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第505話

「黙ってみていれば、この馬鹿者!」

「ギャアアアアアア!!」


ドモンの後ろから走ってきたカールが、鉄拳をドモンの頭にフルスイング。

その様子に呆気にとられる司会者の夫らしき人物とナナ。


カールは知らない。

ドモンがすでに瀕死の状態であることや、限界まで痛めつけると悪魔が顔を覗かせることを。


なので遠慮などない。

親友であり、ある意味兄弟とも言える間柄。

『身内』が晒した生き恥に、もう我慢がならなかった。


昼間の空に星が見えるほどドモンは殴られ、その場に崩れ落ちた。


「死んじゃうってば・・・」うつ伏せに床に這いつくばるドモン。

「貴様は死なんだろうが!もし死んだとしても私がまた迎えに行ってやる!」


壇上までやってきた夫やナナも、思わず「もうそのぐらいで」とカールを諫める始末。

そのおかげで、この男性に本当の意味でドモンが殺されることはなかった。


「私はカルロス領領主のカルロス・フォン・ローゼンである。この大馬鹿者は私が直接制裁を加える故に、全て任せては貰えぬか?」と、司会者夫婦と聴衆に問うカール。同時に義父の方にも目配せ。

「う、うむ。此奴の処遇はカルロスに任せるのが良かろう」と義父も口裏を合わせる。


貴族と王族にそう言われれば庶民は引くしかない。

ただ床に転がるドモンを見て、全員ある程度の溜飲を下げることは出来た。



「御主人様動かないで!頭を強く打っています!」


殴られた際に床に頭を強打し、血を流したドモンを見てサンは大慌て。

シンシアもドモンに駆け寄った。今はドモンのことを咎めている場合ではない。

殴った張本人のカールも血を大量に流すドモンを見て、流石にこれはまずいことになったと慌て始めた。


「ドモン様!ドモン様!お気を確かに!」生涯、こんなに頭から血を流す人を初めて見たシンシアが、サンよりも早く涙を流した。

「大丈夫だよ。それよりちょっとお腹が痛くてお手洗いに・・・」


ヨッコラショと起き上がろうとしたドモン。

だが、聴衆を含むこの場にいる全員がそれを止めた。


「医者を早く呼べ!」「動かすんじゃない!」「動いては駄目だ!」


緊急事態に舞台に上がり、ドモンの介抱を行う冒険者達。

危険と隣り合わせに戦ってきて、人がこうなれば危険な事だと誰よりも知っていた。


「いや大丈夫だよこのくらい。それよりも転んだ拍子にウンコが出そうになったからお手洗いに・・・」

「駄目だ!もう混乱してるらしいぞ!」「とにかく動かないように押さえつけろ!」

「ちょちょちょ!お腹痛いんだってば!」

「くそ!内臓も傷めたか?!」


お腹を壊していて、少し前から大きい方がしたかったドモンだったが、何故か全員に押さえつけられ、まるで身動きが取れない。


「は、放せって!話は後でするから、今は俺をトイレに・・・」ドモンのお腹は、急激に波が迫ってきた。

「今はそれどころではない!とにかく動くな!洩らすなら洩らしてもかまわん!」カールも真剣な表情。

「ナナ!俺は平気だってみんなに言ってくれ!お腹が!!!」爆発まであと十秒のドモン。

「うぅ・・・死なないでドモン!!」


ナナはドモンに覆いかぶさるように抱きついて泣いた。

その大きすぎる胸のおかげで、ドモンは更に身動きひとつすることが出来なくなった。


「ちょ・・・あ・・・」ブリュリュブリュリュルゥゥゥ!


大勢が見守る中、ドモンはうつ伏せのまま脱糞した。

何故かその様子に妻達が興奮してしまったのは、元からある性癖か悪魔のせいかはわからない。

とにかく汚れた姿を皆に晒した後に、舞台裏へと移動した。


「ワタクシよりも酷いことになりましたわね・・・皆様の前で」とシンシアは何か思うところがありそう。

「御主人様・・・」と健気に汚れたドモンの脚を拭くサン。

「やだドモン!すごくウンコ臭いわ!!」ナナは遠慮なしでそう言い、大爆笑。



式典が終わり、次々とビルに客がやってくる中、ドモンは汚れた体を風呂でサンとシンシアに流してもらっていた。

医者も駆けつけたが、ドモンの言う通り怪我は軽傷。

皆がドモンの部屋のリビングで心配そうにしている中、ナナだけはドモンの無事を確信して、長椅子にゴロ寝をしながら大爆笑。


「御主人様、あのあの・・・お尻を開いても宜しいですか?汚物がそのぅ~・・・挟まっていまして」とバツが悪そうなサン。

「あ、はいお願いします。ごめんねサン・・・てか自分で洗えるけども」ドモンは恥ずかしさにずっと白目。

「脚もまだ汚れておりますわ!サン、流して差し上げて」「はい!」何故かシンシアは恍惚とした表情。


体を綺麗にしてドモンが部屋に戻ると、カールは大きな溜め息を吐きながら、強く強く抱きしめた。





最近行った実話をどうしても入れたくて・・・(笑)

何気に話をつなげるのに苦労して三日かかっていたり。



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