンにはあったが、その出入り口の強烈な痛みは全く感じなかったのだ。あの時あったのは、ただただ強烈な快楽のみ。


「ドモン!」「御主人様!」「ドモン様!!」


あまりの痒みで、口から泡を吹きながら倒れたドモンに駆け寄る女性陣。

ドモンの代わりにズボンに手を入れて、必死に子ドモンを掻くサン。


「助けてやりたいかい?蒸し風呂に入ればすぐに治るのだけども、見ての通りあいにく今日は満員でね。うちの地下にある蒸し風呂なら貸してやらないこともないけど」わざとらしくポリポリと頭を掻いたホビット。


「お願いよ!このままではドモンがおかしくなっちゃうわ!」「お願いします!」「お願い致しますわ!」

「べっぴんさん達にそこまでお願いされちゃ仕方ないな。じゃあその旦那を連れてついておいで」


ナナとシンシアがドモンに肩を貸し、ホビットの後を追う。

レンガ造りの家の石の階段を下り、ドモン達は蒸し風呂にやってきた。


部屋の中は地熱により40度くらいの室温となっており、床に敷き詰められた砂から湯気が黙々と上がっている。

三人は大慌てでドモンを裸にし寝転がせ、湯気の立つ砂を全身にかけて埋めていった。


その瞬間、ガシャンという音と共に鉄製の分厚い扉が閉じられ、ドモン達は閉じ込められた。


「ハハハ、あんた達も裸になった方が良いぜ。のぼせて死んじまうぞ?あとひとつ大切なことを教えてやるよ。蚊に刺された時は、患部を冷やした方が良いぞ。温めたら痒みは広がるんだぜ?ワッハッハッハ・・・」

「な、なんですって?!」「大変ですぅ!」「ドモン様が白目を!ふたりとも、ドモン様を掘り起こしますわよ!!」


鉄の扉についていた小窓からホビットはそう告げ、パタンと小窓を閉めて階段を上がっていった。





すすきの行ってた。

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