みぃつけた
フィクションです。
今日も私は友達と、公園に来ていた。
友達とかくれんぼをするためだ。
この公園は、日当たりが悪い。だが、そのおかげでかくれんぼにはうってつけの場所なのだ。
同級生の男子たちは、この公園の敷地内にある神社を気味悪がり、なかなかこの公園には来ない。
確かに曇ってるときとかは怖いが、気味が悪いとは思わなかった。
「ねぇ、始めよ!じゃあ、公園全体でかくれんぼね。」
「うん!」
「じゃあ…30秒以内に隠れて!いーち、にーい、さーん…。」
友達が30秒を数えだし、私は神社の脇の生い茂った中にうずくまった。
「もういいかーい。」「まーだだよー。」
「もういいかーい。」「もういいよー。」
鬼役の友達が探し出る。
「みーつけた!」「みつかっちゃった。」
遠くでそんな声が聞こえる。
まだみつかってないから、私は隠れたままでいた。そこに
「みぃつけた。」
というか細い声が聞こえた。
辺りを見回しても誰もいない。怖くなってそこから逃げようとした。
でも体が金縛りにあったように動かない。
たすけて、たすけて、たすけて…。
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そこからの記憶は私にはなかった。茂みの中に倒れている私を、公園を整備してくれるおじいさんが見つけて、助けてくれたのだった。
あの声の主は、誰だったのだろうか。
あの神社となにか関係があるのかは分からないままだった。
読んでいただきありがとうございます。