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第406話

トッポとシンシアの合同発表により、ようやくドモンへの誤解が解けた。

ある意味国民を騙したと言っても過言ではないが。


だがしかし、完全に信頼が回復したとはまだ言えない。

無罪確定!冤罪でした!と発表しても、どうしても疑いの目を持つ人がいるのは、どの世界でも一緒である。



「か、帰ってきた!ドモンさんが帰ってきたわ!」と、建物内にエミィの声が響く。

とある日の夕方、王宮の馬車に乗せられドモン達が無事帰還。


例の自動車は、グラの運転でギドの元へ送られた。

もちろん冷暖房や変速ギアなどの改良を加えるため。

今回の旅での経験が、きっと役に立つことになるだろう。


「おおエミィ、二週間くらいぶりだけどおっぱい大きくなったか?」

「なってないわよぅ!これ以上大きくなったら大変よ!」

「ドモン~」いつものように睨むナナ。


エミィに冗談を吐きながら、キョロキョロと辺りを見回したドモン。

たった二週間ほどで、数軒の建物の改装が済んでいて驚いた。


まだメイド喫茶や占いの館、女性用マッサージ店などが入る予定の建物は出来ていなかったが、元からあった建物を改装し始めていたものはあらかた完成。

スマートボールが入る予定の遊技場は、ほぼ出来上がっていた。


「お、俺が言っていたスマートボールの台も完成していたのか!」店の外から店内を覗いたドモン。

「一応設計図通りに制作しましたが、最後にドモン様にご確認いただければ」とエミィの兄。


高鳴る気持ちを抑えきれず、スキップするように店内へ。

ナナ達も不思議そうな顔をしながらついていった。


「おおー!思っていたよりも凄く・・・ん?あれは・・・」


まだプレオープンもしていないというのに、店の奥ですでに遊んでいる十数名の人々を見つけた。

目が悪いドモンにはそれが誰だかわからない。


「さすが親方!」

「くそ!どうしてそっちに行ってしまうんだ」

「ほら見ろ鍛冶屋!まーた揃っちまったハッハッハ」

「あとひとつ!ここに入れば一気に二列だ!」


まだ静かな店内で、ビヨンビヨンとボールを弾き大騒ぎ。


「あれ?大工と鍛冶屋と弟子達じゃねぇか!しばらくぶりだな」とドモン。

「あ!ドモンさん帰ってきたんですね!親方、ドモンさんが」「親方!」

「ちょ、ちょっと待ってくれ」とまだまだ夢中な鍛冶屋。

「よおドモンさん、これは面白いもの作ったなぁ。俺らの街にも作って欲しいよ」余裕の大工。


話を聞けば数日前に到着し、こっちでひと仕事終えた後、ドモンが戻るのを待っていたとのこと。

ただ何もせずに待っているのも退屈なので、スマートボールで遊ばせてもらったところ、完全に夢中になってしまったのだ。


「仕事って何を?」

「ああ、カルロス様に頼まれたんだよ。高級温泉宿だかってのを作るんだろ?それでサウナの試作を見てもらえと」

「俺らは誰も入ったことがないからな。一度火を入れて入るには入ったが・・・あんな暑くていいものなのかどうなのか」

「ま、待て、こ、こっちの風呂にサウナを作ったのか?!」

「ああ、あの大浴場にな」「男湯にも女湯にも作ったよ。余計に一台ストーブ持ってきておいて正解だったな。あぁクソ!また駄目だ!!」


ドモンに対し、さらっとサウナの完成を伝えた大工と鍛冶屋。

こうしちゃいられないとドモンは店を飛び出した。

ナナ達は一度スマートボールで遊んでみたかったが、あまりのドモンの慌てぶりに、急いでその背中を追いかける。


「女湯の方は誰も入っていないみたいだな。じゃあこっちにみんなで入るか」

「いいわよ」「はい」「あ~本当にこのお風呂が恋しかったですわ」


ドモンはタオルで隠すのも忘れ、全力ダッシュ。

転ばないかとサンはハラハラしながら、ドモンの分のタオルを持って後を追う。


ざばんざばんと桶でかけ湯をした後、ついに、念願であるサウナへ。


浴場の隅に6畳くらいの広さのログハウスのような小屋があり、小さな窓もついている。

中は真っ暗だったので、照明のスイッチを探して明かりを灯すと、蛍光灯のような真っ白な光に中が照らされ、正直雰囲気はいまいち。ここは改良しなくてはならない。


中を見ると、一般的なサウナのように階段状に座るところが分かれており、そこはドモンが思っていた通りの仕上がりになっていた。

十人くらいは同時に入ることが出来るだろう。


「よし早速入るぞ!中はすごく熱いからみんな覚悟しろよハハハ」

「大丈夫なのそれ?」「こ、怖いです」「ヤケドとかしませんのよね?」

「大丈夫だよ。さあ行くぞ!」


意気込んで入った久々のサウナは、ただただ寒かった。


「さむっ!火を入れ忘れてた・・・そりゃそうか。他の奴らはまだ入るなと言われてただろうしな。もう少しだけ待ってて」

「何やってるのよ」「サン、すべり台に行きますわよ」「はい!」


照明も消えていたくらいなのだから、中が暖まっているはずもない。

サウナ用のストーブに火を入れ、仕方なくドモンも滑り台へ。


「キャキャ!奥様~シンシア様~、いいですよ~」

「あんた早く行きなさいよ」

「お、押さないでくれますこと?ふざけていると危険なんですのよ!あ!きゃああ!!」


結局ナナに押され、以前サンに注意したような、とんでもない大股開きで滑ってしまったシンシア。

ドモンは下にいれば良かったと少し後悔。


サンがタオルでシンシアの顔を拭いてあげているところに、ナナが滑ってきてとんでもない量の水しぶきをふたりにかけた。

元々子供用のすべり台であるため、ナナのお尻の大きさだと、びっちりとすべり台にお尻がハマってしまい、水鉄砲のようにお湯を押し出してしまうのだ。

着水後もナナのメリハリボディーのせいで、水しぶきが大爆発。ナナの尻爆弾投下である。


ドモンも滑ると、着水地点には以前ドモンがお願いしていた、柔らかなマットが敷かれていた。

これなら尾てい骨を打つなんてこともなさそう。


サンとシンシアがキャッキャと遊んでいる間、ナナに体を洗ってもらうドモン。

エイに仕込まれたナナの体洗いは最高である。ヨハンの話からすると、エリーはもっと凄いのかもしれないけれども。


身も心も色々な意味でスッキリしたドモン。

あとは最高のサウナに入るのみ。





ウォータースライダーで尾てい骨を骨折したことがあるリアルドモンさん。しかも結構最近。

マットは大切。



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