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第145話

ドモンとナナがゲームセンターへと向かう少し前のこと。


「うおお!!なんだこれは?!」突然届いた米に驚く騎士。

「あ、ジル!御主人様の荷物が届いたみたい!!」と駆け寄るサン。今度はきちんと靴を履く。


だが届いた荷物にドモンからの手紙はついておらず、落胆するサンとジル。

その直後、少し小さめのダンボールが届き、手紙が貼り付けられているのを発見し、歓喜の声を上げるふたり。


『サン、知り合いからサンのお菓子が本当に届いていたよ。重たい方はお米だから馬車まで運んでもらってくれ。お菓子はみんなで食べていいけど、ナナの分は残してやってくれると助かる。余ったものは冷蔵庫に。ではまた後で』


手紙を読み上げるサン。

それを聞き、すぐに騎士がお米を馬車へと運んでいった。


サンとジルは大切に畳んだその手紙をどちらが持つかで仲良く争い、『サン』と書いてあったということで、今回もサンが預かることになった。



「わぁ・・・なんでしょう?このお菓子は?」箱を開けたサン。

「く、黒いわ・・・いや、茶色なのかな??」とジル。

「これは恐らくチョコレートを使用したお菓子でしょうね。王都の方で見たことがあります」と騎士。


ドモンが知り合いからもらったのは大量のチョコブラウニー。

ビニールで出来たツルツルの包装を不思議そうな顔をしながら破き、サンがまずひとかじり。


「んん?!美味しいです!甘くて少しだけ苦味があって、でもまろやかで!」

「ああ~もう本当に元の生活に戻れなくなりそう!」とジル。


騎士や御者も目を丸くしながら一気に食べ終える。


「まだこんなにたくさんあるから取っておこうねサン」

「う、うぅ・・・御主人様がいない・・・うー!うわぁぁん!!」

「急にどうしたのよサン?!」


普通に会話をしていたはずなのに、突然泣き出したサンに困惑するジル。

赤い顔をしながらイヤイヤとサンが泣きながら駄々をこね続けた。


「あぁこれは・・・お酒が少々入っていたようです」と騎士の言葉にようやく合点がいった一同。


「サンってば・・・お酒に弱いのねウフフ」

「御主人様ぁ~ワガママ言うからお仕置きしてぐだざい~!うー!」

「ちょっとサン、普通逆でしょそれアハハ。変な子アハハハ!イヒヒヒヒ!!アッハッハ苦しいハッハー!」


ジルは笑い上戸であった。



サンとジルが仲良くテントの中で眠っている時、また荷物が届いた。

御者が手紙を見ながら寝ているサンの横にカバンの入った袋を、ジルの横には大きな人形の袋を置く。まるで季節外れのサンタクロース。


騎士が馬車の中へ枕を置きつつ、グラスふたつと氷を冷蔵庫から持ってきた。


「では我々も少し飲みますか」

「ああそうですな。お嬢さん方も酔って寝てしまったことですしハハハ」


その後しばらく、森の中に「カーッ!美味い!」という声が響き続けた。




「あ、あれケーコさんじゃない?」

「お、戻ってきたか」


戻ってくる少し前、無事換金が出来たと連絡があり、ドモン達はホッとしていた。


「それにしてもあれが噂の馬がいらない馬車なのね。どんな魔法なのよ・・・」

「ガソリンという火薬のようなものを小さく爆発させながら走る乗り物なんだ」

「それを言われてもさっぱりだわ」

「俺だって説明してても意味がわからんっての」


改めて人間の知恵、そして技術者は凄いと感じるドモン。

それがあって当たり前であり、その仕組みなんて今までそれほど気にもしていなかった。


大事そうにカバンを抱えつつ、残った額縁のひとつを持つケーコ。

キョロキョロと辺りを見渡しながらドモンの元へ。


「あの様子だと結構な金額になったな・・・」


ドモンの感覚では金貨は一枚約30グラム。

それを20枚売ったのだから、金は600グラムにもなっているはず。

1グラム3500円くらいと踏んでいたので、200万円くらいになる予定だった。


「ドモン・・・あんた大変よこれ」

「いくらになった?」

「400万」

「は?!今そんなに相場高いのか??」


実際は400万を超えていたが、端数はガソリン代としてケーコが貰った。

書類を確認すると、金は18Kで630グラム。相場は1グラム6500円ほどだった。

計409万5千円也。


「まあ端数くらいやるよ。俺が持っていても仕方ないしな」

「来て良かった。今ならトイレで一回くらいいいわよ」と笑うケーコ。


「だ、だめよ!」

「冗談よ。こんなおっぱいがあったんじゃ私に勝ち目はないものね」

「ハゥ!ケ、ケーコさん!!」


むんずとナナの胸を掴んで揉みしだくケーコ。


「んじゃケーコ、とりあえずまずはナナの服を買うの手伝ってくれ。そのおっぱいが入って太って見えない服だぞ?」

「わかってるわよ。とんでもなくスケベな服を着せてあげるわ」


「やったぁ!」

「なんで嬉しいのよあんた・・・スケベな服って言ったのに」


ナナの予想外の反応に驚くケーコ。


「そいつは下着も付けないで透けたネグリジェ一枚で街中を歩いたことがあるくらいだから、多少のスケベな服なんて余裕だよ。しかもこの体だから、もうすでに街では伝説のおっぱいねーちゃんとして有名だ」

「ちょ、ちょっとドモン!・・・言わないでよそのことは・・・」


胸の前でちょんちょんと人差し指を合わせるナナ。


「冗談じゃなかったの・・・お母さん泣くわよそんな事してたら」

「それが母親の方はナナの倍くらいデカいおっぱいで、街中の人を悩殺してんだよ。王族のジジイもモジモジしちゃうからな。そのおっぱいには」

「呆れた。そして王族ってまさか・・・」

「こっちで言うところの皇族みたいなもんだな。知り合いになっちゃって。最初は殺されそうになったけど」


またやったかと頭を抱えるケーコ。

異世界に行ってもドモンの行動に頭を悩ませられることになるとは思ってもいなかった。


「それはともかく・・・お母さん気をつけさせなさいよ?人妻だろうがなんだろうが、こいつヤるわよ?」

「その辺は大丈夫です。お父さんも一緒に住んでるし。それにお母さんもお父さんも奔放というか、少しくらいドモンがお母さんのおっぱいに顔を突っ込んだりしても笑ってるから。私は引っ剥がすけどねウフフ」


ナナからそれを聞き、ドモンをキッと睨みつけるケーコ。


「また一本二本、折っといてあげようか?」

「いえ、結構ですケーコ様」

「???」


そんな会話をしながら婦人服売り場へと移動した三人。


「す、すんごい服の量!!それに見てドモン!!全部異世界の服だわ!!」

「いや当たり前だろそりゃ」


そのやり取りを聞いてプッと吹き出すケーコ。


「まずは下着も買いましょう。正直合うサイズがあるとは思えないけれど」

「まあ俺も流石にブラは無理だと思ってるけど、一応サイズ測ってもらってから聞いてみてよ?」


下着売り場まで移動。

ドモンは恥ずかしいので、少し離れた場所で長椅子に座って待機している。


「店員さんすみません、合うものがあるかないかわからないけれど、とりあえず一応測ってみてもらえますか?」とケーコ。

「え、あ・・・はい・・・」女性店員がナナの胸を見て色々と察した。



「ト、トップが・・・125センチで、アンダーが78センチなので・・・ええと47センチ差だからサイズはIカップ以上と言いますか、サイズ的にはLかMかNか・・・」と困惑する店員。


「・・・・それでナナのお母さん、ナナの倍おっぱいが大きいっての?」

「き、貴族の人達が国で一番大きいって言ってるくらいなので・・・太ってるわけじゃないんだけど」


呆れるケーコと困惑する店員。


「ヒップは・・・大体110センチですね」

「採寸がお上手なんですね!前にやった時は時間かかったのに」

「いや、それよりも問題はその大きさでしょうに」


更にケーコが呆れた。規格外すぎる。

見た目通り外国人レベルだとは思ってはいたが、こんなのは外国人でも滅多にいない。


「輸入下着を販売しているテナントがありますので、そちらの方へご案内致しますか?」

「そうね。お願いします」

「ゆ、輸入??」

「いいからおいでナナ」


ナナの腕を引っ張り店員についていく。

その様子を見たドモンも慌ててついていった。


「どうだった?」

「LかMかNカップだそうよ。当然ここには合うサイズがないから輸入品売ってる店を紹介するって」

「そ、そりゃそうなるわな・・・なんつーおっぱいだよ」


ドモンとケーコの会話を聞いて恥ずかしそうに項垂れるナナ。

店に着き、早速一番大きなサイズを試着してみたが、それでも少しはみ出てしまう。

しかしそれ以上どうしようもないので、そのサイズの物をありったけ購入し、ついでにパンツも購入。


下の方はピッタリの物があった。ただしこちらは元から色々はみ出るように作られている物である。



「ねえドモン・・走ったらこぼれちゃいそうなんだけど・・・」

「走るな。もう二度と」

「それに馬に乗ったらすぐに先っぽが飛び出しちゃうわね」

「知らん。もう先っぽは出していけこれから。例の生パスタ作る時便利だろ」


まあいいかと服を着てから鏡の前でポーズを決めるナナ。

この世界の素晴らしい下着をつけたことにより、その美しいスタイルが更に際立たされた。


「さっきまでより百倍エロいわねナナ」

「なんかすごくスケベね私・・・お母さんを超えたかな?」

「もう俺駄目かもナナ、ケーコ。ふたりでどうにかしてよ」


すぐにドモンにお仕置きをしようと思ったふたりだったが、汗をかき辛そうなドモンを見て、流石にこれは気の毒だとベンチに座らせ、飲み物を飲ませて落ち着くのをただ待っていた。


左右両方からドモンの首筋の匂いをクンクンと嗅ぎ、脚の付け根を擦りながら・・・。





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