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第413話

「なんと?!」「なんだこれは!!」「うわぁすごい!!」


脱衣所のガラス越しに見えた浴場に、驚きの声を上げた一同。

想像を遥かに超えていた。


が、それもそのはず。

そもそもほとんどの者達が、これをひとりで入るものだと勘違いしていたからだ。


「これはひとりひとり順番に入るものではなく、大勢で同時に入るものなのだ」と義父。

「え?!」「男同士で裸になれというのか?!」「や、やっぱり・・・」トッポも話には聞いていた。


「始めは気恥ずかしさもあるが、すぐに慣れますぞ」手本として最初に義父が脱衣を始めた。

「ほらお前もさっさと脱げ!これが我が国王のチンチンだ!それ!」

「ぎゃやああぁぁぁぁあああ」


元はドモンのスーツなので、脱がすのもお手の物。

今や国宝となった大事なスーツを、破けんばかりに勢いよく下着と一緒に下げると、義父と遜色ない立派なものがブルンと飛び出した。国王のもうひとつの国宝である。


「相変わらずなんていう大きさなんだよ・・・さあみんなも脱げ。さっさと脱がないとこいつと同じ目に・・・」

「脱ぐ脱ぐ!やめてくだされ!」「待て待て!すぐに脱ぐ故!」

「わ!お前なに元気にしてんだよ!お前はシンシアのとこの大臣だったっけ?」

「こ、ここ、これはなぜかわからないのですが皆様に見られつい・・・」

「変態紳士め。スッキリする店は隣の建物だぞ?お忍びで行けるように手配しといてやるか?イッヒッヒ」

「・・・・」「・・・・」「・・・・」「・・・・」「・・・・」


はっきり言って、サウナや新型馬車、自動車よりも興味がある一同。

シンシアの国はこういった店自体がご法度であるのもあるが、そもそも立場的に行けるはずもないのだ。


その瞬間、女性風呂の方から嬌声が聞こえ、自分の奥さんがいるということを思い出して頭を振った。

トッポもチィやミィ、女ボスなどの顔を思い出して我慢。

大臣と義父だけは、チラッとドモンに目配せしていた。


「まずは洗い場で体を洗ってくれ」


義父とドモン以外の者達が、しっかりと大事なものをタオルで隠しながらドモンについて歩く。

まるで勝手がわかっていないので、ドモンがひとりひとりに「はいここに座って。あんたはこっち」と、順番に鏡と蛇口の前に座らせていった。


「自身で体を洗えと?」

「まあまあ、今日はそういった体験だと思って。ほら桶にお湯入れて」

「蛇口から・・・??」「湯が出るだと?!」「なんと!本当に湯が出ましたぞ!!」


義父やトッポもそんな事は聞いていない。

だが立場上声を上げるのを我慢し、当然ですが?といった澄ました顔をしてみせた。

現在、瞬間湯沸かし器はまだ改良中だけれども、ボイラー室にて大量のお湯を沸かし、それを蛇口から出すことは成功している。


「なんと便利な・・・」

「これほどまでにアンゴルモア王国の進んでおったのか!」

「いや、やはりこれはドモン殿の功績よ」

「この自動で湯が止まる蛇口は一体どのような仕組みなのだ・・・」


お湯ひとつで侃々諤々。


「その蛇口は天才技術者のギドだ、作ったのは。俺は関係ないよ。こんなのが俺の世界にあったと話したら、本当に作りやがったんだよ。自動車作ったのもそいつだぞ」

「ドモン殿以外にも、この国にはそんな者が・・・」


「というか、さっきすれ違った時に挨拶した大工と鍛冶屋が新型馬車を作ったんだぞ?あとそこにあるサウナもな。俺はきっかけを与えたけど、実際作ったのはそいつらなんだよ。今は改良も全部そいつら任せだ」

「なんと!!」「し、しまった!!」「!!!!」


宿舎にて大工達とすれ違ったが、会釈すらせずに通り過ぎ、ぞんざいな扱いをしてしまった事を深く後悔。

これに関しては義父は知っていたが、トッポはこれも知らず驚いていた。当然勲章モノの功績であり、急いで手配しなければならない。



一方その頃女風呂では、案内したシンシア以外全員が脱衣所で躊躇中。

らせん状のすべり台を見て思わず嬌声をあげたものの、やはり裸で一緒に入るということにかなり抵抗がある様子。

なので義父やドモンと同じようにシンシア自ら服を脱ぎ、見本を示そうとしていたのだが、ここでシンシアの体に異変が起きてしまっていたのだ。


「お、おほぉ・・・」

「どうしたのです?!シンシア」異変に気がついたシンシアの母。

「い、いえ、なんでもございませんホホホ・・・ハゥ!」

「???」「???」「???」「???」「???」


広場でドモンに食べさせられた例のキノコが、シンシアの体を敏感にさせてしまっていた。

母親や各国のお妃も見つめている状況なので、なんとかシンシアは堪えて乗り越えようとしたものの、実は例のキノコを食べたのが初めてだったこともあり、もう堪えきれないと判断して皆に正直にそれを打ち明けた。

例のキノコの効果だけはサンに聞いていたのだ。


「み、皆様ごめんなさいハァン!ハァハァ・・・まさかこんなことになるとは思わなかったのですわぅぅん!」悶えるシンシア。少しだけ幸せそうに見えるのは気のせいか?

「も、もうこの娘ときたら・・・皆様ごめんなさいね。娘の代わりに謝罪いたしますわ」母親はペコペコ。

「ドモン様にご寵愛いただく寸前に、ちょうど来てしまったワタクシ共もいけませんでしたわ」「ええ」


そっとシンシアの肩に手を添えた何処かの国の奥様。

その瞬間、シンシアがとんでもない破廉恥な声を出して、その場に座り込んでしまった。


「ご、ごめんなさい、すごく敏感でしてぇぇん・・・フゥフゥ」

「ワタクシこそごめんなさい!そんなになるだなんて知らなくって・・・随分とお苦しそうで・・・」

「苦しくは全くないのですが、その・・・体が勝手に喜んでしまうと言いますか、とにかくそのムズムズと・・・ああドモン様ぁふぅん」

「・・・」「・・・」「・・・」「・・・」「・・・」


ゴクリとつばを飲み込む音。

奥様方が目を見合わせる。


「そ、そのキノコというのは、男性が食べますとその~・・・勃・・・若さを取り戻し元気になるというのは本当のことなのですか?」王様オブ王様の奥様。義父と同年代。

「えぇ、ほんの一欠食べるだけで、年配の方でも二日や三日はカッチカ・・・お元気になられるそうですわ」少しだけスッキリしたおかげで、なんとか答えられたシンシア。


「男女一緒に食べたりなんかしたらどうなるのかしら?」

「サンから聞いた話しか知りませんけども、ドモン様とナナが食べた時は、一緒にいた者達が一睡も出来ないほど幸せそうな声を上げ続けていたと言いますか・・・叫び続けていたそうですわ」


今はお風呂より俄然キノコに興味が湧いてきてしまった奥様方。

そのままお互いに夜のお悩みなどの、女同士の下ネタトークを繰り広げたことによりすっかり打ち解け、裸になるのも抵抗がなくなった。


そもそもがシンシアの国と砂漠の国は同盟国でもあり、良い関係を築き上げていたが、残りのふたりの国は今回の戦争で、唯一武力衝突を起こした国同士であり、和平の協定が結ばれたとは言え仲がいいとは決して言える状態ではなかった。


それが例のキノコのおかげで、まさかの雪解け。


「シンシアちゃん、洗ってさしあげますわ!なーんて、ほら先っぽチョン!」

「ああん!おやめくださいませ!ハァン!まだ敏感ですの・・・」

「ヤメて欲しかったらドモン様にお願いして!ね?ほんの少しでいいの」「シンシア、ワタクシも」

「イヤだわお母様まで!」


横に並んで体を洗いながらキャッキャウフフ。

みんなで湯船の方へ移動し、仲良く入浴。


「はぁ~これは素晴らしいものですわね」

「ほんっとうに羨ましいですわ!でもなぜドモン様は王族が利用する浴場を、街の中へお作りになったのでしょう?」

「不思議ですわね」「王宮の中でも宜しかったのでは?」


こんな豪華な浴場が庶民の、しかも色街にあるということを不思議がる奥様達。


「この浴場は庶民の皆様のものなのだそうですの。銅貨20枚ほどで利用可能にする予定だとドモン様はおっしゃられておりましたわ」と説明したシンシア。

「えぇ?!」「そんな?!」「それは本当なのですか???」

「ええ、それよりも今度合同会議が行われるカルロス領の高級宿の方には、この浴場よりもずっと素晴らしい施設を用意する予定だそうですわ」

「まあ!!」「そ、それって私達も利用できるのですのよね?!」「こちらを超える施設だなんて・・・」



奇しくも男湯の方でも、湯船の中で全く同じような説明をドモンがして、同じ様に皆を驚かせていた。






更新の時間間違った(笑)

ゴールデンタイムに見せる内容じゃないというのに。





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