世界で一番優しいキスをしよう
世界で一番優しいキスをしよう
制作:Gift Of Memories
シナリオ:やんちゃ
僕が見たのは、君の優しい笑顔
君が見てるのは、どんな風景?
そこに僕は映っていますか?
ずっと君の隣に居たい…
心から、そう思った
ねぇ、世界で一番優しいキス、しよっか…
キャスト
勇樹 (爽龍)台詞数62
見かけも普通、勉強もスポーツも普通、何もかもが普通な少年
不器用で上手くやることが苦手な勇樹は、ある日、一目惚れをしてしまう
春の木漏れ日の中で、亜実を見つける
そして、恋が始まる…
亜実 (紅原ユウ子)台詞数49
読書が好きな文系少女
晴れた日に、学校の木の下で、本を読むことが好き
声を掛けてくれた勇樹と仲良くなる
そして、恋は始まる…
勇樹:(ドラマや映画では、ふとした出会いがあったり、世界を変えるような出来事が起こ
ったりするけれど、現実は、そう上手くはいかない。
目に映るのは、ただ、平凡な日常…)
勇樹:(朝起きて、ご飯食べて、学校行って…何が楽しいか分からなくなってきた僕が居た
いつからか、そんな風に感じていた。また今日も同じ毎日を繰り返していく
勇樹:(昼飯は、焼きそばパン、やっぱりこれが基本だ。無難で一番美味い
連れから、一緒に飯食おうぜとか、遊ぼうぜとか言われるけど、今日は一人で居た
かった、何か、そんな気分だった…)
勇樹:晴れてるな。外で食べるのも良いかもな
勇樹:(学校には一つ大きな木がある。何処から見ても見えるくらい大きな木だ
そんな木の下で一人少女が座っていた)
勇樹:何してんだ、あんなところで
勇樹:(何故か、見とれてしまっていた。その優しい雰囲気に、肌はだしい素顔に…)
亜実:「私はずっと、あなたを目で追いかけていた。どうしてだろう、気づかないうちに、
こんなに好きになっていたなんて…今、やっと気づいた。私、恋してる…」
勇樹:(一人呟いてる女の子に、僕は不思議と引き寄せられる)
亜実:「次はいつ会えるかな、とか、いっぱい考えて、眠れなくて…
心が、あなたで溢れてて、それで、それでね…」って、わわっ
勇樹:あ、ちょっ、こ、こんにちは
亜実:あ、あの、えっと…いつから私の隣にいたんですか?
勇樹:今、だけど… いや、ここ、ちょっとだけ日陰だから…
亜実:もう、びっくりした
勇樹:僕が居ること、全く気づかなかったの?
亜実:私、集中してしまうと周りが見えなくなってしまうんです
勇樹:なるほどね、あ、本読んでたの? 面白い?
亜実:ま、まぁ。私の大好きな作家さんの本ですから。新作なんですよ
勇樹:へぇ。小説か。何てタイトルの本?
亜実:え、えっと…
勇樹:「世界で一番優しいキスをしよう」
亜実:わわわっ、何か、恥ずかしいじゃないですか!
勇樹:本を差し出して来たのは君だろう?
亜実:あ、そうですね。はははっ…
勇樹:面白そうだね、優しそうなタイトルだし
亜実:笑わないんですか?
勇樹:どうして? 何か面白いことなの?
亜実:いや、こういうのって、男の子から見たら、何か、変に思うのかな〜って…
勇樹:そう? そんなことないと思うけど…
亜実:そ、そうですか…
亜実:(男の子と話したこともあんまり無かった私は、ちょっと緊張してた
けど、他の人とは少し違う感じだった。何か、すぐに馴染めるような
そんな雰囲気を持ってる人だった。それが私と、あなたとの出会い)
勇樹:趣味は?
亜実:読書です
勇樹:やっぱり…似合うね、そのメガネといい、文系な女の子って感じだし
亜実:別に良いじゃないですか
勇樹:いやいや、悪く言ってるわけじゃないんだって
亜実:そういう勇樹くんの趣味は何なんですか?
勇樹:敬語じゃなくて良いってさっき言ったでしょ
亜実:あ、はい、そうですね、じゃなくて… うん、そうだね
亜実:(意外な事実、勇樹くんは、一つ上の先輩でした。ちょっと幼い顔で、初め見たとき
から、ずっと同い年だと思ってたのに…)
勇樹:趣味ねぇ、う〜ん、特にないかな
亜実:え〜っ、そんなのつまんない
勇樹:そうそう、つまらない男なんだ
亜実:自分で言ってどうするの。じゃあね、本読もうよ、これ貸すから
勇樹:小説かぁ、最後まで読めるかな
亜実:大丈夫、面白いから。私、昨日読み終えたから、持って帰って
それで、また感想聞かせて。
勇樹:分かった。じゃあ、少しの間、借りとくよ
勇樹:(それから、僕たちの距離は少しずつ近くなった
まともに友達とすら話してなかった僕にはとても新鮮で、ただ、毎日が楽しかった)
勇樹:「君のこと、好きになっていいですか?」何てハズイフレーズだ
僕には似合わないな。女の子ってこういうのに憧れるのかな
勇樹:(小説を読み始めてみると、どんどん世界に引きこまれていくのが分かった
初めて、本の面白さに気付いた。こんな考えあるんだとか、見えなかったものが
たくさん見えてくる気がした。多分、あの子は、多くの感情を抱えてるんだろう
ふと、そんなこと思ったりもした)
勇樹:(なぜだろう… 最近、あの子のことばっかり考えてる気がする)
勇樹:今日もご飯はここなんだ
亜実:うん、晴れた日に、ゆったりと、くつろげるから
勇樹:そういやさ、亜実ちゃんは、友達と遊んだりしないの?
亜実:あ、うん、私、あんまり友達って居ないから
勇樹:そっか、僕とよく似てるな
亜実:勇樹くんもそうなの? 結構みんなで遊んでる気がしたけど
勇樹:たまに言われる。でも意外に一人で居ることが多いから
亜実:私と同じだね、ははっ。あ、本、読んでくれた?
勇樹:うん、半分くらい、一気に読めた、面白いよ、マジで
亜実:でしょ。やっぱり、気に入ってくれると思った
勇樹:僕の一番は、女の子を一途に想い続ける男の想いと…
勇樹:(気付かないうちに熱く語っていた自分が居た
自分にしては珍しい姿かもしれない、この子と居ると不思議と自然な僕が出る)
亜実:あ、もうすぐ休み時間、終わりだね
勇樹:まためんどくせー授業だな
亜実:次は何の授業?
勇樹:数学。まぁ、ちゃんと勉強するけどね、寝ながら睡眠学習。超便利
亜実:ちゃんと先生の話を聞いて下さい
勇樹:はーい
亜実:(子供みたいな話を繰り返しながら、笑い合った、笑い合えた
私は少しずつ、彼に惹かれてくような気がしてた
うううん、初めからね… そんなこと分かってた…)
亜実:うっ、痛っ
勇樹:どうした?
亜実:目に何か入ったー、痛たた
勇樹:大丈夫か?
亜実:うん、多分… あ、大丈夫、うん、もう痛くない、取れたみたい、ははっ
勇樹:(メガネを外して、微笑んだ彼女は、とても可愛かった
ドキッとするくらい可愛いかった。僕はこの時から、君に恋をした)
勇樹:(その夜、俺は借りていた小説を全部読んだ
物語はちょっと切なくて、でも、とても優しくて…
好きな人か… 考えるのは、君のことばかり。駄目だ、苦しい、何だこれは…)
勇樹:(あの本の話は、世界で一番好きな人が出来て、恋をする
そして、初めて優しいキスをする。そんな、暖かいお話)
勇樹:似合わないと思ってた僕が、何か、染まってきてしまった気がする…
亜実:(多分、あなたは気付いてた。きっと、私も気づいていた。
お互い、惹かれ合っていたこと… だからもう、言えるよね
勇樹:今日は、話したいことがあったんだ
亜実:うん。何かね、私もそんな気がしたの、勇樹くんがお話してくれるような
そんな気がしてたんだ
勇樹:本、読んだよ、凄い良かった。僕も大好きな本になった
で、僕にも大好きな人が居るんだ
亜実:そうなの? ははっ、勇樹くんには、似合わない台詞だね
勇樹:うるせぇ
亜実:私も、大好きな人がいます
勇樹:え? そう、なんだ、あのさ… あの…
勇樹:君のことが、大好きだ
亜実:あなたのこと、大好きになりました
勇樹:あ、はははっっっ
亜実:ははははっ、一緒だね
勇樹:(この日から、僕たちは恋人になった。優しい時の中で、共に笑って側にいたくて…
僕が見たのは、君の優しい笑顔。君が見てるのは、どんな風景?
そこに僕は映っていますか? ずっと君の隣に居たい… 心から、そう思った
亜実:来月さ、また新作の小説出るんだよ
勇樹:マジで。見たい! 買おうかな。今度はどんな話かな〜
亜実:多分、とっても、幸せなお話だと思うよ
勇樹:ねぇ、あの物語の続き。ここで、世界で一番優しいキス、しよっか…
亜実:も、もう、バカっ…
勇樹:(時が止まったようだった。僕たちは、初めてキスをした
多分、それは誰よりも暖かくて柔らかい「世界で一番優しいキス」をした)
亜実:えへへっ、キスしたね
勇樹:言うな、ハズイわw
勇樹:(大好きな人はいますか? ふたり想い合えることは奇跡だと思うから)
亜実:(大切に、どうか幸せでありますように…)
勇樹:(僕たちは、今日もまた、笑い合って生きている)
亜実:(私たちは、明日もまた、笑い合って生きていく)
END
CM
勇樹:初めて会った気がしなかった。そんな君との出会い
亜実:ねぇ、この小説呼んでみてよ、凄く面白いから
勇樹:何てタイトル?
亜実:えっとね、えっと…
亜実:ギフトオブメモリーズ オリジナルボイスドラマ「世界で一番優しいキスをしよう」
勇樹:きっと、ふたり想い合えるのは奇跡だと思うから
亜実:その日私たちは、世界で一番優しいキスをした…